2015/08/09

もし警官の給料が罰金歩合制になったら?:カンボジアでは来年から。。

異常猛暑な日本から一転、すっかり快適なカンボジアの気候にすっかり馴染んだ今日この頃。

とはいえ本格雨期に突入しているので、夕方あたりにザッと来るスコールのせいでうっかり道路が一時的に激流の河のようになったりするが、たった数分間の都バス待ち時間の間だけで命の危険を感じてしまうあの東京の炎天下に比べれば、まあ十二分に許容範囲内の出来事である。 やはり涼しいのはいい事だ。

さて思考力も奪われる事のない快適なカンボジアの気候の中で、日本滞在中のように氾濫する情報強制流入byマスメディアに惑わされることなく、改めてカンボジアに関する最近の時事情報などを眺めてみると、やはりいろいろと気になる事が起っているようである。


今回何となく気に留まった時事ネタは、来年2016年頭から実施される「交通違反の罰金の70%が正式に警察官の懐に入りますよ」という新制度。

現地報道紙プノンペンポストにも「Traffic cops personally pocket 70% of the fines they give out・・・」と書いてあるから、まあ「懐に入ります」というニュアンスで下々に伝わっている事は間違いないと思われる。

ちなみに残りの30%については、25%が管轄警察署の備品・消耗品予算に組み込まれ、5%が経済財政省への上納金、とご丁寧にアガリの配分先までリリースされている。


プノンペン市内の目抜き通り(モニボン通り)にはほぼ全ての交差点の角(信号を超えた側)に警察官が潜んでいる配置されている。 
まさに路上の釣り人(Fisherman on the road)。


更にちなみに遡る事2014年頭から、カンボジア税務総局は税務調査により発覚・徴収した追徴課税・重加算税等の課徴金の10%を担当税務調査官に「インセンティブ」として配分していると公式に発表している。 現地報道を見る限り、これも完全な歩合制である。

国家権力を象徴する2大強制執行機関といっても過言ではない、集金装置としての徴税機関と暴力装置としての警察機関。 
その権力を背景に国民・住民に対して物理的強制執行手段を持つ役職員が、その権力行使の結果(による違反の摘発)に応じた成功(?)報酬を受け取る制度。 

強制的に徴収された課徴金・罰金が直接的に公務員の歩合制給料原資として配分される、、という公式制度は、もしかしたら世界で他に類を見ないのではないだろうか?

ほんの少しググってみたが、似たような制度の情報はネット上では見受けられなかった(調査不足だったらすみません)。


いつどう計ったのかわからないスピード違反で罰金とられた際に渡されたレシート。 カンボジアの公的機関から頂いた初めての領収書(的なもの)として記念撮影。 ちなみに金額は10,000クメールリエル(≒ 2.5米ドル ≒ 312円)
両面ともに記念撮影。 さっぱり読めないが、スピード違反の行にチェックマークされているらしい。


当然日本でも、警察官の人事評価には犯罪や違反の検挙率が反映されるし、税務調査官の昇進には増差(税務調査で見つかった申告漏れ所得)実績の大きさが大きく影響するとも言われる。

が、これはあくまで犯罪や違反を摘発した実績が間接的に人事に反映されるだけであって、その実績が直接給料に歩合的に反映されるわけではない(はずだ)。

自国の証券取引所の基本取引通貨を外貨(米ドル)にしてみようとしたり、など意外と大胆かつ壮大な社会実験をあっさり敢行してしまうクセがある我らが小国カンボジアだが、今回のこの制度も実はその類に属するものと捉えられても不思議じゃない話なんじゃないだろうか。。。 
(実はこの歩合制公務員給与の方式を既に取り入れている国は結構あります、、という事実があれば、ぜひ教えてくださいませ <(_ _;)>)


まあ制度自体の是非はさておき、実際の運用にあたってこの新制度に果たして実効性があるのかどうか、、は、担当役職員が従来慣行と新制度の各々に基づいて強制徴収した課徴金・罰金を処理した場合の(本人の懐に入る)収入期待値の比較検討次第かと考えられる。

絶賛発展中の後進開発途上国カンボジアでは従来、税務調査官であろうが交通警察官であろうが、税務調査や交通取り締まりで カタギ 違反者から 召し上げた 徴収した 見かじめ料 課徴金・罰金を、ほぼ100%自らの懐に入れていた(当然、仲間内の配分やボスへの上納分も含めて)、はずだ。

その状況に対し、新たなルールとして課徴金・罰金を正規に国庫に納めたらその一部(税務署は10%、交通警察は70%)を正規報酬として各担当役職員にキックバックします、とのお達しが御上からあった。

後ろめたいけど100%ゲット(ただし配分あり) or 公明正大に10%-70%ゲット。 さて彼らはどちらを採るだろう。


現地報道紙プノンペンポストより拝借した生々しい「路上の釣り」ヒットの瞬間 交通違反取り締まり現場。
取り立てたシノギ 罰金をさあどうする?


まあそういうルールができた以上、ある程度の シノギ、いや釣果、いや業績は御上に報告しないといけないだろうし、懐に入る金額の単純比較だけで決めるわけには行かないだろうが、まあ取り立てた分を報告用・非報告用に適当に配分していく感じになるんだろうか。。

さすがに御上もその実態をある程度把握しているから、かどうかわからないが、今回の交通警察の新ルールには、上記に加えてさらに困った制度改正を織り込んでくるつもりらしい、、というのが実は現地報道紙で一番気になったところである。

先ほど引用した「Traffic cops personally pocket 70% of the fines they give out・・・」には文章の続きがある。 全文を以下コピペすると;

「Traffic cops personally pocket 70% of the fines they give out from January 2016 onwards, when the country's new traffic law is implemented and penalties will rise five-fold.

地元で運転するカタギの身として最も気になるのはこの rise five-foldである。 日本出身だとあまり馴染みのない英語の言い回しだが、筆者のつたない英語力だと、どうも罰金が5倍になる、としか読めない。

親分から子分に対する「見かじめ料を5倍にしてやるから、取り分70%でも元々の3.5倍だろ」という理屈なのかどうかは定かではないが、、、何にせよ来年から諸々5倍になりそうは気配だけは漂っている。。。

居心地良かったカンボジアがますます世知辛くなっていく、、途上国の発展のとある一側面には違いない。

なお、筆者はカンボジアの自動車免許を正式に取得しているので、気をつけるべきはスピード違反、標識違反、シートベルト付け忘れ、ライト等の整備不良、飲酒運転、交通事故、くらいのはずであるw

と、そういえばそろそろ免許更新しないと。 毎年更新にも関わらずまた1.5ヶ月くらいかかるのだろうか。。1年間のうち1.5ヶ月免許が手元にない、という状況もこれまた改善してほしいプチストレス要因であるinカンボジア (==#)



2015/08/02

天才数学者より早かった日本の"最強"安保戦略(※カンボジアとは無関係w)

いつもより長めの東京出張も終盤戦。 今回は本当に日本の酷暑を散々体験させて頂いた。 カンボジアも3、4、5月あたりは確かにかなり暑いが、乾季(から雨期の頭)という事もあって基本カラッとした気候の暑さであり、この日本の高湿度でジトッと重めの暑さに比べればだいぶラクな気がする。 

週明けにはプノンペンに戻る予定だが、あっちはあっちで雨期に入ってもしばらく降らなかった雨が昨日いきなり一気に降り出したらしく、市内はいたる所で大洪水になっている模様。 とりあえずプノンペン自宅が無事である事を祈るのみである。


久しぶりに日本に丸一週間以上いるが、この国にいるといつも感じる「情報が勝手にどんどん脳内に流入してくる感」にもこれまた久しぶりに長く浸かっている。 
この情報の類が、自分で選んだものではなくマスメディアに選別されたものであるのが不快感の元なわけだが、だったらテレビも雑誌も電車の中吊り広告も見なければいいじゃないか、という理屈はごもっとも。 プノンペンでは自宅でテレビをつける事などほぼ皆無だが、なぜ日本にいるとつけてしまうのか。。自分で自分が謎である。

で、まあ上記に関係ないこともないのだが、一週間離れているカンボジアとは少なくとも全く関係ない今日のお話。


2ヶ月ちょっと前の事になるが、高名な米国数学者ジョン・ナッシュ氏がニュージャージー州で交通事故で亡くなった(2015年5月)。 
奥様と同乗されていたタクシーの衝突事故によるもので、ご夫妻ともに亡くなられたとの事。 ご冥福をお祈りいたします。

一般的にはアカデミー賞(作品賞)受賞作となった米映画「ビューティフル・ライフ」(2001年)でその半生が描かれた事で知られるが、その名を轟かせたのは今や経済学に限らず社会学や生物学など幅広い分野で応用されている「ゲーム理論」の礎を築いた業績だろう。

協力するか裏切るかお互いに分からない複数のプレイヤーが参加しているゲームで、お互いが相手の出方を考えながら選択する出方が均衡するポイント(出方の組み合わせ)があることを立証(「ナッシュ均衡」という)。 

共犯の容疑で捕まった犯罪者2人が別々に取り調べを受けたとして、お互い黙秘していれば短期に釈放される事はお互いに分かっているのに、結局お互い自白して長期禁固刑となってしまう事を論理的に証明した「囚人のジレンマ」は、「お互い最もハッピーになるとわかっている行動を採れず、論理的にアンハッピーとなる行動を選択してしまう」事の立証となり、「市場参加者は常に最も経済合理的(=最もハッピーな状況となるよう)に行動する」というそれまでの経済学の大前提に対する強烈なカウンターパンチとなった。


この考え方は今や個人間や会社vs会社などの組織間、ひいては国家間の交渉事の戦略策定の基礎になっていて、昨今EUあたりと瀬戸際交渉しているギリシャ財務相はゲーム理論の専門家であるらしい。

で、この「相手が協力してくるか裏切ってくるか分からない状況」でその相手と何回も取引(ゲーム)をする場合、果たしてどういう作戦を取るのが最も賢いのか。

この「いつ裏切るか分からない相手との付き合い方」こそゲーム理論の学者達が最重要命題として研究してきたテーマであったが(たぶん)、実はこれには既に解が出ている。

世界の学者達が協力して、いろんな作戦を繰り出す参加者を集めたコンピュータ上の総当たりバトルを開催。 どの作戦(裏切りor協力の組み合わせ)が最も高い勝率を誇るか実験した(らしい)。

結果的に、最も(圧倒的に)高い勝率を誇った作戦は、極めてシンプルなものだった。

1. 最初は協力
2. 次からは、相手が前回にとった作戦(協力or裏切り)をやりかえす。

Tit for tat(しっぺ返し)作戦と言われる上記の作戦は、最初は相手が誰であれ協力し、相手が協力すればそのまま協力、相手が裏切ったら次は裏切り、その相手が反省して協力してきたらまた協力する、というとても単純な作戦で、結局これが最も高い勝率を誇る作戦となった。


実社会には経験則的にこの作戦が適用されているケースがよく見られる。

分かりやすい事例としては反社会勢力等とも呼ばれる組織の行動様式と言われる。
小説で読んだ程度のレベルしか知らないが、彼らはどこかの事務所で喧嘩を売られると、面子を維持する意味もあって徹底的に反撃し、それが繰り返されると抗争に発展する。 両組織のトップは抗争まで発展する手間段階での「手打ち」を模索。 最初に喧嘩をうった側が(お互いの面子を保ちつつ)何らかお詫びを入れて「手打ち」となったら、そこで反撃はストップする(作戦上、協力関係に戻る)。


この論理的な知見を国家関係に適用するとどうなるか。 いつ裏切るか分からない他国とどうつき合うか、いま日本で話題の安全保障にこと知見を応用すると、最強の安全保障戦略は以下のようになる(はずだ)。

1. 最初に攻撃しない(平和主義)
2. 攻撃を受けた場合、徹底的に反撃(専守防衛)
3. 相手が攻撃をやめたら、反撃を停止(専守防衛)


故ジョン・ナッシュ氏が初めて「非協力型ゲーム理論」の論文を起こしたのはプリンストン大学在学中の1949年で、博士号を取得したのはその翌年。  その業績が讃えられノーベル経済学賞を受賞したのは1994年である。

武力行使の放棄と交戦権の否認を宣言した日本国憲法の施行は1947年5月3日。 学生であった故ジョン・ナッシュ氏が論文を提出する2年前である。

図ってか図らずか、戦後日本が採った安全保障戦略は「経済学的には最強」であったことが、時を経てアメリカが生んだ至高の天才とその跡を次ぐ学者達によって立証されたわけである。 


・・・・この酷暑のなか、戦後70年だの安保法制が云々だの、という日本のニュース情報強制流入に脳が侵されてこんなアップになってしまいましたが、カンボジアに戻ったら平常通りに戻ります。。
<(_ _;)>













2015/07/26

誰も教えてくれない「いったん飛行機降ります」にご用心:プノンペン→(?)→ハノイ

久しぶりに体感中、日本の夏の酷暑in東京。 暑い。。。

ジトッと重苦しい感じで暑い。強い日差しが肌を焼くような暑さはないが、地味にジワッと嫌な汗がにじんで来ながら次第に思考力が奪われていく感じ。 

この7、8月あたりの日本の真夏の暑さは他国に比べてもちょっと異質の酷さな気がする。 カンボジアの方が今の時期は明らかに快適だし、ドバイや香港あたりで駐在していた知人もこの時期の日本よりは各々現地の方がラクと言っていた。
 
あまり外回り仕事を詰め込みたくない時節である事は間違いないが、今回の出張は通常より長めな10日間。。。スーツ着て都内を動き回る週明けを今は想像しない事にする。


さて今回は、昨日日本入りした際に初めて利用した「プノンペン→ハノイ→成田」という乗り継ぎ便で、ハノイ到着前に初体験したラオス首都ビエンチャン空港での「一時降機」について備忘録。 
エアコンがあまり好きでなく、生暖かい空気を扇風機にかき回してもらってはいるものの、思考力が順調に奪われ中な東京自宅での投稿なので、まあウダっと書ける軽めな話題をw

ちなみに飛行機の「搭乗」の反対語にあたるのが「降機」らしい。
日本語的には本来「乗機」⇄「降機」が対語関係にあって、むしろ「搭乗」より「乗機」が正しい(?)らしいのだが、飛行機業界で「搭乗=飛行機に乗る」という使い方が長い事使われた結果一般化した、、らしい。 細かい日本語勉強になる事がたまにあるのもブログの良い効果である、と思う。


今回利用した便はベトナム航空で、以下が発着スケジュール。
プノンペン17:50発 → ハノイ21:00着
ハノイ翌00:25発 → 成田07:35着 (すべて現地時間)

同じベトナム航空のホーチミン経由便で似たようなルートがあるが、出発時間がハノイ経由に比べてだいぶ遅くなる。
プノンペン20:30発 → ホーチミン21:15着
ホーチミン翌00:15発 → 成田08:00着 (すべて現地時間)



で、上段のハノイ経由便で、実は「隠れ一時降機@ビエンチャン」が入っているわけだが、

プノンペン17:50発 →(ビエンチャン一時降機)→ ハノイ21:00着

この一時降機が航空会社から普通に発行される旅程(アイティネラリー)にもチケットにも全く記載されていない(はずだ)。


ということで今回一時降機させて頂いたラオス首都ビエンチャン空港。
筆者にとっても実は初のラオス入り(?)w

海外慣れしている方々であれば問題なくスルーするだろうけど、海外にも英語にも不慣れな方であれば相当アセるだろうな、、と思われる。

てっきりハノイで乗り継ぎだと思って構えていたら、聞いていた半分くらいの時間で着陸して、どこだかわからない場所に下ろされる。 不慣れな方の中で「ビエンチャン」という地名を聞いてすぐ「あ、隣国ラオスの首都ね」とピンと来る方はおそらくかなり少ないはずだ。


一時降機とはいえしっかりセキュリティゲートは通る。なおこのゲートは日本からの寄贈らしいw

しかも30分も経たないうちにすぐに出発。 ラオス語(たぶん)と英語で搭乗アナウンスされるが、右も左も分からずオロオロする中でこのあっさりアナウンスを聞き取るのはかなり難儀かと思われる。


ビエンチャン空港搭乗ゲートエリア。 海外旅行不慣れな方がいきなりここに下ろされたら「ここはどこ?」状態になることは必須(たぶん)

今回筆者は(滞在30分くらいであることも含め)事前に分かっていたので、売店を探してサクッと現地ビールを楽しめるくらいの余裕はあったが、それでもかなり時間はタイトであったという印象。


ラオスのビール「ビアラオ」。筆者は知人オススメのGoldラベルを♪ 米ドルが使えて価格は4米ドル。 
なお、お手洗いまで済ませようと思うとゆっくりと飲む時間はない

意外な形で初のラオス入り(まだ入国はしていないが、降り立ったのは事実w)して現地でビアラオ(Gold)を楽しんだあと、実に(たぶん)10年ぶりにハノイのノイバイ国際空港に到着。

そしてその変貌ぶりに驚き。。。。








こんなに立派になっているとは。。。後で調べてみたら、ここはおそらく日本のODAで大成建設が作り上げたターミナル2(2014年12月31日運用開始)だと思われる。 日本の円借款が原資だからアラブの国相手と違って日本の建設会社にも取りっぱぐれリスクはないし、さすがは日本の自作自演な底力(間違っていたらごめんなさい)。


ガラス張りのお手洗いから空港外を眺める。 10年前は空港出たらすぐ原っぱで牛が寝そべっていたのに。。



ビエンチャンに続いてハノイ地ビールで乾杯♪

今回はチケットや旅程に現れない「隠れ一時降機」でアセらないための有用情報にもなるかな・・との思いと、まあせっかく撮った写真を使いたかった事もありw、プチ旅行記的に軽めなアップとさせて頂きました。


ベトナムだけに、遅めの夕食はベタに牛肉フォー。


追加で頼んだ別の地ビールを見て、古き良きベトナムクオリティーを「不揃いのラベル達」に感じて何故かホッとする筆者


さて、やっぱり暑い東京で、今週もなんとかがんばります。




2015/07/16

人材活用最前線 in カンボジア:カンボジア人 or 日本人?

連休(による業務進捗停滞)によるストレスからすっかり解放されるカンボジア確変期間7、8、9月(2015年)がスタートして約半月。 
カンボジア零細事業経営者的には、数多あるクメール・ストレスのうちほんの1つからだけの解放とはいえ、ありがたさが身にしみる季節である(筆者だけ?w)。

ここ数回本稿の冒頭ネタで取り上げ続けた祝日ストレスもさることながら、多くの(カンボジアから見て)外国人経営者を悩ますクメール・ストレスの代表格はやはりヒトに絡むところだと思われる。

分かってないのに「Yes」、すぐばれる小ウソ、これからやるのに「やりました」と言う時制酔い、etcなど、一つずつ見れば大げさに取り上げる程の話でもない、とはいえスルーできない程度にイラッとくるプチ・ストレス達が図ったかのような嫌なタイミングで波状攻撃的にやってきて、その対処に結局けっこうな時間をとられたりして、チリも積もればヤマ的な累積ストレスで心が折れそうになる。。という典型的なクメール・ストレス

上記リンクの通りだいぶ前に本稿でも取り上げたりしたが(ほぼ完全に愚痴でした・・)、、ふと思い返してみると最近は弊社スタッフに起因するその手のストレスに悩まされる事がだいぶ減ってきた (なくなりはしないけれどw)。


古き良き日本式を取り入れつつ。。。


まあズルズルと長い事(もうすぐ7年経過・・)カンボジア人スタッフを雇って事業している筆者に知らないうちにストレス耐性が身についてしまってるから、、とも言えるが、相変わらずローカル取引先、パートナー先、オフィスビル管理先,etc(の一部)からは変わらぬストレスを頂き変わらずイライラさせて頂いているので(天が自分に課した精神修行と捉える事にしている)、まあ弊社スタッフ達の成長・改善に感謝すべき所なんだと思われる。


大きな改善理由は、長い社歴の古参スタッフ(3〜5年)が増えてきて筆者⇄古参スタッフ⇄新人スタッフというコミュニケーションラインがほぼ出来ている事と、即幹部採用する転職組(彼らも筆者と直コミニケーション)のレベルがかなり上がってきている事である。 彼ら(古参・新規あわせた幹部メンバー)の年齢層はだいたい25〜35歳といったあたり。

彼ら幹部メンバーには基礎的なビジネス英語がインストールされている事はほぼデファクトで、プラスαの独自スペックが各々備わったりしている。
昼夜僻地を問わない行動力、日本の会計士も舌を巻く数値管理力、日本語・中国語・タイ語などマルチ言語力、人材・資材のローカル調達力、役所相手の交渉力etc。


幹部メンバー達の会議もようやくそれっぽくなってきた。。気がする。


その分給料も相対的に高いけれど、とはいえ日本での新卒手取り月給の1/3〜1/2(最近円安だから少し+αか・・)程度の金額で、彼らクラスの能力値を日本で求めるのは実質的に不可能だ。


彼らを雇う身として、彼らと経営会議などそれっぽい議論をした後など、たまにふと感じるのは、「いま自分が彼らを雇う立場(というか世代)で良かった・・」という素朴な安堵感である。

「カンボジアくんだりの後発開発途上国(Least Developed Countries,LDC)であってもそういうレベルの人材が現役になってきていて事業運営がだいぶラクになった」という想い(これもよく感じるが)よりもむしろ、「自分が彼らと競争する立場(というか世代)にいなくて良かった、、」というニュアンスの安堵感である。


筆者が日本で働いていた頃の20代後半あたりをふと思い返してみると、業務スペックに関してだけ言えばたぶん今の彼らよりも当時の筆者の方が総合的には高かった(僻地耐性とかはないけれど、基本所作とか業務処理面でw)。 
しかし、当時の筆者一人分の給料で、少なくとも現在弊社のカンボジア人20代後半幹部メンバー●名以上は雇用できる。

で仮に今、経営者の立場である筆者の目の前に、20代後半当時の筆者一人と、同世代の現弊社カンボジア人幹部メンバーチーム●名が現れて、「さあどちらを採用しますか」と問われれば、当然業種業態にもよるけれど、ほぼ確実に後者チームを選んでしまうかな、、と思う。 
新興国ハイランク人材のスペック&給与水準を知ってしまった経営者である今の筆者から見ると、20代後半当時の筆者では何をさせるにも全くコスパが合わない、、と感じざるを得ないだろう。 


一昔前に依頼されたエッセイでも同様な事を書いた事がある。 
筆者が学生の頃のいわゆる就活では、日本人同世代とのスペック比較で国内競争していれば良かったが、これからの日本の若者は多国籍な人材達との国際競争になってしまって大変そうだ。。と。
(JGAPエッセイ「同世代間で"国内競争力"を磨けばよかった時代は終わった」

そのエッセイを書いてしばらく経つが、その後の新興国人材スペック(のコスパ)は当時よりも更に飛躍的に伸びている、、という事を改めて実感する今日この頃である。


各地域拠点(プノンペン、バッタンバン、ポーサット、バンテアイミンチェイ、シェムリアップ)のリーダーを張っているカンボジア人次世代幹部達。 期待してます。



一方、そういう事情を日本から眺めても、当時はまだ「でもそれって海外で事業する場合の話でしょ・・」という対岸の火事的な感じもあったかと思うが、最近はどうやら身近になってきているようだ。

今日本を席巻しているインバウンド爆買いに実際サービス対応しているのは日本語を話せる外国人スタッフであり、どうやら日本企業も国内での外国人採用をメイン枠と捉え始めているようである。
(→日経記事「就活戦線異変あり。ライバルは外国人」


ようやく、日本人若手世代にとって「今そこにある危機」となってきた(のか?)、競争相手としての外国人若手人材の台頭。 

まだゆるい時代にその世代を通り過ぎてしまった筆者としては、過酷な国際間競争の前線に立たされる日本人若手世代に「むしろ自身を切磋琢磨せざるを得ない良いチャンスだ!」とか囃し立てたりエールを送ったりしつつ、内心では自分の代じゃなくて良かった。。とホッとしつつ、 更なるスゴい日本人若手が海外(できればカンボジア)に飛び出して来てくるのを引き続きお待ちしている次第である。



若手カンボジア人スタッフ達にまじってニヤける日本人インターン(写真左上♂)
バッタンバンに張り付いてもう半年、そろそろかなりアセっていないとおかしい、、はずw。






2015/07/04

またバブルな宴の兆し in カンボジア:聞こえてきた大型プロジェクト達の足音

2015年も気がついたらもう7月。 今年が後半戦に突入してしまったことに愕然しながら焦りばかりが募る今日この頃inカンボジア。

「祝日多過ぎて困るカンボジア諸事情」については本ブログ冒頭で頻繁に取り沙汰させて頂いているが、そんな当国でもなんと7月、8月は一切祝日がなく、9月は祝日が1日あるだけという、事業経営者的に見ると国が営業日を大盤振る舞いしてくれる「確変入り」フィーバー期間となる。 
来るべき10月からの大型連休オンパレード期間前に、やるべき事を全てやり切ってしまうための、全力疾走3ヶ月の始まりである。 さてがんばろう。


そんな掛け声(だけ)は勇ましく、とは言えついつい現実逃避したくなってしまう週末の午後あたり、ふと周りを見渡してみると、何やら羨ましくなるくらい浮き世離れした荒唐無稽なおとぎ話が、またふつふつと涌いてきているらしい我らが新興国カンボジア。 

こういうお祭りネタが降って涌いて、架空の豪華出演者リストが出回って(稀に少しの友情出演もあったりする)、一部の気の毒なエキストラ達が踊るに踊って、散々振り回され尽くした頃に大概いきなり終演を迎える、、というカーニバル・サイクルが数年置きに自然発生するところも、エマージングカントリーで味わえる面白味の1つである。

「踊るXXに見るXX、同じXXなら踊らないと損」というのが確か日本の格言(?)だったかと思うが、まあ損するクセがついて久しい筆者としてはまたもや毎度の傍観である。


さて、そのそうそうたるカーニバル予定演目についてだが、まず新聞で報道された公表情報からいくと、カンボジア現地企業(Thai Bun Rong Company)と中国系デベ(Kia Nip Group)がジョイベン(JV)方式でプノンペン市に提案した高層ツインタワー計画。 
地上500m, 115階建て、総工費は30億米ドル(約3,700億円)。


完成予想図?
(写真は本件とは無関係かも知れません・・)
報道によると、市のスポークスマンからは「もっと勉強してきて」と突き放されたり、同業界関係者からは「今プノンペンにそんなもん要らん」と一刀両断されたり(どちらも筆者意訳w)、散々な取扱いを受けているようだが、これしきの冷や水でヘコたれるようなカーニバル主催者ではない事を期待したい。 

報道では、10年前くらいのサイクルの時の韓国系デベによる「Golden Tower42(注1)」や、5年くらい前のサイクルの時のフンセン首相がぶち上げた「Diamond Tower(注2)」計画などと比較され、「似たような与太話」的な捉え方をされていたが、3度目の正直という言葉もあるわけだし、いよいよ本命登場かと期待したい。

ーーー
(注1)
プノンペン中心地で韓国系デベが建設を進めていた42階建て高層タワープロジェクト。
総工費2.4億ドル。 2008年リーマンショックのあおりを受けて(?)資金に詰まり2010年9月に建設工事ストップ。 以来野ざらしのままもうすぐ5年経過。

(注2)
2010年、フンセン首相が唐突にアナウンスした、プノンペン中心地のメコン川とサップ川の合流地点にぶち建てる555mの高層タワー計画。 雨季と乾期の水位高低差が7mにもなる激流大河の中州地盤にそんなの建てられるのか、、との当時の国民・住民の期待と不安をよそに、2017年竣工をぶち上げたがまだ着工スタートもしていない(はずな)のでご安心を。
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こういう公表された話以外でも、某地方での超大型XX工場建設(総工費X十億円)とか、超大型XXXX開発引き継ぎ(総予算X百X十億円)とか、景気のいいカーニバルな話がチラホラと筆者の耳にまで届くようになって来た、懐かしい匂いとともにw  

期待の新興国カンボジアもいよいよますます香ばしいフェーズに入ってきたかな、、と感じるのは、予定されている(という)カーニバルの中身が、話的にも規模的にも前サイクルまでに比べてケタが1つか2つ変わってきたからだ。

10年前や5年前のサイクルの話だと、農地と称した広大な森林地帯をつかまされてX億円が溶けたとか、日本から無税で輸入したものを何でも売れると喜び勇んで来てみたら全く何の手続きも踏んでなくてX千万円すったとか、まあイタいとは言えその程度の”小宴”系カーニバルがほとんどだった。 
突出して大きい宴でも、韓国系の新都心計画で310億円注ぎ込んだら220億円くらい行方不明(90億円分しか使途判明せず)、という話があったくらい。 韓国で逮捕者が数人出て、カンボジア商業銀行の1つが特別銀行に格下がった程度の話である。

それが今や、X十億円からX百億円クラスは通常にある話で、上述のツインタワーなどは3,700億円。 昔の小宴がかすり傷にしか見えなくなる規模である。


当然、これらの中にはホンモノに”化ける”ネタも潜んでいる(可能性もある、たぶん)。

そんな宝クジ的なワクワク感が、まだカンボジアに来て日が浅くいいタイミングでカンボジアに乗り込んできたおかげで「キングダム・オブ・ワンダーが俺の前だけに落としてくれた夢のチケット」を信じる気力と体力があるエキストラ達投資家・事業家達を夢の世界へと駆り立てる。

また楽しい祭宴の終わりの始まり、、、かもしれないw。 
見るXXとしては、小宴の前説にもならない自身の零細事業運営に疲れた週末あたりに、カーニバルの舞台で踊るエキストラ達の栄枯盛衰大儲け物語を伝え聞くことで勇気と癒しをもらえる事を期待したい。



2015/06/18

東横イン in プノンペン開業直前、泊まってみました

怒濤の祝日連休ラッシュ(4、5月)が過ぎ去って、事業的にはようやく走り時となった我らがカンボジア。 で、本日は6月唯一の単体祝日でまたお休みである。

本日のお題は王様の御母様の御誕生日を祝う祝日。 まあ本日についてはたぶんそれ以上の深堀り要素はない(と思う)が、はたして直系ロイヤルファミリーの誕生日を祝日とするこの国のルール(?)は、1親等まで(子供は王位継承者のみ)という制約があるのか、もしくは兄弟姉妹を除く2親等まで含まれるのか、少し興味を引かれるところである。


1親等までだとすると、次の王位継承の際に祖父母となるシアヌーク前国王・王妃の誕生日が祝日でなくなる事になるが、建国の父とその奥様の生誕祭を平日化できる気概は当国政治家達にはなさそうだ。


で、2親等まで広がるとすると、次期王様から見て御祖父母・御両親の生誕祭(1日 X 4名 =4日)と次期王様ご本人の生誕祭(現行ルールを踏襲するとすればお一人分で3日間)で合計7日の祝日が割り当てられるはずである。  

王位継承の度に2日ずつ祝日が加算されることになる、気がする。 果てなき増殖ポテンシャルを隠し切れないカンボジアの祝日・・。

でも興味を引かれる度合いが少しである理由は、まだ現在独身であられる(はずの)現国王の御結婚やら次期王位継承やらが多分まだまだ先の話で、当面の事業運営にあまり関係ないからだ。


と、またつい長くなってしまった冒頭の祝日ネタ。。もうしばらく(9月まで)祝日ないので今回で当面打ち止めかと思われます<(_ _;)>



まあそれはさておき、本日のテーマは6月19日開業が目前に迫った日系ビジネスホテル「東横INNプノンペン」。 


開業直前の昨日17日、無料モニター宿泊プランに参加する機会を頂き、一泊体感してきたので、その感想を備忘録。



東横INNプノンペン 正面玄関。イオンモールの近く。


ホテルの概要としては、23階建て(最上階は展望レストラン)、客室総数328室、客室内やユニットバスの仕様は日本の東横インとほぼ同じ、価格帯は以下;

・デラックスツイン:USD59
・ツイン/ダブル:USD49
・デラックスシングル:USD39
(上記全て税込みとのこと)

単身でお邪魔させて頂いたのだが、割り当てて頂いたお部屋は眺めの良い18階のツイン。 部屋のポテンシャルをフル活用しきれず申し訳ありませんでした。



モニター無料宿泊客受付中。やはりメインは在住邦人。


なお本稿では、サービス業の開業当初(特にプレオープン・ソフトオープンなどのお試し期間)に必然的に発生するオペレーションや設備類の不備、サービス対応の手落ち、等については言及しない。


それらの不備や手落ちに対して主に在住邦人社会でランダムに発生するフルボッコ酷評総攻撃「プノンペンの洗礼」について、本稿はあくまで対岸の火事として(無事鎮火する事を祈りつつ)傍観するスタンス。 


理由は、営業開始してコナれてきたら解消されるであろう不備や手落ち情報はアーカイブとして残るブログ情報には不向きであるから、というだけで、それ以外に他意はなく、自由かつ活発な意見交換には基本的にポジティブな傍観者である筆者ですw



準備が間に合わなかった内容はしっかり張り紙で事前通知


で本題に戻ると、割当られたツインのお部屋に最初に入った印象は、まあ案の定、カンボジアのローカル・他外資系ホテルに比べて「狭っ・・。」という感じ。 



何か広めに写ってしまっている気がするが(まさに自画自賛ですみませんw)、ファーストインプレッションはやはり「狭っ」でした。。


とはいえ、いわゆる「東横イン」(筆者が抱いているイメージとしては、いわゆる普通のビジネスホテル)なんだし、運営会社側も「日本とほぼ同じ仕様」と言っているんだから、別に期待ギャップがあったわけではない。やはりそうなんだ、という所感。


むしろ、この狭い空間によくぞここまで過不足なくファシリティを設置できたもの、、と感心。 空間に無駄がなさすぎるw



ベッド下まで収納エリア化。しかもそのアドバイス付きw
なぜかカンボジアのホテルのセキュリティボックスは複雑な使用方法のものが多い(気がする)が、ここのは極めてシンプル。


ドライヤーのコードは長さがやや足りなかった(私見)


で、かなり感心したのは水回り。 

「シャワーの水圧、水量、水温の3大要素」がここまで快適かつ独立変数的に調整できるホテルはカンボジア現地ではなかなかお目にかかれない。 

シャワー差し込みが角度別に2つに分かれているのに驚き。。さすが日系の細やかさw


筆者の知る限り、通常のカンボジア現地ホテルにおけるこの3大要素は、お互いゼロサム的に影響を及ぼし合ったり(水量を増やすと水温が下がる、みたいなw)、強い意志を持っているかのように宿泊客の意図にすり寄らない選択を求めてきたり(冷水 or 熱湯、みたいなw)、とかく一筋縄ではいかないヤツらのはずである。 
それをここまで制御できているとは、それだけで筆者としては脱帽です。


ユニットバスも、見た目はかなり狭くて小さいのに、入ってみると意外と快適に湯につかれた(筆者身長は184cm、痩身とは言えないw)。 何か空間を最大限活用するノウハウ的な技術があるんだろうか。。



入ってみると意外とゆったり浸かれたり。。(さすがに足は伸ばせないがw)


朝食は最上階23階の展望レストランにて。 景色は当然ながらかなり良い。 宿泊客じゃなくても(夜とか)利用できるのだろうか。。



無料モニター宿泊客で賑わう最上階展望レストラン


23階から眺めるプノンペン。

食事はいわゆる普通のビジネスホテル的なビュッフェ。 まあ、期待ギャップは特になし。

控えめな取り方だったのは単に痩身になりたい(けどなれてない)からw


で、今回泊まったツインルームのお値段としては通常価格でUSD49・・・うーん、さて。。



今回感じた印象を端的にまとめると、以下の要件に当てはまる短期ビジネス出張者にとって、デラックスシングルUSD39はかなり魅力的な気がする。

・部屋の広さやくつろぎ感よりも、水回り・衛生面・設備機能性を重視
・会社方針的もしくは職位的に、出張予算が大盤振る舞いではない
夜は会食・外食メインで、部屋では夜1人で寝るだけ
(デラックスシングルの部屋は見てないが、おそらく日本仕様と同様だと思うので)

まさにいい感じのビジネスホテルじゃん、そういい感じのビジネスホテルなんです、というお話でした。



和風テイストな地上階ロビー


筆者的がまだカンボジア(に限らず東南アジア全般)に出張ベースで来ていたころ、ホテル予算はかなり厳しめに設定しつつ「(筆者にとっては)デッドスペースでしかない広いお部屋はいらないから、シャワーが快適でシーツが奇麗であって欲しい・・」とよく感じていたが、まさにそういう類の方々にはオススメだと思われます。



なお、同じくモニター宿泊されておられた知人数名から伺ったところ、やはり部屋の整備が未完成なお部屋も多かったようで、筆者に割り当てられた部屋はおそらく”当たり”の部類に属するようである。

 
前述の通り初期不良系の内容については過度に言及しないが、ちなみに筆者の部屋はテレビのリモコンが作動せず、部屋に入りルームキーを差し込み口に挿すと勝手についてくれるテレビの電源を消す事が出来なかったので、やむなくコンセントを抜かせて頂きましたw


そういえば明日19日は、フンセン首相、ヘンサムリン国民議会議長と並んで長くカンボジアの指導者の地位におられた(かつ最長老であられた)チアシム人民党党首・上院議長の公式追悼日(本年6月8日御逝去)。


公的機関は喪に服するためお休みだが、民間企業は(ほぼ)通常営業。 
新たな祝祭日にはなるかどうかは不明である。。。結局祝日ネタで締めてしまって恐縮です。


チアシム上院議長との面談(2009年11月)。いろいろとお世話になりました。。合掌。


2015/06/06

カンボジア 農業 最前線:なぜ農業がツラいのか今 in カンボジア

最近になって夕方あたりに本格スコールも降り始め、ほんの少しだが涼しくもなり、ようやく雨期入りを感じさせ始めた我らがカンボジア。 確か昨年もこれくらいの時期から雨期入りしたように記憶している。

従来は4月終わりから雨期入りするというのがカンボジア季節感の定説だった(と思う)が、1ヶ月ほど遅らせる方が現状に合っているようにも思える。

今年の乾期後半の暑さ&長さは例年に比べかなり異例だった(というような事をここ2、3年ずっと言っている気がする・・)。 天候に大きく左右される農業従事者にとっては極めて洒落にならない事態である。

実際、野菜類を手がけられている農業事業者の方々の中には甚大な被害に見舞われたケースもあったようだ。 
こうも暑さが続けば、爪に火を点すように大事に使っていたであろう貯水池の水も干上がるだろうし、暑過ぎて発芽にも至らなかった野菜畑もあった模様。 
雨待ち・雨頼りにならざるを得ないケースが多いカンボジア農業のイタい所だ。

一方、先週のぞかせて頂いたドリアン畑の気のいいおばちゃん(カンボジア人)曰くは、今年は暑さが続いたせいでドリアンの収穫が止まらず「お金をどこに置いておけばいいか困ってるわww」と笑いも止まらない感じだった。 ドリアンとはそういう果物なのか、、と感心しつつ、農業事業のハイリスクっぷりに感じ入らざるを得なかった。


天候だけではなくマーケットの事情にも大きく左右される農業事業。

カンボジア現地報道で、カンボジアの米の輸出(ヨーロッパ向け)がミャンマー米の台頭に押されて減少し始めている、とのニュースが流れたが、読んでいて悲しくなったのはその価格。

カンボジアの長粒白米(いわゆる普通の米)の輸出価格(たぶんFOB価格)が430米ドル/トンで、ミャンマーの米はそれより20米ドルほど安いらしい、という話。
(※FOB=Free On Board、本船渡し条件。 売る側が輸出船にモノを乗せた段階で売り渡した事にする条件。航海中のリスクは買主が被る。

430米ドル/トン。。
大規模な精米工場を構え多くの農家を囲ってモミ(脱穀する前の外皮に包まれた状態のコメ)を安く吸い上げている事業者じゃないと利益は出すことは出来ない価格水準である(たぶん)。

筆者がカンボジア米の輸出(ヨーロッパ向け)を手がけていたとき、輸出価格はまだ500米ドル台だった。 


あれは3年前。。200トン弱でも結構大変だった、、がおかげさまでいろいろな事が分かった。


その後、コメの輸出価格が下がっていく中で、ライセンスから通関業務まで含め全て自分達でやったのでいつでも自分達でまた輸出再開できるというスタンスで、再び価格が上がるのを待ちつつ、他の事業(農機販売など)に専念していたが、、、まさか上がるどころかここまで下がっているとは。。


2008年、同じ長粒白米で国際価格指標となるタイ産中級米のFOB価格はなんと1000米ドル/トンを超えていた。 
当時、世界食糧危機が声高に叫ばれていて、コメ産出国は輸出禁止措置などを採って自国にコメをキープしていた。




で、カンボジアはいち早くその禁輸措置を解除し(2010年)、コメを「ホワイトゴールド(白い黄金)」とまで持ち上げ、2015年までに正規に100万トン輸出するという「ライスポリシー」を大きな国策として掲げた。  

当時、フンセン首相の嗅覚は、再び大きく値上がりするであろうコメこそが、カンボジアが外貨獲得するための重要戦略物資となるのでは、、という匂いを感じ取った、、んじゃないかと思う。
(そんな話をオンラインビジネスマガジン『JBPress』に寄稿したのも懐かしい。

その後、コメの輸出価格は下がるに下がって、今や先述の430ドル/米ドル。 アテが外れるもいいところだ。
その間に起こった、タイ政権の悪評高いコメ政策やら、インドやミャンマーの台頭、などは、当然予測できるものでもない。 残念ながら良い流れが来なかった(むしろ逆流だった)としか言い様が無い状況である。

2015年末(あと半年・・)まで、当然ながら達するわけがないカンボジア米正規輸出100万トン。。ライスポリシーの落とし所はまあ、フンセン首相が豪腕でねじ伏せる話になろうかと。


市場やら天候やら、制御できない諸要素に左右される農業ビジネス。。。まあ、いろいろな要素に左右されるのは農業に限った話ではないけれど。
こういった波の上下をうまく対処しながら、沈む事なくじっと堪えた先に、来る(かもしれない)大きな波にしっかり乗れるかどうか。

・・・というような振り返りに思いを馳せるきっかけをくれた、430ドル/トンという数字でした。
以上、特にオチはないです(いつもないかw)。


本ブログも本稿で88本目( 八十八)、、がコメ(米)の話題になったのは本当に偶然w
クドい話に長い事お付き合い頂きましてありがとうございます <(_ _)>