2015/06/18

東横イン in プノンペン開業直前、泊まってみました

怒濤の祝日連休ラッシュ(4、5月)が過ぎ去って、事業的にはようやく走り時となった我らがカンボジア。 で、本日は6月唯一の単体祝日でまたお休みである。

本日のお題は王様の御母様の御誕生日を祝う祝日。 まあ本日についてはたぶんそれ以上の深堀り要素はない(と思う)が、はたして直系ロイヤルファミリーの誕生日を祝日とするこの国のルール(?)は、1親等まで(子供は王位継承者のみ)という制約があるのか、もしくは兄弟姉妹を除く2親等まで含まれるのか、少し興味を引かれるところである。


1親等までだとすると、次の王位継承の際に祖父母となるシアヌーク前国王・王妃の誕生日が祝日でなくなる事になるが、建国の父とその奥様の生誕祭を平日化できる気概は当国政治家達にはなさそうだ。


で、2親等まで広がるとすると、次期王様から見て御祖父母・御両親の生誕祭(1日 X 4名 =4日)と次期王様ご本人の生誕祭(現行ルールを踏襲するとすればお一人分で3日間)で合計7日の祝日が割り当てられるはずである。  

王位継承の度に2日ずつ祝日が加算されることになる、気がする。 果てなき増殖ポテンシャルを隠し切れないカンボジアの祝日・・。

でも興味を引かれる度合いが少しである理由は、まだ現在独身であられる(はずの)現国王の御結婚やら次期王位継承やらが多分まだまだ先の話で、当面の事業運営にあまり関係ないからだ。


と、またつい長くなってしまった冒頭の祝日ネタ。。もうしばらく(9月まで)祝日ないので今回で当面打ち止めかと思われます<(_ _;)>



まあそれはさておき、本日のテーマは6月19日開業が目前に迫った日系ビジネスホテル「東横INNプノンペン」。 


開業直前の昨日17日、無料モニター宿泊プランに参加する機会を頂き、一泊体感してきたので、その感想を備忘録。



東横INNプノンペン 正面玄関。イオンモールの近く。


ホテルの概要としては、23階建て(最上階は展望レストラン)、客室総数328室、客室内やユニットバスの仕様は日本の東横インとほぼ同じ、価格帯は以下;

・デラックスツイン:USD59
・ツイン/ダブル:USD49
・デラックスシングル:USD39
(上記全て税込みとのこと)

単身でお邪魔させて頂いたのだが、割り当てて頂いたお部屋は眺めの良い18階のツイン。 部屋のポテンシャルをフル活用しきれず申し訳ありませんでした。



モニター無料宿泊客受付中。やはりメインは在住邦人。


なお本稿では、サービス業の開業当初(特にプレオープン・ソフトオープンなどのお試し期間)に必然的に発生するオペレーションや設備類の不備、サービス対応の手落ち、等については言及しない。


それらの不備や手落ちに対して主に在住邦人社会でランダムに発生するフルボッコ酷評総攻撃「プノンペンの洗礼」について、本稿はあくまで対岸の火事として(無事鎮火する事を祈りつつ)傍観するスタンス。 


理由は、営業開始してコナれてきたら解消されるであろう不備や手落ち情報はアーカイブとして残るブログ情報には不向きであるから、というだけで、それ以外に他意はなく、自由かつ活発な意見交換には基本的にポジティブな傍観者である筆者ですw



準備が間に合わなかった内容はしっかり張り紙で事前通知


で本題に戻ると、割当られたツインのお部屋に最初に入った印象は、まあ案の定、カンボジアのローカル・他外資系ホテルに比べて「狭っ・・。」という感じ。 



何か広めに写ってしまっている気がするが(まさに自画自賛ですみませんw)、ファーストインプレッションはやはり「狭っ」でした。。


とはいえ、いわゆる「東横イン」(筆者が抱いているイメージとしては、いわゆる普通のビジネスホテル)なんだし、運営会社側も「日本とほぼ同じ仕様」と言っているんだから、別に期待ギャップがあったわけではない。やはりそうなんだ、という所感。


むしろ、この狭い空間によくぞここまで過不足なくファシリティを設置できたもの、、と感心。 空間に無駄がなさすぎるw



ベッド下まで収納エリア化。しかもそのアドバイス付きw
なぜかカンボジアのホテルのセキュリティボックスは複雑な使用方法のものが多い(気がする)が、ここのは極めてシンプル。


ドライヤーのコードは長さがやや足りなかった(私見)


で、かなり感心したのは水回り。 

「シャワーの水圧、水量、水温の3大要素」がここまで快適かつ独立変数的に調整できるホテルはカンボジア現地ではなかなかお目にかかれない。 

シャワー差し込みが角度別に2つに分かれているのに驚き。。さすが日系の細やかさw


筆者の知る限り、通常のカンボジア現地ホテルにおけるこの3大要素は、お互いゼロサム的に影響を及ぼし合ったり(水量を増やすと水温が下がる、みたいなw)、強い意志を持っているかのように宿泊客の意図にすり寄らない選択を求めてきたり(冷水 or 熱湯、みたいなw)、とかく一筋縄ではいかないヤツらのはずである。 
それをここまで制御できているとは、それだけで筆者としては脱帽です。


ユニットバスも、見た目はかなり狭くて小さいのに、入ってみると意外と快適に湯につかれた(筆者身長は184cm、痩身とは言えないw)。 何か空間を最大限活用するノウハウ的な技術があるんだろうか。。



入ってみると意外とゆったり浸かれたり。。(さすがに足は伸ばせないがw)


朝食は最上階23階の展望レストランにて。 景色は当然ながらかなり良い。 宿泊客じゃなくても(夜とか)利用できるのだろうか。。



無料モニター宿泊客で賑わう最上階展望レストラン


23階から眺めるプノンペン。

食事はいわゆる普通のビジネスホテル的なビュッフェ。 まあ、期待ギャップは特になし。

控えめな取り方だったのは単に痩身になりたい(けどなれてない)からw


で、今回泊まったツインルームのお値段としては通常価格でUSD49・・・うーん、さて。。



今回感じた印象を端的にまとめると、以下の要件に当てはまる短期ビジネス出張者にとって、デラックスシングルUSD39はかなり魅力的な気がする。

・部屋の広さやくつろぎ感よりも、水回り・衛生面・設備機能性を重視
・会社方針的もしくは職位的に、出張予算が大盤振る舞いではない
夜は会食・外食メインで、部屋では夜1人で寝るだけ
(デラックスシングルの部屋は見てないが、おそらく日本仕様と同様だと思うので)

まさにいい感じのビジネスホテルじゃん、そういい感じのビジネスホテルなんです、というお話でした。



和風テイストな地上階ロビー


筆者的がまだカンボジア(に限らず東南アジア全般)に出張ベースで来ていたころ、ホテル予算はかなり厳しめに設定しつつ「(筆者にとっては)デッドスペースでしかない広いお部屋はいらないから、シャワーが快適でシーツが奇麗であって欲しい・・」とよく感じていたが、まさにそういう類の方々にはオススメだと思われます。



なお、同じくモニター宿泊されておられた知人数名から伺ったところ、やはり部屋の整備が未完成なお部屋も多かったようで、筆者に割り当てられた部屋はおそらく”当たり”の部類に属するようである。

 
前述の通り初期不良系の内容については過度に言及しないが、ちなみに筆者の部屋はテレビのリモコンが作動せず、部屋に入りルームキーを差し込み口に挿すと勝手についてくれるテレビの電源を消す事が出来なかったので、やむなくコンセントを抜かせて頂きましたw


そういえば明日19日は、フンセン首相、ヘンサムリン国民議会議長と並んで長くカンボジアの指導者の地位におられた(かつ最長老であられた)チアシム人民党党首・上院議長の公式追悼日(本年6月8日御逝去)。


公的機関は喪に服するためお休みだが、民間企業は(ほぼ)通常営業。 
新たな祝祭日にはなるかどうかは不明である。。。結局祝日ネタで締めてしまって恐縮です。


チアシム上院議長との面談(2009年11月)。いろいろとお世話になりました。。合掌。


2015/06/06

カンボジア 農業 最前線:なぜ農業がツラいのか今 in カンボジア

最近になって夕方あたりに本格スコールも降り始め、ほんの少しだが涼しくもなり、ようやく雨期入りを感じさせ始めた我らがカンボジア。 確か昨年もこれくらいの時期から雨期入りしたように記憶している。

従来は4月終わりから雨期入りするというのがカンボジア季節感の定説だった(と思う)が、1ヶ月ほど遅らせる方が現状に合っているようにも思える。

今年の乾期後半の暑さ&長さは例年に比べかなり異例だった(というような事をここ2、3年ずっと言っている気がする・・)。 天候に大きく左右される農業従事者にとっては極めて洒落にならない事態である。

実際、野菜類を手がけられている農業事業者の方々の中には甚大な被害に見舞われたケースもあったようだ。 
こうも暑さが続けば、爪に火を点すように大事に使っていたであろう貯水池の水も干上がるだろうし、暑過ぎて発芽にも至らなかった野菜畑もあった模様。 
雨待ち・雨頼りにならざるを得ないケースが多いカンボジア農業のイタい所だ。

一方、先週のぞかせて頂いたドリアン畑の気のいいおばちゃん(カンボジア人)曰くは、今年は暑さが続いたせいでドリアンの収穫が止まらず「お金をどこに置いておけばいいか困ってるわww」と笑いも止まらない感じだった。 ドリアンとはそういう果物なのか、、と感心しつつ、農業事業のハイリスクっぷりに感じ入らざるを得なかった。


天候だけではなくマーケットの事情にも大きく左右される農業事業。

カンボジア現地報道で、カンボジアの米の輸出(ヨーロッパ向け)がミャンマー米の台頭に押されて減少し始めている、とのニュースが流れたが、読んでいて悲しくなったのはその価格。

カンボジアの長粒白米(いわゆる普通の米)の輸出価格(たぶんFOB価格)が430米ドル/トンで、ミャンマーの米はそれより20米ドルほど安いらしい、という話。
(※FOB=Free On Board、本船渡し条件。 売る側が輸出船にモノを乗せた段階で売り渡した事にする条件。航海中のリスクは買主が被る。

430米ドル/トン。。
大規模な精米工場を構え多くの農家を囲ってモミ(脱穀する前の外皮に包まれた状態のコメ)を安く吸い上げている事業者じゃないと利益は出すことは出来ない価格水準である(たぶん)。

筆者がカンボジア米の輸出(ヨーロッパ向け)を手がけていたとき、輸出価格はまだ500米ドル台だった。 


あれは3年前。。200トン弱でも結構大変だった、、がおかげさまでいろいろな事が分かった。


その後、コメの輸出価格が下がっていく中で、ライセンスから通関業務まで含め全て自分達でやったのでいつでも自分達でまた輸出再開できるというスタンスで、再び価格が上がるのを待ちつつ、他の事業(農機販売など)に専念していたが、、、まさか上がるどころかここまで下がっているとは。。


2008年、同じ長粒白米で国際価格指標となるタイ産中級米のFOB価格はなんと1000米ドル/トンを超えていた。 
当時、世界食糧危機が声高に叫ばれていて、コメ産出国は輸出禁止措置などを採って自国にコメをキープしていた。




で、カンボジアはいち早くその禁輸措置を解除し(2010年)、コメを「ホワイトゴールド(白い黄金)」とまで持ち上げ、2015年までに正規に100万トン輸出するという「ライスポリシー」を大きな国策として掲げた。  

当時、フンセン首相の嗅覚は、再び大きく値上がりするであろうコメこそが、カンボジアが外貨獲得するための重要戦略物資となるのでは、、という匂いを感じ取った、、んじゃないかと思う。
(そんな話をオンラインビジネスマガジン『JBPress』に寄稿したのも懐かしい。

その後、コメの輸出価格は下がるに下がって、今や先述の430ドル/米ドル。 アテが外れるもいいところだ。
その間に起こった、タイ政権の悪評高いコメ政策やら、インドやミャンマーの台頭、などは、当然予測できるものでもない。 残念ながら良い流れが来なかった(むしろ逆流だった)としか言い様が無い状況である。

2015年末(あと半年・・)まで、当然ながら達するわけがないカンボジア米正規輸出100万トン。。ライスポリシーの落とし所はまあ、フンセン首相が豪腕でねじ伏せる話になろうかと。


市場やら天候やら、制御できない諸要素に左右される農業ビジネス。。。まあ、いろいろな要素に左右されるのは農業に限った話ではないけれど。
こういった波の上下をうまく対処しながら、沈む事なくじっと堪えた先に、来る(かもしれない)大きな波にしっかり乗れるかどうか。

・・・というような振り返りに思いを馳せるきっかけをくれた、430ドル/トンという数字でした。
以上、特にオチはないです(いつもないかw)。


本ブログも本稿で88本目( 八十八)、、がコメ(米)の話題になったのは本当に偶然w
クドい話に長い事お付き合い頂きましてありがとうございます <(_ _)>