2014/06/30

続「イオンモールプノンペン」:祝グランドオープン(雑感)

同じネタを(小さなグルメネタを挟みはしたが)立て続けに2回取り上げるのもどうか、、とも思ったが、まあ小国カンボジアの歴史に(たぶん)残るホットな時事でもある。

首都プノンペン中心地に最近ようやく生まれた「小売・飲食生態系スモールワールド」を軽く壊滅させてしまう(かも)くらいのインパクトがありそうな歴史的ハコモノの出現、、、。拙稿2回分くらいどうってことないだろう、、という事で、まあ当日の映像メインにもう一度。


本日6月30日、グランドオープニングセレモニーを迎えた「イオンモールプノンペン」。




朝8時からの式典には、日本の外務大臣、在カンボジア大使のお姿も。




カンボジアの首領(ドン)、フンセン首相もご臨席。 おそらくは前列の民衆みなさまと握手を交わしながら歩かれているのだろうが、そのお姿は報道陣に隠れ全くもって見えない。



日のノリも絶好調、いつものように軽く2、3時間は続くか、、と思われた首相スピーチも、イオンの開店時間を気にされてか、はたまた体調がおすぐれにならないのか、サクッと1時間程度で終了 (それでもひな壇上の方々には悠久な時間に感じられたかと拝察・・)。






首相の有難いスピーチ(当然カンボジア語)、ひな壇上のVIP皆様にはイヤフォン経由での同時通訳付きだったはずだが、(カンボジア人から見て)外国人一般ピープルには全くもって理解不可能、、ということで、失礼ながら離席させて頂き、まだ一般客入場前のモール内部を散歩 視察。

オープンは28日だったはず(筆者は地方行脚中でオープン当日は見られず)だが、その直前(26日あたり)の状況までしかしらない筆者の目には、ほぼキセキにしか映らない・・くらいの仕上がりっぷり。









まだオープンしていない店もいくつか見受けられたが、素人目にはすっかりしっかり出来上がっているように見えたジャパン・クオリティーなショッピングモール。

最後までアセらないカンボジア人気質のせいでモールが出来上がらない、、みたいな事を前回ブログで書いてしまってすみません。 脱帽しました。



どのタイミングから通常営業スタート、という明確な線引きも(たぶん)なく、正午あたりからなし崩し的な感じで一般客も入場し始めたモール内。


こりゃ当面は至るところ激混みかな、、(特にレストラン・フードコートあたり)、と想定し、早朝からずっとモール内にいて食傷気味だった事もあり、夕食は住み慣れた外の生態系へ。
やはり美味い・・・。


とはいえ本当に魅力的だった各レストラン&フードコート、ほとぼりが冷めてきたら(&オペレーションがこなれてきたら)、いろいろと試してみないと。

・・外の生態系ともうまく共存共栄してくれる事を祈りつつ・・・。

2014/06/23

プノンペン至高のフォー屋:ビフォア・アフター

以前から、特に富裕層カンボジア人から定評があったフォー屋 in 首都プノンペン。

確かに美味い。 私見ではプノンペンで一番美味いフォー屋さん。

ビフォアな頃の牛肉フォー。 確かな美味さ。


カンボジア首都プノンペン中心地ボンケンコン1地区の、さらにど真ん中なパスター通り(St.51)沿いにありながら、あまり在住邦人の間でも話題にならなかった、、と思う。
(なお、筆者に在住邦人の知り合いが少ないから、話題になってるのを知らないだけ・・かもしれない。)

まあ実際、話題(というか、行く先としての選択肢)に上がらないとすれば、理由はいくつか考えられる。
わざわざカンボジアでベトナム料理のフォーを食べるという選択肢が選ばれないから、かもしれないし、やはり香草系が苦手な日本人的にはやや嫌厭される、、というのもあり得る。

とはいえ実際、香草系は分けて出されるので、入れるかどうかはトッピング的にお好みである。

ただ、この店の最大の欠点であったのは、店自体がコンビニの中にあり(外見はコンビニで)、かつ空調が効かずに暑かったことだ。

フォー屋エリアから写真撮っているからテーブルある敷地が広く見えるが、
実際は写真右側のコンビニエリアが店のメインだった。

外から見ると「VIPミニマート」となっていて、誰が見ても明らかにコンビニ(というか雑貨屋)。  
なぜ店内でフォー屋を始めたのか(そもそもコンビニとフォー屋どっちから始めたのか)、すらよくわからない。

しかも店内暑いから、フォーを食べ終わる頃は汗だくであった。  というわけで、味的には好きだった筆者も、ごくたまに1人で行く場所、、という位置づけであった。 


店舗外観(ビフォア)。店名は「VIP MINIMART(ミニマート)」。
 よく見ると店舗右の看板に「PHO」の文字が。 その横に「An Nam Style」と小さく書いてあるが、ちょうど韓流POPの「カンナム(江南)・スタイル」が流行っていた時あたりから書いてあった。。気がする。

・・・で、つい最近、店が化けた。 ↑がビフォア、↓がアフター、である。

店舗外観(アフター)。店名は「PHO VIP Restaurant」。
コンビニは捨てたが、「An Nam Style」は捨てないらしい。。

明らかにレストランだと分かるようになった。 かつ店内がかなり涼しくなった。
ようやく知り合いやお客様を連れて行ける店になった至高のフォー屋さん。

コンビニエリアは撤廃され、完全なレストランに。 空調もOK。

料理も相変わらず美味い、というかやや洗練された気がするのは、単に店の改装による気のせいか。 

相変わらず味は確かなフォー。 なんか皿がコジャレた感じに。

フォーのスープにも、肉系のタレにも、全般的に薬膳系の味付け・風味がほどこされていて、かなりヘルシーな感じがする。

紅焼猪肉鶏肉飯。 見た目は重そうだが、薬膳系の香りがするタレで、
豚肉も鶏肉もかなり柔らかく、サラッと食べられてしまう。 


フォーは3.5〜4.5ドル代。 ご飯もの単品は4〜5ドル代。 量と味を考えれば、コスパ的には十分に合格圏内(私見)。  
ボンケンコン1内でのリピート先リストに名を連ねる名店である(私見)。



なお、店名のヘッダーに「ITALLIANO CAFFE」とあるが、店内および料理にいっさいイタリアーノな香りはしない。

「An Nam Style」は看板に残してもまあいいとして、なぜ「イタリアーノカフェ」??

唯一漂う香りは、ドリンクメニューの最後に「イタリアン・ソーダ」という類の飲み物が並んでいる所だが、、、

イタリアン・ソーダ。 ホントにイタリアから来てるのかは不明。
ここでこれを頼むことはないな、、たぶん今後も。

2014/06/21

「イオンモールプノンペン」:最後の3日間(雑感)

6月20日、在カンボジア邦人を中心に多くのカンボジア在住者が待望する「イオンモールプノンペン」のプレビューツアー(招待客向けのオープン前内覧会)が開催された。




とはいっても、招待客ではないと思われる人々も一般客的に入場していたし、オープンしているお店では普通に物を買う事もできた。 

なにより入場時の招待状チェック等は(筆者が見る限り)皆目なかったから、まあ実質的には一般向けソフトオープンという形に近かったはずだ。

敷地面積68,000㎡、延床面積108,000㎡(地上4階)、駐車台数約1,400台、日本からの出店テナント49店を含む約190店の専門店、約1,200席を擁するカンボジア国内最大のフードコートや各種レストラン、同国内最大のシネマコンプレックスやスケートリンク、ボーリング場などのアミューズメント施設、おまけに太陽光発電やLED照明など省エネ設備も一部具備された、カンボジア初となる大規模ショッピングモール。






これだけのハコが小都市プノンペンに出現すると、やはり流石のインパクトである。 
プノンペン在住者としてはかなり嬉しい話だし、在住邦人だけではない多くのプノンペン住民の生活や行動にそれなりの影響を与えそうな気がする。  

イオンモールより先に出来る、、というようなフレコミで、外見は先行して建設始まったようにみえていたマレーシア系のショッピングセンターは、素人的に外から眺めるに一向に出来上がる気配を見せないし、さすが「なかなか始まらないけど、始まったらキチッとやり通す」日系大手の面目躍如。 本当に脱帽、流石である。






一方、どの程度まで想定されていたかはわからないが、内覧会当日までオープンできた店舗はやはり多くはなかったようだ。
具体的な数はわからないが、全体の7〜8割の店舗はオープンできなかった、との話も。


もともと21日から一般向けソフトオープン(?)との話もあったようだが、結局20日の内覧会の後、21日〜27日はモールはクローズし、各店舗の28日開店に向けた最後の仕上げ作業が続く模様。

21日以降、視察のために出張等を組んでいた方々もおられたろうし、何より、何とか内覧会当日オープンに間に合わせ、翌日からしっかり営業するつもりだったモール内レストラン各店は、用意した食材をどうするか、頭を悩ませている、、とも聞く。
・これは本当にお気の毒と思う。。


ちなみに今年1月11日にベトナムはホーチミン郊外でオープンした「イオンモール タンフーセラドン」は初日の15万人の来客を記録し、華々しいスタートを切ったらしい。
延床面積 約78,000㎡と、プノンペンの方が規模が大きいようだが、そのオープンにも立ち会った知人いわく、「オープンの3、4日前までは、今回のプノンペンと同じような内部状況だった」という。 

ホーチミンの場合は、そこからの切羽詰まった追い上げ突貫工事が、最後の3日間で深夜(徹夜?)まで続き、なんとか(全店ではなかっただろうものの)無事オープンにこぎ着けた、らしい(未確認情報)。

プノンペンでは、その「切羽詰まった最後の追い上げ3日間」が、どうやら最後まで起こらなかった。。。という感じらしい。


筆者は建築系や商業施設系は一切素人なので、その関係の特殊事情等は本当に不勉強でわからないが、「カンボジア人従業員・労働者を雇用して業務を遂行してもらう」事については、辛酸を舐めた経験数もそれなりにある。 まあ、規模は全然違うけど。

規模に関係なく(というか規模が大きくなるともっと難しいと思うが)、筆者私見として思うのは、
「カンボジア人従業員に、締め切りを強く意識させ、それを守らないとヤバい、と心底アセらせる」
という所業は、極めて難易度が高いワザである、という事だ。


最終責任者が、悲壮感&逼迫感漂う陣頭指揮を眼前でとりながら、「(カンボジア人従業員にとって)自分の作業の遅延以外、遅れる理由がなく、他の言い訳ができない状況」を作り出す。 
そこに、本人の自尊心をくすぐる and/or 罰金等のペナルティを課す、などの細工をほどこす事で、ようやく彼等は”アセり出す”。
・それでもアセらないヤツはいるが。


6月17日、18日、19日あたり、筆者も所用あってモール内現場にお邪魔していたが、ところどころ作業しているワーカーさん達の中には、座っておしゃべりをしている面々も目につき、全員が必死感を持って業務している感は(素人目には)なかった。

邪推になるが、おそらく、彼等がアセり出さない理由がたくさんあったのだ。
「XXが遅かったせいで、オレのせいじゃない」的な。

基礎工事等が終わってなくて作業始められない、物流が滞ってモノが届かない、etc. etc。。。。
物流の問題は、その最たるものだっただろう、、と拝察。


日本の感覚だと、最後の仕上げをする業者さんに、それまでの諸々遅延の全てのしわ寄せがいくが、それはその業者さんが「締め切りを守らないと」と心底思っているからである。
それがそもそもない(そいう思わせられてない)と、締め切りは守られないのだ。


・・・・上記の筆者雑感が、今回に当てはまるかどうか、全然わからない。 
無責任な部外者(=筆者)の雑感はここまで。 的外れだったとしたら(その可能性は多分に大)、ご嘲笑の上無視してくださいませ <(_ _;)>


なお、しっかり当日オープンされた日系店舗さんも数多く、当日からお客様で盛況なところも。さすがです。










更になお、イオン(ショッピングセンター)はオープンしており、プノンペン在住者としては本当に嬉しい品揃えとなっている。







6月28日からイオンモールは再オープン。予定通りだと28、29、30はオープニングセールのはずだ。 期待大である。

なお、30日午前中はフンセン首相ご臨席のグランドオープニング・セレモニー。 
営業開始予定は正午過ぎのはずだが、 時にハリウッド映画並みの上映時間を誇る首相プレゼンテーション、いつ終わるかは当日首相のノリ次第。。。ランチはモールのフードコートをあてにせず、外で済ませて来るべし、かも。


2014/06/18

カンボジア 物流 & 通関:陸路と空とクーデター


カンボジアで細々とながら5年半、コメやらヤサイやらイシやらキカイやら、リアルなモノを取り扱う事業にいくつか取り組んでいると、嫌でも向き合わざるを得ない「カンボジア物流」に関する諸々。

陸海空の「国境」という名の関所で、いかにスムーズにモノを通過させるか。
入れる場合は「輸入」、出す場合は「輸出」である。


タイのクーデターによる影響で、在タイ就労していたカンボジア人帰国集団でごった返すタイ国境ポイペト。先週末にタイ出張から戻った弊社スタッフが撮影。 諸々説明(?)は本稿ブログ後段で。。。


同じくカンボジアでIT事業にも取り組んでいるが、こちらはネット環境さえ整っていれば、日本からだろうか中東からだろうが、素材を簡単に「受信」できてしまうし、成果物をあっさりと「送信」できてしまう。 

カンボジアはネット環境に関して言えば近隣他国に比べて極めて優等生なので、「送受信」に関しては極めてストレスフリーである。

その「送受信」と同時並行で「輸出入」にも肩までどっぷり浸かっている身としては、これまた嫌でも向き合わざるを得ないそのストレス対比の格差は尋常ではない。 

「送受信」には「通関」とか一切なし。 当たり前のようだが、これはやはりスゴいことだ。 
一方の「輸出入」で「通関バトル」の難局を痛感させて頂いている筆者の目には、そのスゴさは計り知れない価値に映る。 
 
カンボジアを拠点に日本相手の事業スタートを考えられている皆さん、とりあえずIT事業をお勧めします。


イミグレ(入管)大パニック、と報道されているタイ国境ポイペト。  弊社スタッフはスルリと切り抜けた。まあ(弊社的には良い意味での)蛇の道は蛇。。


で、ストレスフリーな方をここで書いてもしょうがないので、その対局にあるモノの通関のお話を少々。

「陸・海・空」の関所のうち、割り合いとラクなのは「海」である。

諸先進国に低賃金メリットをウタう他の近隣新興国のご多分に漏れず、カンボジアも縫製業や組立業がその輸出額の大半を占めており、そのほぼ全てが海(もしくは川)の玄関を経由している。

その歴史がそれなりに長い分、それなりにシステムも整っているし、よっぽど変わったモノを出し入れするのでなければ、それほど困った問題は発生しない。

なお、ローカル物流業者に依頼する場合、そのウデの良し悪しによって、依頼主が被るストレス&迷惑には、これまた格段の差がある。

何か困った事態が起こった場合、業者は決して「自分のウデにせい」にせず、「カンボジアのせい」にする。 
よって、「カンボジアは港の通関すらまともではない」と実際の体験談として語られる 被害者 事業者様も実際にいらっしゃる。

いろいろな業者から 苦労 勉強させて頂き、今はもう全て自社で輸出入手続きを行なっている筆者の感覚だと、「海」のトラブルはほぼ95%、業者のウデが原因だ(私見)。


タイ国境ポイペトにて、陸送の輸入品の詰め替え現場。タイから来たトラックからカンボジア側のトラックへ。 ちなみにカンボジアでは初ケースとなる物流。

一方、面倒な局地戦となるケースが多いのが、「陸」と「空」だ。
「陸」はほぼ全般で局地戦に。「空」は特殊なモノに関しては難易度高い局地戦になる。

プノンペン中心地の日系大型ショッピングモールのオープンが目前に控え、各地の関所で日本語による悲鳴がこだましているのが聞こえてくる、、のは空耳かも知れない。。

「陸」の方では、タイ国境において、運悪く重なったタイのクーデターが事をややこしくしている。

まず、タイ・カンボジアのメイン国境であるポイペト以外の国境はすべて封鎖された、ということになっている。

また、現在政権の実権を握っている(らしい)タイ軍部による「タイ人の雇用機会を侵害する者は許しませんよ」的なアナウンスに恐れをなした在タイ就労カンボジア人達が、こぞって母国に逃げ戻ってきている。

全人口の1%相当にあたる約14万人が、一気に小さな国境の街ポイペトに終結し、イミグレ(入国管理)がパニック状態になっている、とされる。

唯一開いている小さな国境に、民族大移動レベルで大挙して人が押し寄せていれば、平時でさえ時間がかかるモノの通過に、さらなる時間がかかっても、確かに不思議ではない。  
いや、これは8年ぶり19回目(古豪高校野球部の久しぶりの甲子園出場とかではない)のタイクーデーターのせいですよ、というセリフも各所から聞こえてくる。

プノンペン初となる日系大型ショッピングモールにお店を出す事業者皆様にとっては、よりによって困った時に困った事態が発生しまったものである。
裏を返せば、(一部の)ローカル業者にとって、都合のいい時に都合のいい言い訳が生まれてくれたものである。


トラック詰め替え作業@タイ国境ポイペト。 弊社スタッフもご協力させて頂きました。 


ちなみに弊社メンバーは、普通に普段使いの陸路国境(ポイペトではない)からタイ出張に赴き、帰りは近かったのでポイペトから戻って来たが、まあ大混雑ではあったもののスムーズに切り抜けてきている。

ポイペト以外の国境は(実質的には)別に封鎖されているわけではないし、今のポイペトを利用するには、出戻りタイ就労者関係ではないことをいかに上手く伝えるかがポイントだ。

また、ポイペトにて弊社パートナーの物流(カンボジア初の冷凍系物流)の通関・詰め替え作業にも同行させて頂いた。 
まあ想定より時間がかかったが(明確かつ対処可能な理由による)、滞りなく既にモノはプノンペンに届いている。



詰め替え終了。 自分で実際に体験してみて、かかる時間や労力を覚える。
なおモノはこの翌日には無事プノンペンに到着済み。 


途中はさんだ写真の説明を最後にまとめて形になってしまった、、相変わらず冒頭が長くなりすぎで恐縮です。(= =;)

ちなみに「空」の方は、まあ特殊なケースがあったが無事にモノは既に店舗におさまっている。 
長くなったので省略するが、、、いくつか業者様に一応相談はしてみたが想定どおり「できません」とご辞退を受け、まあ想定通り自分達でやりましたが、居合い抜きのような瞬間勝負でした。
勝負を決めておいて試合に臨む感じな空中戦、の試合後atプノンペン空港VIPゲート(先週)。
まあこのゲートを使ったのはあくまで念のため。。



2014/06/14

知識層カンボジア人とのお仕事:いつか見たストレス

カンボジアでカンボジア人と向き合って(取引相手として商売して、従業員として雇って、etc)ビジネスをしている日本人の多くが悩まされる諸々のストレス。

驚く程すぐバレる「小ウソ(こうそ)」

”Do”なのか”Did”なのか”Will do”なのかが明確にならない(かつ行ったり来たりする)発言による「時制酔い」

ちょっとした好意を全く遠慮なく3倍乗せで堪能してしまう(ネーミングまだ見つからず)。

・・など、筆者を恒常的に悩ますいくつか典型例(あくまで筆者の体験に限り)をこのブログでも紹介させて頂いた。


望外な共感の声を少なからず頂き、同じストレスに耐え忍んで頑張っておられる方々がカンボジアにいらっしゃる、という事がわかり、筆者的にはホントに素直に励まされており、ブログの意外な効能を知るいいきっかけとなりました。


これらご紹介したクメール・ストレス(筆者造語)達は、どちらかというとまだビジネス的な経験値の少なさ & 国民性とも言うべき素直な無邪気さが融合することで発生する、まあ小憎らしく腹立たしいけど、後で振り返ると可愛げもあって笑いのネタにもなる、、、という類のものである(筆者私見)。

その主な対象は、可愛くもたまに憎たらしい従業員とか、いままでローカル同士でしか商売したことのないムカつくけど憎みきれない地元業者さんとか、必然的にそういう層になってくる。


一方、ある程度以上の知識層(いいとこの出で英才教育された、海外留学した、etc)のカンボジア人と事業をすると、極めて真っ当なビジネス議論もできて、後進国出身だから云々という感覚を一切感じる事なく、余計なストレスなく仕事を進められる、、というケースもある
・当然ビジネスである以上、一定のストレスは誰が相手でも存在するが。


当然、その逆のケースもある(今日はその逆のケースのお話)。 

その逆のケースの場合のストレスは、上述の無邪気系クメールストレスとは全く異質の、極めて気持ち悪い、面倒くさい、可愛げもなにも一切ない、本当にイライラさせられる、何の生産性も救いもない不毛な類のものとなる。

かつそれは、昔どこかで見た(体験した)嫌な思い出を彷彿とさせる類のモノだ。 

筆者が昔、日本で仕事をしていたころ、クライアント(の一部)に存在した、日本では今はもう死語になりかけている(と思う)「大企業病」「官僚組織的体質」から来るそれに、なぜか極めて近い性質のものである(筆者私見)。


あなたが、とあるカンボジア現地企業(そこそこ大手、以下A社)の業務サポートしている、とする。

まず、A社としての何かの決定事項があったとして、その決定にあなたが主導的に関与していたとする。 その決定に際し、A社の一部のメンバー(たとえば役員、経営陣)が、実は快く思っていなかったとする。

その場合、意思決定の会議で決まったことが、その後なかなか進まない。
進まない理由は様々で、1つ1つに小憎らしい屁理屈が用意されている。 何かの書類に誰々のサインをもらないといけない、出席しなかった役員から質疑が出たのでその対応中、担当者が今出張中、etc, etc。。。。

総論では「決定事項なので進めてます」、各論では「ただし、この部分の処理待ちです」。
その処理すべき各論が小出しに湧いて出てくる。 で、気がついたら一週間、二週間、と経っている。

それなりの学識と、その数倍のプライドを兼ね備えた彼等なので、すべての「ロジック」(日本語に訳せば「屁理屈」)はそれなりにスジが通っている。 
当然、それによる進捗の遅延は確信犯的にわかったうえでの所業である(と思われる)。

あわよくばその遅延により、決定事項が全く進まない、もしくはそもそもの決定事項の自然消滅すら視野に入れている、、かもしれない。


これ、日本の大企業病におかされた大企業や官僚体質なお役所、、の昔話ではない。
いまここ新興国カンボジアで起こっている、筆者が知るとある一例である。


・・やはりきっと、カンボジア人の気質と日本人の気質は、どこか似ているところがあるのだ。 だから、一定の学識を積んだエリート層が、まず入り込んで行く(≒迷い込んで行く)道も、おそらく日本人から見ると「いつか来た道」になるのだろう、多分。

まあむしろ、この体質は嫌というほど分かっているので、先回りして対策は立てやすい、、とも言える、、か。
日本で(大企業さん相手やお役所さん相手に)ビジネス経験してきた方々にとってはアドバンテージになる、、かもしれない。


・・うーん、面倒くさいからやっぱり嫌だけどマジで。


注;
なお、冒頭述べたとおり、極めていいビジネスが進められる知識層カンボジア人もそれなりの数存じ上げておりますし、本稿で述べさせて頂いた日本の悪しき事例(大企業病、官僚体質、云々)も極めて限られたいくつかの事例(筆者体験)のみに基づいており、日本の企業・組織一般に適用される話ではございません。

2014/06/07

さよなら梅ちゃん:プノンペンのカオスな名店(閉店)

プノンペンでも散々食べ歩きしつつ、フェイスブックにもしょっちゅう写真アップしつつ、ブログではまだ一回も書いてないプノンペンの食事ネタ。

初回に持ってきたのが、今月頭に閉店してしまった店で恐縮ですが、本当にいい店だったので最初はやはりここの思い出から。

梅ちゃんの店 in プノンペン。 
ほぼ毎晩(特に閉店カウントダウンまでの数週間はほぼ連日)、多国籍な常連&その友人達が入り乱れるカオス状態が深夜過ぎから未明まで繰り広げられていた。


梅ちゃん(写真は某常連さんより)

常連客の国籍は本当に幅広く、カン・日・韓・仏・米、、あたりは顔と名前が一致する常連がいるが、他にもいろいろいたはずだ。
ここでしか出会わないが、ここで何度も会うので、いつしかお互いよく知ってる友達のようになってしまう、、という相手が何人も生まれる。


平常時もだいたいこんな感じ

1人でも、ここにくればだいたい知り合いがいる(もしくは来る)から、何時でもフラッと気軽に立ち寄る事ができた。

店員なのか御客なのかわからない常連も多数。 客が客にお酒を振る舞う。
アジア系の一気飲みや間違った日本語を素直に学び実践する欧米人達。

梅ちゃんの女房役、カンボジア人スタッフのカーちゃん。
日本語もかなり堪能だが、何より唯一無二のノリとキャラ。

まったく言語は通じていないはずだが、何やらコミュニケーションが成立している。

以下、先週の最終日(近辺)の模様。 






明け方5時くらいまで続いたらしい最終日。 本当に多くの国の人々に愛された店でした。 あまり説明してもしょうがない。 常連だった方々が、写真みて懐かしがってもらえれば、というアーカイブ目的な今回のブログ。


閉店直後から、集まる場所(というか行き場)を失ってさまよう常連達が、いかにここを再開させるか集まって議論した(実話)、、くらいに客を惹き付けていた梅ちゃんの店。

筆者もまさに困っている常連の1人だが、さあ何とかしないと本当に。。 そう思っている人が結講いるから、おそらく何とかなってしまうだろう、、多分。


ブログのラベルが「美味プノンペン」になってるのに、店と梅ちゃんのキャラ話だけでグルメネタになってない、、わけではない。 

梅ちゃんの店というキャラが強すぎて、あまり知れ渡らなかったが、ここが今年の春あたりからメニューに出し始めたトンカツは、驚く程本当に美味だった。


写真がイマイチで恐縮だが、プノンペンで食べた一番おいしいトンカツ。
日本で出会ってもそれなりのレベル、、だと思う。

プノンペンでレストランをされている(筆者が信頼する)某店長さん いわく、カンボジアの豚肉を使って、あの厚さであの柔らかさを出すのは尋常じゃない、とのこと。


同じトンカツでカツ丼も

日本の某有名飲食チェーン(別の料理でかなり有名、なおトンカツではない)のオーナー(?)が、実はもともとトンカツ専門(?)で、そのオーナーがプノンペンに来た時に梅ちゃんにそのレシピを伝授した、、らしい。 

梅ちゃんが日本に帰る前に、このレシピを誰かにそっと伝えておいて欲しい、、とお願いするのが筆者の次のミッションである。


梅ちゃん、楽しかったです、ありがとう。 また会いましょう。

2014/06/01

小さなストレス:3倍返し?

先週もいろいろな事象(筆者周辺のビジネス的に困ったこと)が、これでもか、というくらいに立て続けに起こってくれて、いろいろな角度・方面からパンチを浴び続けつつ、気がついたらあっという間に週末ももう終わる。

まあビジネス的な事に困難やストレスは当たり前の付き物なので、そこは何とか踏ん張って乗り切るつもりと覚悟はある。  
が、こういうテンパってる時に、オマケのもう一発的に小さなジャブを浴びせて来るのがクメール・ストレス。(= = #)

重いビジネス系パンチをアゴにもらって、なんとか歯を食いしばってダウンせずに堪えたところに、ポコンと小突かれる感じ小さいジャブ。 
それでダウンする事はないが、ハラワタ煮えくりかえり感はひとしおだ。 (= = ###)

本当に大した話じゃないし、腹立ててる自分を小さく感じてしまう(それもまたループ的に腹が立つ)。 

ホントたいした話じゃないが、今回の小さな小さなクメールストレスはこんなお話;


普段本当に業務をがんばってくれているバッタンバンのリーダーA君(カンボジア人♂)。

そのイイ人っぷりがストレスにもなることを以前紹介させて頂いた彼だが、前々から鼻周りの鈍痛の症状で悩んでいた。

恐らく耳鼻科的な診療が必要で、バッタンバンにはその診療が出来る医者はいない模様。
以前彼がタイに出張に行った事があり、その時にタイの病院に行ってみろとアドバイスしたが、1時間しか時間ないのに大きめな病院にアポ無しで飛び込んだらしく、結局診てもらえず今日に至っていた。

そんな折、4月にプノンペンにオープンした日系総合病院Sun International Clinicさん(以下、Sunさん)で耳鼻科の診療が受けられる、という話を耳にした。
ご縁あって何かとコンタクトさせて頂いているので、耳鼻科の診療の事(値段や、だいたいかかる時間など)を諸々伺った。  

A君には現場でいろいろ判断も委ねているし、鼻づまりで頭がボーッとしていたら業務上にも支障があるだろうし、本当にがんばってくれているし、期待も大きい。
会社として特別扱いするわけにはいかないが、ここは筆者のポケットマネーで診療を受けさせてあげよう、、、と思い立った。  

急な出張でプノンペンに来ていたA君。 ちょうど筆者との同行打ち合わせが、これまた偶然Sunさんの近く。  
過度に恩着せがましい言い方にならないように意識しつつ、打ち合わせよりちょっと早めに移動し、A君をSunさんに連れ行き、
筆者:「ここで鼻周りのメディカルチェックを先に受けておいで」
A君:「Oh really ??   Thank you, Sir !! o(^▽^)o」 

マネージャーの方と先生をご紹介し、問診している姿を確認し、筆者は先に出て打ち合わせ場所へ。



・・で、なかなか病院から戻ってこないA君。 しょうがないので主要な打ち合わせをA君抜きで進めつつ、”聞いた話よりだいぶ時間かかるんだな、何か重症だったんだろうか、、”などとも気にもなりつつ。

打ち合わせは極めてシンドイ類のもの。 終わった後ヘトヘトになりつつ、お世話になったSunさんに御礼を兼ねて確認。

で、仲良くさせて頂いているSunさんのマネージャーさんいわく;

「ご本人が先生とご相談されて、全身くまなくチェックしてもらってましたよ。 腰も痛いとか、ノドも変だとか、XXもXXとか。 耳鼻科まわりだけじゃなかったんですか?ww」

値段も想定(耳鼻科のみ)の2.5倍ほど。 約3倍返しだ。
※なお、誤解なきよう付け加えますが、Sunさんのコスパはかなり優良とお見受けします(筆者私見)。 

念のためA君に確認の電話。

筆者「メディカルチェック、どうだった?」
A君「はい、見てもらいました!」
筆者「耳鼻科だったよな、見てもらいたかったのは?」
A君「はい、でも他にもいろいろ見てもらいました!」
筆者「・・・打ち合わせの時間は伝えてたよな?」
A君「はい、でもチェックが終わりませんでした!」
筆者「・・・耳鼻科だけだったら終わったんじゃないの?」
A君「でも他にも痛い所がありました! 日本人の先生に診療してもらえて良かったです! 薬もいろいろ頂きました!」
筆者「・・・・」 (以下省略)


まあ、大した話ではない・・・・(==*) 
何かを3倍返し、されたわけではない。 恩を仇で、、、という程の事でもない。 
なんか小さな好意を遠慮なく3倍増しにされたような、、うまい例えが思いつかない。

ちなみにA君には全くと言っていいほど悪気はなく、ピュアに無邪気である。
かつ、がんばり屋さんで優秀である。

 
・・ちなみにSunさん、医療設備も(筆者は素人なので見た感じだが)かなり揃っていて、日本人のお医者様も複数名おられ、本当に日本にあるしっかりした病院さんで診てもらっているような感じを受ける。

A君を連れて来たついでに、筆者自身もいろいろと先生にご相談させて頂けた。
今までは一週間程度しかない日本出張の時に、何とか時間作って健康診断を受けていたが、Sunさんでの方がより充実な内容をリーズナブルに受けられるようだ。 

それを知っただけでもA君を連れて来た甲斐があった。 そう、良かったのだ。 
来月お得な健康診断しよっと。