2015/07/04

またバブルな宴の兆し in カンボジア:聞こえてきた大型プロジェクト達の足音

2015年も気がついたらもう7月。 今年が後半戦に突入してしまったことに愕然しながら焦りばかりが募る今日この頃inカンボジア。

「祝日多過ぎて困るカンボジア諸事情」については本ブログ冒頭で頻繁に取り沙汰させて頂いているが、そんな当国でもなんと7月、8月は一切祝日がなく、9月は祝日が1日あるだけという、事業経営者的に見ると国が営業日を大盤振る舞いしてくれる「確変入り」フィーバー期間となる。 
来るべき10月からの大型連休オンパレード期間前に、やるべき事を全てやり切ってしまうための、全力疾走3ヶ月の始まりである。 さてがんばろう。


そんな掛け声(だけ)は勇ましく、とは言えついつい現実逃避したくなってしまう週末の午後あたり、ふと周りを見渡してみると、何やら羨ましくなるくらい浮き世離れした荒唐無稽なおとぎ話が、またふつふつと涌いてきているらしい我らが新興国カンボジア。 

こういうお祭りネタが降って涌いて、架空の豪華出演者リストが出回って(稀に少しの友情出演もあったりする)、一部の気の毒なエキストラ達が踊るに踊って、散々振り回され尽くした頃に大概いきなり終演を迎える、、というカーニバル・サイクルが数年置きに自然発生するところも、エマージングカントリーで味わえる面白味の1つである。

「踊るXXに見るXX、同じXXなら踊らないと損」というのが確か日本の格言(?)だったかと思うが、まあ損するクセがついて久しい筆者としてはまたもや毎度の傍観である。


さて、そのそうそうたるカーニバル予定演目についてだが、まず新聞で報道された公表情報からいくと、カンボジア現地企業(Thai Bun Rong Company)と中国系デベ(Kia Nip Group)がジョイベン(JV)方式でプノンペン市に提案した高層ツインタワー計画。 
地上500m, 115階建て、総工費は30億米ドル(約3,700億円)。


完成予想図?
(写真は本件とは無関係かも知れません・・)
報道によると、市のスポークスマンからは「もっと勉強してきて」と突き放されたり、同業界関係者からは「今プノンペンにそんなもん要らん」と一刀両断されたり(どちらも筆者意訳w)、散々な取扱いを受けているようだが、これしきの冷や水でヘコたれるようなカーニバル主催者ではない事を期待したい。 

報道では、10年前くらいのサイクルの時の韓国系デベによる「Golden Tower42(注1)」や、5年くらい前のサイクルの時のフンセン首相がぶち上げた「Diamond Tower(注2)」計画などと比較され、「似たような与太話」的な捉え方をされていたが、3度目の正直という言葉もあるわけだし、いよいよ本命登場かと期待したい。

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(注1)
プノンペン中心地で韓国系デベが建設を進めていた42階建て高層タワープロジェクト。
総工費2.4億ドル。 2008年リーマンショックのあおりを受けて(?)資金に詰まり2010年9月に建設工事ストップ。 以来野ざらしのままもうすぐ5年経過。

(注2)
2010年、フンセン首相が唐突にアナウンスした、プノンペン中心地のメコン川とサップ川の合流地点にぶち建てる555mの高層タワー計画。 雨季と乾期の水位高低差が7mにもなる激流大河の中州地盤にそんなの建てられるのか、、との当時の国民・住民の期待と不安をよそに、2017年竣工をぶち上げたがまだ着工スタートもしていない(はずな)のでご安心を。
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こういう公表された話以外でも、某地方での超大型XX工場建設(総工費X十億円)とか、超大型XXXX開発引き継ぎ(総予算X百X十億円)とか、景気のいいカーニバルな話がチラホラと筆者の耳にまで届くようになって来た、懐かしい匂いとともにw  

期待の新興国カンボジアもいよいよますます香ばしいフェーズに入ってきたかな、、と感じるのは、予定されている(という)カーニバルの中身が、話的にも規模的にも前サイクルまでに比べてケタが1つか2つ変わってきたからだ。

10年前や5年前のサイクルの話だと、農地と称した広大な森林地帯をつかまされてX億円が溶けたとか、日本から無税で輸入したものを何でも売れると喜び勇んで来てみたら全く何の手続きも踏んでなくてX千万円すったとか、まあイタいとは言えその程度の”小宴”系カーニバルがほとんどだった。 
突出して大きい宴でも、韓国系の新都心計画で310億円注ぎ込んだら220億円くらい行方不明(90億円分しか使途判明せず)、という話があったくらい。 韓国で逮捕者が数人出て、カンボジア商業銀行の1つが特別銀行に格下がった程度の話である。

それが今や、X十億円からX百億円クラスは通常にある話で、上述のツインタワーなどは3,700億円。 昔の小宴がかすり傷にしか見えなくなる規模である。


当然、これらの中にはホンモノに”化ける”ネタも潜んでいる(可能性もある、たぶん)。

そんな宝クジ的なワクワク感が、まだカンボジアに来て日が浅くいいタイミングでカンボジアに乗り込んできたおかげで「キングダム・オブ・ワンダーが俺の前だけに落としてくれた夢のチケット」を信じる気力と体力があるエキストラ達投資家・事業家達を夢の世界へと駆り立てる。

また楽しい祭宴の終わりの始まり、、、かもしれないw。 
見るXXとしては、小宴の前説にもならない自身の零細事業運営に疲れた週末あたりに、カーニバルの舞台で踊るエキストラ達の栄枯盛衰大儲け物語を伝え聞くことで勇気と癒しをもらえる事を期待したい。



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