2014/05/13

北の国から in カンボジア:北朝鮮レストラン in カンボジア

深夜便での日本出張当日だった昨日、とある日系の在カンボジア事業会社経営陣の方々からお招き頂き、かなり久しぶりにプノンペンの「北レス」で楽しい一時をご一緒させて頂いた。 

「北レス」とは「北朝鮮が実質国営で運営する在外国レストラン」を筆者が勝手に略したもので(筆者造語)、カンボジアには首都プノンペンには3カ所、観光都市(というか街)シェムリアップにも2カ所ある(はずだ)。



北レスの特色は、一応北朝鮮系と言われる料理(筆者を含む素人には韓国料理との区分けは困難)よりも、そこに勤める踊り子たちのパフォーマンスにある。

北朝鮮本国から3年〜5年の任期で派遣された女性スタッフ達が、来客の給仕もしながら、同時にステージで「北仕込み」の歌や踊りを披露する。



さすがにあの世界的に有名なマスゲームを披露するほどのスペースも時間もないが、一点特化型の集中英才教育を売りとする彼の国から派遣されているメンバーだけあって、なるほどのクオリティを毎晩あますことなく発揮している。



北朝鮮の国民と直接出会う機会だけでも世界的に希有であり、しかも彼女達の多くは北朝鮮の首都平壌(ピョンヤン)で住むことを許される一部の特権階級のご令嬢で、平壌にある大学在学中の海外研修という扱いで赴任している選ばれし若いエリート達だ。 



英語を基本にいくつかの言語もマスターしており、容姿的にもそれなりに選抜されてきた才色兼備な踊り子達。  

偉大なる指導者様のもとに侍る「喜び組」として、噂ベースで世界に知られる厳選素材による幅広いホスピタリティ、までは望めないにしても、北朝鮮から来た才女達がかいがいしく給仕もしてくれて、歌や踊りも披露して楽しませてくれる。



彼女達の給仕・接客スタイルは、いかにもカタそうな彼の国から来たエリート才女よろしく、基本路線は極めてドライである。
レストランでの接客はもとより、プノンペン店舗2階の「秘密の部屋」にあるカラオケルームでも決して隣にすら座らない。 基本立ったままである。


基本路線のドライ軸は原則ブレないまま、たまに見せるはにかみ系のホスピタリティが、スキンシップ全開の東南アジア流に慣れすぎた在アジア外国人(主に日本人)のツボにピンポイントでヒットする、らしい。 いわゆる「ツンデレ」系の極地に不動の地位を築いている。



プノンペン店に限って言えば、1Fのレストランエリアでかいがいしくも一定の間合いをおいて接客してくれていた北朝鮮美女が、2Fの秘密の部屋では、横に座ってくれることはないにしても、すぐ隣に立ってデュエットしてくれたり、リクエストに応じて松田聖子の「赤いスイートピー」を歌ってくれたりする。 

筆者が知る限りほぼ毎晩満員御礼。 カンボジアに在住・来訪する日本人にも意外とファンが多い、隠れた人気スポットである




プノンペンの北レス3カ所は、すべて北朝鮮系(国営)だが、上納先管轄官庁が異なる。 どれかが軍部の機関で、どれかは省庁のどこかであったり、だったと思うが、各北レス間のスタッフ交流はあまりない、らしい。



というか、レストランが開いているランチ・ディナー時以外も、基本的にレストランと同じビル内にある住み込み部屋かお稽古スタジオで過ごしているらしく、娑婆(しゃば)の空気に触れる機会は滅多にない、らしい。

たまに市場に買い出しに出たり、ケンタッキーでチキンを頬張ったりしている時に、顔を覚えてくれている常連客に出くわす事がある、らしい(筆者は未体験)。 
日本だったらツイッターでリツイート拡散されるクラスの出来事である(はず)。




首都プノンペンにある北レスと、観光都市(というか街)シェムリアップのそれは、はた目は同じお店に見えるが、そのビジネスモデルは極めて異なる。

毎年年間300万人以上の観光客を引き寄せる、「単品系」観光名所としては世界屈指の営業力を誇る世界遺産アンコールワットを擁する観光都市(というか街)シェムリアップは、北レスに限らず全てのサービス業が、基本「一見(いちげん)さん」をターゲットに事業モデルを組んでいる。 



アンコールワットは、一度は見る価値はある偉大な世界文化遺産だが、よっぽどの遺跡好きか何か特定の理由でもないかぎり、短期リピートされる先ではないからだ。

よって、シェムリアップの北レスのメインターゲットは、一見客を大量に連れて来てくれるツアー会社である。 
メジャーなツアー会社のツアープランにうまく組み込んでもらうために最適化されたサービス設計がほどこされ、芸の開始時間は18時、食事はそこそこに一定時間(約30分)のパフォーマンスを披露し、定時にお帰り願う。

(お客として行った場合)プノンペン店に比べて女性スタッフ達が”遠く”に感じるのは、スタッフの個性(ツンデレ度)の違いのせいではなく、単に彼女達から見て営業をかける相手として設定されていないからだ。



競合相手は、カンボジア伝統舞踊「アプサラダンス」ステージが併設されたローカルビュッフェレストラン。 
「せっかくカンボジアに来たんだから、カンボジア的な何かを見たい」という強い一般顧客ニーズに対抗するのは難儀だが、一方で「サクッと短時間で喜んでもらえて前後のプランにつなげやすい」というツアー会社のニーズをピンポイントにおさえることで差別化を図る。

かつ、何故かどの国に来ても同郷の何かを求めてやまない韓国人系のニーズも取り込みつつ、大量に流れる一見客マーケットで独特のポジショニングを維持している。



一方、観光資源の乏しさを課題視されて久しい首都プノンペンでは、シェムリアップ的な「一見客の大量フローの支流をおさえる」というスキームでは生き残れない。 観光客の大量フローがそもそもないからだ。 



そこで、在住外国人のリピートを狙う独自のサービス体系が醸成されていく。
20時スタートの30分講演で、公演前は食事を楽しんでもらい、その後は2Fに誘う顧客導線も、他店に類を見ないツンデレ系接客も、生き残るために自然醸成された差別化戦略であり(たぶん)、これまた独自のポジショニングを構築するに至っている。

なにか元々は同じ科の生き物が、別の生態系で生き残りを図るうちに、似て非なる別の生き物になった進化の道筋を見ているようで面白い。



そもそも何故北レスがカンボジアにあるのか。 
当然カンボジアだけではなく、ベトナム、モンゴル、ミャンマー、バングラデッシュ、さらには中東ドバイなど、その店舗網はとある共通項ある各国に広がり、各地で北の国から来た踊り子達が舞を舞っている。 彼の国の国家的グローバル事業といっても過言ではない北レス世界展開。





なにやら書き始めると止まらない、お伝えしたいネタの宝庫「北レス」。。。
想定外に長くなってしまったので、、まさかの続きはまた改めて。


注;
写真はすべて筆者が昨夜プノンペンの北レスにて撮影したものですが、原則的に営業中の撮影は禁止されているらしく、怒られたら謝ります <(_ _)>
また、文中の内容は基本全て、筆者が知る一部の事実に基づく想像及び推論(≒フィクション)です。

2014/05/11

片田舎でのとある週末 :農機販売キャンペーン

ここ一週間+数日、(仕事的に)怒濤のめまぐるしさだったinプノンペン&バッタンバン。 いろいろな事が起こったが、まとめる余裕もないまま、今日はもう日曜日。

こういう時こそ(?)、たまには弊社JCGroupの活動もご紹介せねば、、ということで、一週間前の話になるが、カンボジアの片田舎で行なった農機キャンペーン模様をお届けします。

農機関連事業は従来、弊社グループ農業法人 JC Foods Co.,Ltd.で管轄していたが、いろいろ考えるところあって、農機事業を分離して、JC Machinery Co.,Ltd.という新たなグループ事業会社を設立して進めている。 そういえばホームページもアップしないと。。

キャンペーン場所に選んだのは、カンボジア北西部バッタンバン州の、地図でもなかなか辿れないとある片田舎。 
バッタンバン市からの距離は、スタッフいわく「すぐ近くです」、つまり車で飛ばしてだいたい1時間半くらいのところだ。

一応定員50名に対し67名、日本製農機に興味津々の農家皆様にお集まり頂きました。
週末にもかかわらずお時間いただき感謝!

一応それっぽくしゃべる1

一応それっぽくしゃべる2

総論的な壇上(?)トークを適当に切り上げ、とりあえず農機を見て触ってもらう。




弊社バッタンバン支店の農機営業・メカニックたち総動員で、農家皆様に農機アピール熱弁。
ユニフォーム・カラーはオレンジで統一。 

農家様三名お相手に阿修羅ばりの営業トーク

営業&メカニックによるタッグ攻撃1

営業&メカニックによるタッグ攻撃2

日本でいう割賦販売。 英語で言うとInstallment Sales。
いつぞや「日本語でいうと割賦(かっぷ)というサービスだよ」とスタッフに教えたら、いつのまにやら「KAP」というサービス名称になって、ユニフォームの背中をかざっていた。 そのまま本採用。


女性スタッフ陣も営業に大活躍。 

弊社トラクター営業精鋭部隊「紅い三連星」。
 連邦軍からは「スカート付き」と呼ばれている・・らしい。

2機でもジェットストリームアタックをこなす、対農家さん(♂)攻撃力は十分。

実際にモビルスーツの操縦も実演。 農家さん達も何やらご満悦。。


農機を実際に見たり触ったりしながらのやりとりで、弊社メンバーと農家皆様に不思議な一体感が醸成。 席に戻ったあと妙にハイテンションな盛り上がりに。

「興味ある人、手を挙げて」のマイクパフォーマンスに素直なリアクション、感謝!

「俺にもしゃべらせろ」とまくしたてる農家様。 どうやらお褒めのお言葉頂いている模様。


キャンペーン終了後も、興味ある農家さんが残ってくださり、具体的な商談へ。

幹部メンバーは農家さんと具体的な商談。。

スタッフたちはすでにお疲れ様モード。。

農機を前に最後の営業詰め。
営業とメカニックの営業トーク波状攻撃には筆者もちょっと驚き。。いつのまにそんなワザを身につけていたのか。

なんと商談(ほぼ)成立。 あとは奥様を説得するのみ、とのことw

引き続きコツコツと地方営業を重ねて参ります。 
スタッフ一同、週末ワーク本当にお疲れさました。 またやりますんでよろしく♩







2014/05/02

メイデイの首都と縫製工場

今年2014年、日本のゴールデンウィークはどうやらあまり休日の日並びがよくないらしい。

言われてみれば、4月29日(火)昭和の日(たしか昭和天皇誕生日)のあと、5月3日(土)・4日(日)の祝日と土日が重なるタイミングまで平日が3日続いてる。  

カンボジアにいる筆者には全く関係ないが(日本側が長期休暇で諸々ストップするのは、弊社的には一長一短、まあ影響的にはニュートラル)、周囲を気にせず有給3日をガッツリ取れるくらいの社内的地位におられる豪傑を除く日本の皆様には、ちょっとガッカリなGWのようだ。

多くの日本人が「休みだったらいいのに・・」と痛感されているであろうこの3連続平日の中日(なかび)である本日5月1日は、なんとカンボジアでは祝日である。
※本ブログをアップした時点で、日本時間では5月2日になってましたが、
 カンボジア時間ではまだ5月1日でした。。。


カンボジアだけではなく、世界の少なくとも80カ国以上の国で祝日。 
祝日の少ないアフリカ諸国ですら多くの国が祝日としている今日5月1日は、「メイデイ(May Day」)と呼ばれ、世界各地で労働者が権利要求と国際連帯を唱う祭典の日である。

カンボジア首都プノンペン、大型カジノホテル「ナガワールド」
付近での労働者の集い。 恐らく国際連帯しながら権利要求をしているんだと思われる。
しかしよりによって、お客様を待たせている筆者の移動経路を選ばなくても。。(言い訳)

強制的にメイデイを体感させられつつ、寛大なお客様との面談も何とかつつがなく終え、もう一件用事を済ませたあと、午後は毎度の5時間陸路(首都プノンペン → 弊社農業拠点バッタンバン)。


プノンペンからタイ方面へ北上する国道5号線沿いには、カンボジアに外貨と雇用をもたらす筆頭産業である縫製業の基盤を担う多くの工場が立ち並ぶ。

今日はメイデイなんだ、、という感覚を、午前中プノンペンで体感させられたすぐ後の、いつも見慣れたこの5号線の風景。 

カンボジア5号線、夕方には毎日のように見られる縫製工場の女工さん達の退勤風景
確か片道1500クメール・リエル(約40円)くらい、、同じ(もしくは近隣の)村から来た
女工さん達を乗せてトラックは走る。

メイデイだろうが何だろうか関係なく、国際連帯して権利要求をすることもなく(?)、彼女達は今日も元気に働いて、これから帰路につくようだ。

荷台にすし詰めトラックよりチョット楽な(?)大型トゥクトゥク「ロモー」。
何故かプノンペンには入れない車両だが、人権を重視する日系縫製業の御用達、らしい。
ちなみにトラックより料金は安かったりする。 片道500〜1000クメールリエル(約12円〜25円)くらい。

首都の主要道路で道をふさぐ「メイデイ騒ぎ」をする集団もいれば、粛々といつも通りの工場勤務をして帰る集団もいる。  
だからどう、という訳でもないが、いつもとチョット違って見えた陸路5時間バッタンバンへ道中の風景。


ちなみに日本がメイデイを休みにしない理由は、勤労感謝の日(11月23日)と趣旨が似てるからとか、金融機関が最大7連休の市場停止を問題視してるとか、平成不況後に労働時間短縮モードがおさまったとか、まあこれらもどうでもいい理由である(筆者的に)。

ちなみにメイデイが祝日ではない他の国々(OECD加盟国)は、イギリス、オランダ、スイス、デンマーク、トルコ、韓国、インド、モンゴル。 ASEANではインドネシアとブルネイ、、だとか。 これもどうでもいいか。


給料とお休みは、経営者が従業員に労働の対価(&法律に定められた義務)として与えるもの。  経営者にそれを与えてくれる他人(or法律)はいない、と。 
今日の話、諸々どうでもいい、、と感じてしまう理由はそのあたりか。 さて寝ます。

2014/04/24

危うく違法薬物指定(?)in バッタンバン

カンボジアの情報発信を中心としたブログ、として今年頭からこの「”万”情報局」をスタートして約4ヶ月。

今回が24回目なので、平均すると月6本、2週間で3本のペース。 
多くもないけど少なくもない、というペース、、だろうか(いや、少ないか、、)。

いざブログを初めて見ると、意外な自分を発見したりするので(とはいえ周りからは「いやアナタはそういう人ですよ」と言われたりするので、いかに自分で自分をわかっていないか、だが・・)、それはそれで(特に生産性はないけれど)面白く感じたりしている。

で、自分的に意外なこと(の1つ)は、食べ物ネタが極端に少ない事。 

バッタンバンでイチオシのクイティウ屋(カンボジアの麺)を紹介しただけ(15回目のブログにて)。
前回までで数えると23分の1である。 
23分の1(約4.3%)、、何も気の利いた他の例えも思いつかない数字。

サケを飲んでメシを楽しむ(但しコスパ超重視)くらいしか趣味がないはずなのに、この少なさはかなり想定外。

ブログ開始当初は(自身のフェイスブックみたいに)食べ歩きネタばかりになったらどうしよう、、とか思ったりしたが、とんだ杞憂でした。

今回をメシネタにすれば、24分の2(=12分の1)。 
その後30回目までにもう1本いれれば、30分の3(= 10分の1)。
ようやく1割はメシネタになるか。 

・・・ということで、今回はバッタンバンでイチオシの餃子屋のご紹介。 


前置きが長い。すみません。 
もう言葉は不要、ということで以下、写真&プチコメント。

バッタンバンに来たら食べざるを得ない、C++(Cプラプラ)級グルメ。
違法薬物指定を受けたハッピーターン(出所:虚構タイムス)的な中毒性を発揮(対筆者)。

衛生面は度外視して連日満員御礼withヨーロピアン。

なぜかヨーロピアンを惹き付けてやまないココの餃子

カンボジアの片田舎の中国人の店に集うヨーロピアン達。
餃子を介した異文化コミュニケーション。

昼もヨーロピアンで満員御礼。

実は結構な集客効果を発揮している(気がする)看板娘、(たぶん)この店の家族のお嬢ちゃん。
ご機嫌な時はキレキレなダンスを披露。 ご機嫌ナナメな時は客(ヨーロピアン)があやしてくれます。

ヤキソバもチャーハンも美味い。。。これも中毒性が高い感じ。

「Dry Noodle」という括りの、ヤキソバではない汁無し麺もあり。 意外とハマる。

とはいえ、やはりイチオシはこの餃子。 なぜかホント美味く感じる。 なぜだろう。

いつもお世話になってます。
いつもあなたの背中を見ながらアンコールビール&餃子タイムinバッタンバン。

バッタンバン市内Road#2、有名店「White Rose」(たしか地球の歩き方にも載っていた・・はず)の並び。  
店名はわからないので、店頭外観(2つ目の写真)を探す感じで。

中毒性の高い(私見)C++級中華を楽しみたいヒト、もしくはバッタンバンでカツンと飲食系ヒットを狙うヒト、Check it Out ♩


2014/04/20

早起きは三文の得(?):カンボジア中古車市場

今やすっかり朝夕の慢性交通渋滞が当たり前の風景になってしまったカンボジアの首都プノンペン。 

3〜4年前くらいまでは、高級な新車(主にトヨタのランドクルーザー&レクサス)しか走ってなかったのに、最近はカムリやカローラなど、庶民的なセダン車が妙に幅を利かせ始めたカンボジア各主要都市(というか町)。
なおトヨタ車が断トツに愛され続けている事は今も昔も変わらない。

カンボジア人が「ガラージ(Garage)」と呼ぶ中古車屋。
市内にあちこちあり、毎週末早朝コンテナが到着、人々が群がる。。(内容後述)


ランクルを5、6台(家族1人に1台ずつ、とか)買える天上人か、チャリしか持ってないほぼBOP層(Base of Peramid → JICAさん等の予算がいま積極的に支援しようとされている対象)か、の極端な二極化だった時代(比率は1:1000くらい、、は言い過ぎか)は、とうに過去の話。

昔は比較対象(≒ 羨ましいと思う相手)にすらならない雲の上の人々しか持っていなかった自動車が、「近所のアイツがカムリ買いやがった最近」というレベルの高度まで下りてきてくれた。

その事が、カンボジア人の消費意欲(≒ 嫉妬心 × 虚栄心 + マイクロファイナンスのパンフレット)を活性化し、それと反比例的に主要都市(町)の交通機能をマヒさせてくれている。 


ニコニコ自動車ローン全盛な今、天上人未満・ほぼBOP層超、の方々にとっては、新車でも中古でも、何とか手が届くあたりにフワフワと浮いてはいる。

とはいえ、彼等の欲望を気持ちよく満たしてくれるのは、やはり中古車市場である。 

中古車は値崩れしない、と誰もが思い込んでいる状況(だから実際に値崩れしない ≒ 信用創造効果)で、やはり彼等は「我こそ先に」とばかりに(トヨタの)中古車を(高利な借金と共に)抱え込む。

が、カンボジアに走る中古車は、そのほぼ全てが事故車・欠陥車だと言われる(某専門家のコメント)。 

悪貨が良貨をあっという間に駆逐してしまった(というかそもそも良貨が入ってきた事があったのか・・?)、典型的なレモン市場(←リンク読み飛ばし可)と化してしまっているカンボジア中古車市場。

良い中古車が存在していた期間が極めて短い(≒ ゼロ)ので、売り手も買い手も選球眼がない。 目利きが培養される期間がほぼなかったからだ。

一般的なレモン市場の特徴と言われる「情報の非対称性」とは、売り手の情報>>>買い手の情報、という状況の事だが、カンボジアは「どっちも良くわかっていない」状況に極めて近い(私見)。

売り手は高く売りたい。 買い手は安く買いたい。 
でもホントウはいくらが妥当か、お互いよくはわからない。

そんな売り手と買い手の売買ゲームが、結果的に行き着いた所(現状)は:

「水揚げの時に生の状態で、自分の目で見て即断即決、お互い後で文句は言いっこなし」

という「卸売市場の競り」的な究極の競売方式だ。

週末早朝、ガラージにてコンテナから運び出される、
まだカンボジア人の手には触れていない「生」中古車達。

売り手が手元でいろいろお化粧する事もナシ、買い手が試乗やら何やら評価して値踏みする事もナシ。 

コンテナから出したそのものを見て、その場で即決、即金払い(手付金を払えば少しは待ってくれる)。 複数の買い手がいたら、高い値を着けた方が競り落とす。

ちなみに売り手は、コンテナから出て来た車の値段を、エンジンとか中身確認する事なく、車種と年式だけで提示していた(筆者が見たところ)。

その提示に対し、バイヤー(仲買人&事情通な個人客)はいろいろと車の中身を覗き込み、何かわかったような顔をしながら、買おうかどうか考えている(ように見えた)。

水揚げされた「生」中古車の中身(エンジン等)を覗き込む仲買人達(&事情通な個人客)。
果たしてホントウに目利き評価できているのか。

だいたい毎週末(土日)の早朝にコンテナがガラージに届く。 朝一で到着し、その場で卸され、その場で競りが始まるので、要は早いモノ勝ちだ。 ただ時間が決まっているわけではないので、バイヤーは早くは来るものの結構待たされる。 

コンテナから出される作業も当然ゆっくりなので、なんだかんだ午前中一杯は拘束されるバイヤー達。 とはいえ彼等も基本ヒマな方々なので、双方文句が出る事もなく、ゆったりとした競りは続く。

コンテナから卸す作業は何故か一台ずつ。 何人か作業員いるから同時に出せば早いのに、、と思うが、文句をいう仲買人はいないので作業ペースに変化はなし。

コンテナ初出しのタイミングをのがすと、ガラージ業者が、エンジンを見て修理したり、内装をキレイにしたり、など手間をかけて、その分値段が上がるらしい。
だからバイヤー達は、業者が余計な手を出す前の「生」中古車をアサりに、毎週末の早朝、掘り出し物を目がけてガラージを訪れる。

無駄足に終わる事も多いとは思うが、巡り合わせがよければガラージが数千ドル上乗せする前の活きがいいナマモノを産直価格で購入できる。 期待値を掛け合わせても、三文以上の価値はありそうだ。

カンボジアの中古車市場の風景は毎週末、入場料タダで見学可能だ。 ただ写真撮影は基本ご遠慮頂きたい、とのこと。 
※今回ブログの写真は、ガラージ業者さんと目配せしつつ、怒られない範囲で撮った写真です。

観光資源の乏しいプノンペンだが、ここが築地的な観光訪問先になるには、、地味過ぎるか。

コンテナの中で出待ちの「生」中古車。これが数日後(数時間後?)街中を走り回る。
プノンペン内を運転される方々、くれぐれもご自愛ください。

2014/04/16

たぶんズルズル引っ張る話

4月中旬がお正月なカンボジア。 多くの国民が心待ちにしている(数ある)長期連休の1つである。

なぜ4月なのか。 お釈迦様が生まれたのが4月あたりだから、とか、農業的にヒマな時期だから、とか、諸説あるが、年に3回お正月を祝う(1月1日、中国の春節、と今)カンボジア人にとって、本来自国の正月がこの期間だ。


おめでたいクメール正月最終日の本日、日経朝刊でいい感じの記事が出た。 

タイトルは『東南ア「関税ゼロ」財政に影 』。 日経お得意の「前途に暗雲が立ち込めてます」系の記事だ。


記事には、「東南アジア諸国連合(ASEAN)経済統合に暗雲をもたらす『財政の2018年問題』」、とある。 

結構ツボを付いた指摘をしている(私見)と思うが、さすが日経の命名力、「2018年問題」という言葉は筆者的には初見である。


ASEAN経済統合とは、ざっくりいうと、ASEAN 域内の、ヒト・モノ・カネの流れを自由化させましょう、という話。 
詳細説明はいろんな所で出ているので割愛。

ヒトでいうとVISA, モノでいうと関税、カネでいうと諸々投資規制、あたりを主に撤廃していけば、いろいろ便利になってASEANが活性化されますよ、という話。 総論で異を唱える人はまずいない。

が、この話、各論となるとかなりややこしい(はずだ)。 

外国人からおカネをなんとか搾り取りたい東南アジアにとって、域内のヒト(当面、東南アジア人だけ?)の行き来のVISA撤廃は無問題。 投資規制の緩和は(もっとおカネが入って来るから)むしろアリ。  問題はモノの方、つまり関税だ。

今回の日経記事の(筆者的には)ポイントは、前から「誰か表にしてくれないかな」と思っていた以下の図をカツンと作ってくれたこと。

日経記事より。 なんて関税頼りなカンボジア。。


基本方針として、ASEAN先行加盟国は2010年までに、後発加盟国は2018年までに(2015年だったはずがいつのまにか3年伸びていた)、まずは域内関税撤廃、とある。

ちなみに;
先行加盟6カ国:ブルネイ、インドネシア、フィリピン、マレーシア、シンガポール、タイ
後発加盟国4カ国:ベトナム、カンボジア、ラオス、ミャンマー


以前のブログで書いた通り、関税とVAT(付加価値税≒消費税)で国の歳入の6割をまかなっているカンボジアにとって、ASEAN域内とはいえ関税撤廃というのは容易ならない事態である。

海外との接点である港はまだいいが(域外からの輸入は活性化するだろう)、域内の陸路国境の伏魔殿の方々の食い扶持はどうなるのか。


彼の国々にとって、外資企業の法人税を下げる事は全く問題ない。 
そもそも徴税能力が大して備わってないし(日経記事にも「問題は税金の取り立て能力の低さ」とある)、ハナからあまりアテにしてないのだ。

カンボジアの税務署にいたっては、現状であっても既存外資へ税務調査での主なツッコミどころは法人税ではないし(詳細は割愛)。

「ヒト・モノ・カネの流れがより自由になり、法人税も安いですよ」という呼び込み文句で、数多くの外資系におカネを落としてもらいたい一方、カタい食い扶持はなんとか確保しなければならない。 
その最たるものの1つはモノ(関税)になる気がする。

各国、その他の財源確保にも余念がない。

同じく日経記事より。 大臣の豪邸は更に立派になろうとも、
国的に苦しい財政は続く。。

記事によると、ベトナム政府はアルコール類やたばこにかかる税率を引き上げる考えで、たばこは現行の65%から75%に、ビールやワインは50%から65%い、新たに炭酸飲料にも課税するとのこと。

ラオスは10年に10%の付加価値税(VAT)を導入したし、カンボジアも自動車などぜいたく品への特別税の引き上げを検討している、らしい。


ASEANは依然として「コンセンサスによる意思決定」や「内政不干渉原則」を堅持している。 

各論の施策は各国判断に委ねられているし、互いを尊重する形で遅延による罰則などは明確化されてない(する気は多分ない)。


「大きく成長する6億人市場」をアピールして「先行投資誘致」につなげつつ、とりあえず来させておいて(逃げられないようにしておいて)、各論(具体的な税制とか)の調整はズルズルと引っ張る・・・という、新興国お得意の戦法がくっきりと浮き彫りになっている、すでに。

先行6カ国(インドネシア、マレーシア、シンガポール、タイ、ブルネイ、フィリピン)が昨年末時点で対象品目の99%の関税を撤廃している、というのは実はホントにすごい話だ。 が、後発4カ国はきっとそうはいかない気がする(私見)。 

でもこの先行優等生組の実績が、呼び込み文句に1つ説得力を与えてしまっている。

むしろそれを狙った布石としての実績作りなんじゃないか、、という邪推も可能だが、もしそうだとしたら、そこまで長期的視野で徒党を組んでる彼等には到底太刀打ちできないな、、たぶん。