今やすっかり朝夕の慢性交通渋滞が当たり前の風景になってしまったカンボジアの首都プノンペン。
3〜4年前くらいまでは、高級な新車(主にトヨタのランドクルーザー&レクサス)しか走ってなかったのに、最近はカムリやカローラなど、庶民的なセダン車が妙に幅を利かせ始めたカンボジア各主要都市(というか町)。
なおトヨタ車が断トツに愛され続けている事は今も昔も変わらない。
ランクルを5、6台(家族1人に1台ずつ、とか)買える天上人か、チャリしか持ってないほぼBOP層(Base of Peramid → JICAさん等の予算がいま積極的に支援しようとされている対象)か、の極端な二極化だった時代(比率は1:1000くらい、、は言い過ぎか)は、とうに過去の話。
昔は比較対象(≒ 羨ましいと思う相手)にすらならない雲の上の人々しか持っていなかった自動車が、「近所のアイツがカムリ買いやがった最近」というレベルの高度まで下りてきてくれた。
その事が、カンボジア人の消費意欲(≒ 嫉妬心 × 虚栄心 + マイクロファイナンスのパンフレット)を活性化し、それと反比例的に主要都市(町)の交通機能をマヒさせてくれている。
ニコニコ自動車ローン全盛な今、天上人未満・ほぼBOP層超、の方々にとっては、新車でも中古でも、何とか手が届くあたりにフワフワと浮いてはいる。
とはいえ、彼等の欲望を気持ちよく満たしてくれるのは、やはり中古車市場である。
中古車は値崩れしない、と誰もが思い込んでいる状況(だから実際に値崩れしない ≒ 信用創造効果)で、やはり彼等は「我こそ先に」とばかりに(トヨタの)中古車を(高利な借金と共に)抱え込む。
が、カンボジアに走る中古車は、そのほぼ全てが事故車・欠陥車だと言われる(某専門家のコメント)。
悪貨が良貨をあっという間に駆逐してしまった(というかそもそも良貨が入ってきた事があったのか・・?)、典型的なレモン市場(←リンク読み飛ばし可)と化してしまっているカンボジア中古車市場。
良い中古車が存在していた期間が極めて短い(≒ ゼロ)ので、売り手も買い手も選球眼がない。 目利きが培養される期間がほぼなかったからだ。
一般的なレモン市場の特徴と言われる「情報の非対称性」とは、売り手の情報>>>買い手の情報、という状況の事だが、カンボジアは「どっちも良くわかっていない」状況に極めて近い(私見)。
売り手は高く売りたい。 買い手は安く買いたい。
でもホントウはいくらが妥当か、お互いよくはわからない。
そんな売り手と買い手の売買ゲームが、結果的に行き着いた所(現状)は:
「水揚げの時に生の状態で、自分の目で見て即断即決、お互い後で文句は言いっこなし」
という「卸売市場の競り」的な究極の競売方式だ。
売り手が手元でいろいろお化粧する事もナシ、買い手が試乗やら何やら評価して値踏みする事もナシ。
コンテナから出したそのものを見て、その場で即決、即金払い(手付金を払えば少しは待ってくれる)。 複数の買い手がいたら、高い値を着けた方が競り落とす。
ちなみに売り手は、コンテナから出て来た車の値段を、エンジンとか中身確認する事なく、車種と年式だけで提示していた(筆者が見たところ)。
その提示に対し、バイヤー(仲買人&事情通な個人客)はいろいろと車の中身を覗き込み、何かわかったような顔をしながら、買おうかどうか考えている(ように見えた)。
だいたい毎週末(土日)の早朝にコンテナがガラージに届く。 朝一で到着し、その場で卸され、その場で競りが始まるので、要は早いモノ勝ちだ。 ただ時間が決まっているわけではないので、バイヤーは早くは来るものの結構待たされる。
コンテナから出される作業も当然ゆっくりなので、なんだかんだ午前中一杯は拘束されるバイヤー達。 とはいえ彼等も基本ヒマな方々なので、双方文句が出る事もなく、ゆったりとした競りは続く。
コンテナ初出しのタイミングをのがすと、ガラージ業者が、エンジンを見て修理したり、内装をキレイにしたり、など手間をかけて、その分値段が上がるらしい。
だからバイヤー達は、業者が余計な手を出す前の「生」中古車をアサりに、毎週末の早朝、掘り出し物を目がけてガラージを訪れる。
無駄足に終わる事も多いとは思うが、巡り合わせがよければガラージが数千ドル上乗せする前の活きがいいナマモノを産直価格で購入できる。 期待値を掛け合わせても、三文以上の価値はありそうだ。
カンボジアの中古車市場の風景は毎週末、入場料タダで見学可能だ。 ただ写真撮影は基本ご遠慮頂きたい、とのこと。
※今回ブログの写真は、ガラージ業者さんと目配せしつつ、怒られない範囲で撮った写真です。
観光資源の乏しいプノンペンだが、ここが築地的な観光訪問先になるには、、地味過ぎるか。
3〜4年前くらいまでは、高級な新車(主にトヨタのランドクルーザー&レクサス)しか走ってなかったのに、最近はカムリやカローラなど、庶民的なセダン車が妙に幅を利かせ始めたカンボジア各主要都市(というか町)。
なおトヨタ車が断トツに愛され続けている事は今も昔も変わらない。
カンボジア人が「ガラージ(Garage)」と呼ぶ中古車屋。 市内にあちこちあり、毎週末早朝コンテナが到着、人々が群がる。。(内容後述) |
ランクルを5、6台(家族1人に1台ずつ、とか)買える天上人か、チャリしか持ってないほぼBOP層(Base of Peramid → JICAさん等の予算がいま積極的に支援しようとされている対象)か、の極端な二極化だった時代(比率は1:1000くらい、、は言い過ぎか)は、とうに過去の話。
昔は比較対象(≒ 羨ましいと思う相手)にすらならない雲の上の人々しか持っていなかった自動車が、「近所のアイツがカムリ買いやがった最近」というレベルの高度まで下りてきてくれた。
その事が、カンボジア人の消費意欲(≒ 嫉妬心 × 虚栄心 + マイクロファイナンスのパンフレット)を活性化し、それと反比例的に主要都市(町)の交通機能をマヒさせてくれている。
ニコニコ自動車ローン全盛な今、天上人未満・ほぼBOP層超、の方々にとっては、新車でも中古でも、何とか手が届くあたりにフワフワと浮いてはいる。
とはいえ、彼等の欲望を気持ちよく満たしてくれるのは、やはり中古車市場である。
中古車は値崩れしない、と誰もが思い込んでいる状況(だから実際に値崩れしない ≒ 信用創造効果)で、やはり彼等は「我こそ先に」とばかりに(トヨタの)中古車を(高利な借金と共に)抱え込む。
が、カンボジアに走る中古車は、そのほぼ全てが事故車・欠陥車だと言われる(某専門家のコメント)。
悪貨が良貨をあっという間に駆逐してしまった(というかそもそも良貨が入ってきた事があったのか・・?)、典型的なレモン市場(←リンク読み飛ばし可)と化してしまっているカンボジア中古車市場。
良い中古車が存在していた期間が極めて短い(≒ ゼロ)ので、売り手も買い手も選球眼がない。 目利きが培養される期間がほぼなかったからだ。
一般的なレモン市場の特徴と言われる「情報の非対称性」とは、売り手の情報>>>買い手の情報、という状況の事だが、カンボジアは「どっちも良くわかっていない」状況に極めて近い(私見)。
売り手は高く売りたい。 買い手は安く買いたい。
でもホントウはいくらが妥当か、お互いよくはわからない。
そんな売り手と買い手の売買ゲームが、結果的に行き着いた所(現状)は:
「水揚げの時に生の状態で、自分の目で見て即断即決、お互い後で文句は言いっこなし」
という「卸売市場の競り」的な究極の競売方式だ。
週末早朝、ガラージにてコンテナから運び出される、 まだカンボジア人の手には触れていない「生」中古車達。 |
売り手が手元でいろいろお化粧する事もナシ、買い手が試乗やら何やら評価して値踏みする事もナシ。
コンテナから出したそのものを見て、その場で即決、即金払い(手付金を払えば少しは待ってくれる)。 複数の買い手がいたら、高い値を着けた方が競り落とす。
ちなみに売り手は、コンテナから出て来た車の値段を、エンジンとか中身確認する事なく、車種と年式だけで提示していた(筆者が見たところ)。
その提示に対し、バイヤー(仲買人&事情通な個人客)はいろいろと車の中身を覗き込み、何かわかったような顔をしながら、買おうかどうか考えている(ように見えた)。
水揚げされた「生」中古車の中身(エンジン等)を覗き込む仲買人達(&事情通な個人客)。 果たしてホントウに目利き評価できているのか。 |
だいたい毎週末(土日)の早朝にコンテナがガラージに届く。 朝一で到着し、その場で卸され、その場で競りが始まるので、要は早いモノ勝ちだ。 ただ時間が決まっているわけではないので、バイヤーは早くは来るものの結構待たされる。
コンテナから出される作業も当然ゆっくりなので、なんだかんだ午前中一杯は拘束されるバイヤー達。 とはいえ彼等も基本ヒマな方々なので、双方文句が出る事もなく、ゆったりとした競りは続く。
コンテナから卸す作業は何故か一台ずつ。 何人か作業員いるから同時に出せば早いのに、、と思うが、文句をいう仲買人はいないので作業ペースに変化はなし。 |
コンテナ初出しのタイミングをのがすと、ガラージ業者が、エンジンを見て修理したり、内装をキレイにしたり、など手間をかけて、その分値段が上がるらしい。
だからバイヤー達は、業者が余計な手を出す前の「生」中古車をアサりに、毎週末の早朝、掘り出し物を目がけてガラージを訪れる。
無駄足に終わる事も多いとは思うが、巡り合わせがよければガラージが数千ドル上乗せする前の活きがいいナマモノを産直価格で購入できる。 期待値を掛け合わせても、三文以上の価値はありそうだ。
カンボジアの中古車市場の風景は毎週末、入場料タダで見学可能だ。 ただ写真撮影は基本ご遠慮頂きたい、とのこと。
※今回ブログの写真は、ガラージ業者さんと目配せしつつ、怒られない範囲で撮った写真です。
観光資源の乏しいプノンペンだが、ここが築地的な観光訪問先になるには、、地味過ぎるか。
コンテナの中で出待ちの「生」中古車。これが数日後(数時間後?)街中を走り回る。 プノンペン内を運転される方々、くれぐれもご自愛ください。 |
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