2014/06/18

カンボジア 物流 & 通関:陸路と空とクーデター


カンボジアで細々とながら5年半、コメやらヤサイやらイシやらキカイやら、リアルなモノを取り扱う事業にいくつか取り組んでいると、嫌でも向き合わざるを得ない「カンボジア物流」に関する諸々。

陸海空の「国境」という名の関所で、いかにスムーズにモノを通過させるか。
入れる場合は「輸入」、出す場合は「輸出」である。


タイのクーデターによる影響で、在タイ就労していたカンボジア人帰国集団でごった返すタイ国境ポイペト。先週末にタイ出張から戻った弊社スタッフが撮影。 諸々説明(?)は本稿ブログ後段で。。。


同じくカンボジアでIT事業にも取り組んでいるが、こちらはネット環境さえ整っていれば、日本からだろうか中東からだろうが、素材を簡単に「受信」できてしまうし、成果物をあっさりと「送信」できてしまう。 

カンボジアはネット環境に関して言えば近隣他国に比べて極めて優等生なので、「送受信」に関しては極めてストレスフリーである。

その「送受信」と同時並行で「輸出入」にも肩までどっぷり浸かっている身としては、これまた嫌でも向き合わざるを得ないそのストレス対比の格差は尋常ではない。 

「送受信」には「通関」とか一切なし。 当たり前のようだが、これはやはりスゴいことだ。 
一方の「輸出入」で「通関バトル」の難局を痛感させて頂いている筆者の目には、そのスゴさは計り知れない価値に映る。 
 
カンボジアを拠点に日本相手の事業スタートを考えられている皆さん、とりあえずIT事業をお勧めします。


イミグレ(入管)大パニック、と報道されているタイ国境ポイペト。  弊社スタッフはスルリと切り抜けた。まあ(弊社的には良い意味での)蛇の道は蛇。。


で、ストレスフリーな方をここで書いてもしょうがないので、その対局にあるモノの通関のお話を少々。

「陸・海・空」の関所のうち、割り合いとラクなのは「海」である。

諸先進国に低賃金メリットをウタう他の近隣新興国のご多分に漏れず、カンボジアも縫製業や組立業がその輸出額の大半を占めており、そのほぼ全てが海(もしくは川)の玄関を経由している。

その歴史がそれなりに長い分、それなりにシステムも整っているし、よっぽど変わったモノを出し入れするのでなければ、それほど困った問題は発生しない。

なお、ローカル物流業者に依頼する場合、そのウデの良し悪しによって、依頼主が被るストレス&迷惑には、これまた格段の差がある。

何か困った事態が起こった場合、業者は決して「自分のウデにせい」にせず、「カンボジアのせい」にする。 
よって、「カンボジアは港の通関すらまともではない」と実際の体験談として語られる 被害者 事業者様も実際にいらっしゃる。

いろいろな業者から 苦労 勉強させて頂き、今はもう全て自社で輸出入手続きを行なっている筆者の感覚だと、「海」のトラブルはほぼ95%、業者のウデが原因だ(私見)。


タイ国境ポイペトにて、陸送の輸入品の詰め替え現場。タイから来たトラックからカンボジア側のトラックへ。 ちなみにカンボジアでは初ケースとなる物流。

一方、面倒な局地戦となるケースが多いのが、「陸」と「空」だ。
「陸」はほぼ全般で局地戦に。「空」は特殊なモノに関しては難易度高い局地戦になる。

プノンペン中心地の日系大型ショッピングモールのオープンが目前に控え、各地の関所で日本語による悲鳴がこだましているのが聞こえてくる、、のは空耳かも知れない。。

「陸」の方では、タイ国境において、運悪く重なったタイのクーデターが事をややこしくしている。

まず、タイ・カンボジアのメイン国境であるポイペト以外の国境はすべて封鎖された、ということになっている。

また、現在政権の実権を握っている(らしい)タイ軍部による「タイ人の雇用機会を侵害する者は許しませんよ」的なアナウンスに恐れをなした在タイ就労カンボジア人達が、こぞって母国に逃げ戻ってきている。

全人口の1%相当にあたる約14万人が、一気に小さな国境の街ポイペトに終結し、イミグレ(入国管理)がパニック状態になっている、とされる。

唯一開いている小さな国境に、民族大移動レベルで大挙して人が押し寄せていれば、平時でさえ時間がかかるモノの通過に、さらなる時間がかかっても、確かに不思議ではない。  
いや、これは8年ぶり19回目(古豪高校野球部の久しぶりの甲子園出場とかではない)のタイクーデーターのせいですよ、というセリフも各所から聞こえてくる。

プノンペン初となる日系大型ショッピングモールにお店を出す事業者皆様にとっては、よりによって困った時に困った事態が発生しまったものである。
裏を返せば、(一部の)ローカル業者にとって、都合のいい時に都合のいい言い訳が生まれてくれたものである。


トラック詰め替え作業@タイ国境ポイペト。 弊社スタッフもご協力させて頂きました。 


ちなみに弊社メンバーは、普通に普段使いの陸路国境(ポイペトではない)からタイ出張に赴き、帰りは近かったのでポイペトから戻って来たが、まあ大混雑ではあったもののスムーズに切り抜けてきている。

ポイペト以外の国境は(実質的には)別に封鎖されているわけではないし、今のポイペトを利用するには、出戻りタイ就労者関係ではないことをいかに上手く伝えるかがポイントだ。

また、ポイペトにて弊社パートナーの物流(カンボジア初の冷凍系物流)の通関・詰め替え作業にも同行させて頂いた。 
まあ想定より時間がかかったが(明確かつ対処可能な理由による)、滞りなく既にモノはプノンペンに届いている。



詰め替え終了。 自分で実際に体験してみて、かかる時間や労力を覚える。
なおモノはこの翌日には無事プノンペンに到着済み。 


途中はさんだ写真の説明を最後にまとめて形になってしまった、、相変わらず冒頭が長くなりすぎで恐縮です。(= =;)

ちなみに「空」の方は、まあ特殊なケースがあったが無事にモノは既に店舗におさまっている。 
長くなったので省略するが、、、いくつか業者様に一応相談はしてみたが想定どおり「できません」とご辞退を受け、まあ想定通り自分達でやりましたが、居合い抜きのような瞬間勝負でした。
勝負を決めておいて試合に臨む感じな空中戦、の試合後atプノンペン空港VIPゲート(先週)。
まあこのゲートを使ったのはあくまで念のため。。



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