2014/03/19

恐るべしカンボジア人の「値付け」感

カンボジア第2の都市と言われる地方都市(というか町)バッタンバン。

第2位とはいえ、第1位の首都プノンペンには何十馬身も引き離されており、距離が縮む気配を感じさせた事は歴史的にも所感的にも一度もない。
「1位以外はビリと一緒」という某カリスマ経営者の言をリアルに体現している片田舎町だ。
仕事を終えた後、夕食を食べて、そのあと特にすることがない。(ない事もないが、ほぼない)

そんなバッタンバン市内に比較的最近できて、個人的にお気に入りな、
完全に「地元カンボジア人向け」のスパがある。 
(※ 以下、「地元カンボジア人」を書きやすさの便宜上「ローカル」と表記しますが、特に他意はありません)

なんで「完全にローカル向け」と思うのか、と言えば、例えばシャワールームに備え付けてある以下;
どちらかがシャンプーで、どちらかがボディソープである確率が極めて高いが、
クメール語(カンボジア語)が読めない身にはさっぱり解読不能。

「Shampoo」と「Body Soap」の英語ラベルくらい張っても良かったんじゃないか、と首を傾げたくなるが、、ソフト面でここまで「ガイジン度外視」の姿勢を取られると、やはり「ローカルのローカルによるローカルのための」スパなんだと思わざるを得ない。

もう1つ、「ローカルのローカルによるローカルのための感」を痛烈に
醸し出すのは、ソフト設計の極みとも言うべき「値付け」の部分である。


例えばちょっと良さげな新しいホテルがバッタンバンに出来たとする。

そのうち泊まってみようかな、と思いながら中をのぞいて値段を聞くと、たいがいが近くのゲストハウスや古いホテルと大して差がない部屋代を提示してくる。

ちなみにバッタンバン出張時に筆者が常用しているホテルは、WiFi完備(YouTubeがカクカクせず見られるくらいの強さ)・空調完備・部屋も清潔・お湯もOK(ちょっと弱いが)、で素泊まり一泊14ドル(約1400円)。

一方、近くの古いゲストハウスだと、エアコン付きの部屋は素泊まり一泊12ドル(1200円)だ。 その差たったの2ドル(約200円)。
・ちなみにエアコンなしでいいなら一泊7ドル(約700円)だ。

我が常宿は決して新しくはないが、仮に部屋が毎日フル稼働していたとしても、一泊14ドルで果たして元が取れるのか。。。と他人事ながら心配になる。

だが、この「元が取れるのか」という発想が、どうやらローカル意識の
初期設定にインストールされていない、ようである(筆者私見)。


中途半端にビジネス算数をかじってしまった身としては、たとえば5億円でホテルを建てたとして(カンボジアであれば結構立派なのが建つはずだ)、

「建物が50年もつとして、5億円÷50年=1千万円は毎年回収していかないとな 」(いわゆる耐用年数を50年とした減価償却)。

「銀行から借りてたとしたら、元利の返済原資は毎年回収していかないとな。」

とか、みみっちくも当たり前の収支計算をしてしまう。

その回収分を部屋代に乗せるので、当然ゴツいホテルを建てれば部屋代はそれなりに高くなるはず、なのだが、ローカルの発想はどうやらチョット(いや、かなり)違う。


外国人が余計な関与・アドバイスをしていない場合(≒ ローカルだけで建てた場合)、どうも彼等は「建物を建てたコスト(資産計上額)の回収」をあまり想定していない、気がする。

「いいホテルを建てたら、価値は減らないし、将来きっと高く(外国人に)売れるし、しかも銀行から借りてないし、あぶく銭で造ってるし、将来子供達に残す資産ですが何か?」(某ローカルの言、筆者意訳)。
・たしか相続税も贈与税もカンボジアにはないはずだ。
 (間違ってたらすみません)

人件費や水道光熱費などの諸経費はカバーしなければならない、とは思っている。
だから、古いホテルやゲストハウスとの違いは、スタッフ数や部屋数の規模(による経費の違い)だけだ。 
光熱費は設備によって結構変わるが、スタッフ人件費はホテルの品質とは無関係にほぼ横並びである(地方だと特に)。 基本的な所にかかる経費は新しいホテルも古いホテルも大差ないのだ。

しかもターゲットは、豪華ホテル(非日常空間)を楽しむ事に意義を見出すほどの文化成熟度にいたるにはまだ時間がちょっとかかるローカルだ(当然、例外もいるが)。 夜寝るだけの部屋に高値を払うのはナゼ?、という初期的疑問から抜け出せずにいる。

結果として、ゲストハウスとガチンコ競合するような値付けの提示となる。

言い換えれば、「ローカルのローカルによるローカルのための」ハコモノ施設を経営するローカルの念頭には、EBITDAの概念しかない(筆者私見)。 
 ※ EBITDA : ここまで長々と話した内容を一言で表せる便利な会計用語
  (詳細気になるレアな方は、リンク参照してください。。)

それが、ハコモノの空間品質レベルによって払う対価が異なる事をまだ理解しないターゲット(ローカル)の値頃感とバッチリかみ合って、常軌を逸した値付けがまかり通っている。

経常利益を意識せざるを得ない普通の外国人が勝負しても、勝てる見込みは薄そうだ。


日本でお世話になった前職会社の創業者いわく、
「差別化戦略ってのは、平たくいえば『真似できない』『真似したくない』『真似したら損する』のどれかを相手に思い込ませる事だ」
との事だが、、、、(たぶん)意図せずそれを体現しているローカル。

まあ、どこかの先進国の民も、20年ちょっと前までは「土地はぜったい価値が上がり続ける」と盲信して、国民みんなで年収の数倍のレバレッジをかけて土地&住居に資産をぶち込んで、アジアのキセキを言われる経済成長を達成したわけだから、、、あながち「ローカルってやっぱおバ●なんじゃないの?」と吐き捨てられる話でもない。 

むしろ、歴史が繰り返すとすれば、カンボジアが今そういうフェーズなんだ、、という事だろうか(筆者にはとてもじゃないが乗れない仮説)。

というわけで、まあハコモノ系でローカルと勝負される勇気ある外国人の方々にとって、上述のような無邪気なローカルが実在している事を念頭に置いておかれることは、たぶん無駄にはならない。。。と思います。


シャンプーとボディソープがどっちかわからない、、というネタから、
またあらぬクドい方向に話が進んでしまい、反省のかけらも見えないこのブログ。

今回、ここまでお付き合い頂いた方々に感謝を込めて、バッタンバンの
穴場情報を以下;

筆者お気に入りのローカル向けスパ in バッタンバン、客がいたら写真撮れないが、客がいないスキを見て内部撮影に成功。 おそらく本邦初公開。

40℃チョットのほど良い温度に調整されている大浴場。
カンボジアで手足のばしてゆっくり浸かれる風呂は貴重。

奥のドアは、左がサウナ・中央がスチーム(右はお手洗い)。
 サウナは香りがする木片を焼べてたりして、リラックス効果満点。
手前の風呂はサウナ用水風呂。
停電した時ジェネレータ発電に切り替わるスピードはカンボジア最速(筆者所感)、まさに電光石火。

この浴場を好きなだけ楽しんで、冷たい水やお茶も実質飲み放題で、しめてたったの3ドル(約300円)。
・フリードリンクはホントは1杯だけらしいが、従業員が
 誰も理解しておらず、頼んだだけ持って来てくれる。

浴場 + マッサージ(正統派マッサージ、約1時間)をつけたセットメニューは、ボディ・マッサージで5ドル(約500円)、フット・マッサージで6ドル(約600円)。

これぞローカルの値付け感、と肌で感じられる、脅威的なコスパのスパである。

普段たいして客は入ってないが、小リッチ風のカンボジア人♂が数名、こうるさく談笑しながら慣れない感じで施設利用している。

妙に低く温度設定したサウナに短時間入り、その後妙に長く水風呂につかる、、という、ローカルの体感温度の不思議さをシュールに観察する事もできる。
・サウナの温度を下げるのは停電ではなく彼等である。


ちなみに、あまりのお得感でローカルに知れ渡り始めたのか、大挙してやってきた弊社バッタンバン事務所のトラクター野郎軍団(従業員達)とバッタリ裸(レンタル水着は着用)で鉢合わせしてしまい、かなり気まずい感じ(軍団の方が)が醸成された先日。

彼等の月給から生活水準まで、一応社長なのでよく知っているつもりだが、そのローカル一般所得層な彼等がプライベートで押し寄せるんだから、ここは近々、ローカル庶民の遊園地になってしまう確率が極めて高い。

リラックス空間としての耐用年数はかなり短めになりそうだが、ローカルな値付けはたぶん変わらないので、静かなうちに十分楽しんでおかないと。

・・そもそもバッタンバン自体が、穴場を通り越して僻地すぎて、あまりお役立ち情報になってなかったら恐縮です。。。 
バッタンバンにお越しのレアな方、ぜひ一度お試しを。



2014/03/15

国境物流:カンボジア稼ぎ頭の必殺技

他の新興国事例のご多分に漏れず、お役所にはいろいろと手を焼かされるカンボジア事業。

その最たるものと言っても過言ではない”カンボジアの伏魔殿”こそ、
「カンボジア関税・消費税総局(General Department of Customs and Excise, GDCE)」である(当社比)。

所得税や法人税(いわゆる直接税)を徴収する機能が全く備わっていない(と言っても過言ではない)カンボジアにおいて、国の稼ぎ(歳入)の堂々約6割を占める間接税。 

この間接税の内訳の大部分を、関税と消費税(付加価値税、Value Added Tax)が占めている。 その関税とVATの徴収をその双肩に担う、まさに国を支える「稼ぎ頭」だ。 

カンボジア地方での農業事業を営む弊社にとって、コメやオクラなどの生産物を輸出するにしろ、農機や資材を輸入するにしろ、常に避けては通れない面倒な難敵 いつもお世話になっているお役所の皆様である。

農業事業の拠点がタイに近い関係で、取引先もタイに多く、タイとカンボジアの陸路国境でよくお世話になる。 
苦節X年、GDCE皆様にいろいろと手を焼かされて来た ご指導ご鞭撻を頂いてきたおかげ様で、ようやく諸々スムーズに通関処理をこなせるようになってきた。 

普段はシャイであまり表にお出ましにならないGDCEの皆様。 普段すっかりお世話になっている御礼も兼ねて、勤務に励まれている風景を支障ない範囲内で少しご紹介したい。

パイリン特別市に近いタイとの国境地帯”プラム”。
カンボジアとタイとの陸路国境はいくつかあり、ここはどちらかというとマイナーな穴場スポット。 

陸路国境エリアではお約束のカジノ。 右手前の小さい建物はカジノスタッフ宿舎、、
ではなく国境警察と入国管理局。 カジノと役所がなぜか建物の色調を合わせたり。

伏魔殿プラム支店 プラムの関税消費税総局(GDCE)。 
戦いは会議室の中で起こっている。
          
GDCEプラム支店オフィスでは、数名のお役人皆様が、カジュアル気ままな服装で勤務に励んでおられる。 カジュアルすぎて、誰が作業スタッフで誰が偉い人なのか、一筋縄では分からない。

GDCEプラム支店の内部。 勤務中の服装は意外やカジュアル。

ヒマそうにスマホ眺めている右側女性。 やる事ない事務スタッフ、かと思いきや
実は実権握ってる要ケア人物。やる事ないという点は合ってる模様。

首都プノンペンですらまだまだシステム化が進まない現状において、辺境のプラム支店とあっては当然、全て手書きである。

何を記入しているのかはさっぱり定かではないが、全ての書類に何かクメール語で熱心に手書きして頂いている。 
腱鞘炎が心配されるくらいの文章量だが、イライラに歯ぎしりしながら ご尽力に感謝しながら見つめるのみの弊社メンバーである。
全ての書類に手書きで何やら記入。 効率化させるつもりを毛頭感じさせない。

以下、「彼等」 が誰かは特に言及しない、筆者の独り言である;


数あるお役所の中で「彼等」にだけ与えられた特別強烈な必殺技は
「何もしない事」だ。

例えば税務署などは、納税を怠ってそうな法人を自ら選定・アプローチし(カンボジアでは個人には来ない)、難癖をつける 指導を行なう事で小遣い稼ぎをする 徴税を実施する。
つまり、税務署は自分で”攻めに”行かなければ稼げない。

一方「彼等」は、モノを動かしたい個人・法人に対し、何もしてあげない事で強烈なダメージを与える事ができる。
攻めるでも守るでもなく、何もしない放置プレイが必殺技。 国の稼ぎ頭になれるわけだ。

当然、ライセンス許認可の権限を持つ省庁等も、同様なワザは持っている(実際に駆使しているケースもある)。
が、東南アジアに進出する企業であれば、許認可には時間がかかる事くらい、ある程度事前に想定しており、計画的な持久戦に持ち込む事も不可能ではない。

一方、物流の場合、モノはもう国境まで来ているわけで、モノによっては時間の経過で劣化するものもあり、納期の問題もあり、「国境でストップ」という状況が与えるダメージは計り知れない。

しかも国境保管の一定フリー期間(一週間程度)が過ぎると日数ベースでペナルティが発生するというボディブロー付き。 一見地味だがかなり強烈だ。

体感してみると分かるが、高利貸しのトイチやトサンを彷彿とさせる勢いで日々蓄積していくダメージ(増額していくペナルティ)。 

しかも更に一定期間がすぎるとペナルティ金額(率)が一気に跳ね上がり、しかもそれが全く通知されず、身代金 請求額を聞いた段階で初めて知らされて腰を抜かす。
払わないと当然、身柄を引き渡してもらえない 保管倉庫から出してもらえない。 パケ死ならぬペナ死である。

この”はじめの一歩”並みのボディーブロー連打で、あえなくノックアウト(カンボジア撤退)した日系企業も実在する。


どこかの国の国会で以前よく見かけた「牛歩戦術」に似ているが、さすがにそこは先進国だけあって「牛歩」程度の進捗は見せる。

が、「彼等」はそう甘くはない。  何もしない事など造作もないのだ。
ふと事務所からフラリと外に出て、いつ帰ってくるか分からず、電話も通じない、という状況を作り出せば良いだけである。 

モノを動かしたい個人・法人がいなければ一気にメシの種に詰まるはずの「彼等」だが、2015年のASEAN経済統合に向け、ますますヒト・モノ・カネの流れが自由になる潮流の中、南部経済回廊の要衝となる(はずの)カンボジア。 
放置プレイで苦しめる お世話をする相手には当面事欠かなそうである。

弊社の”ブツ”は半日で通関終了。 国境警察官が物珍しそうに写真を撮っていた。

弊社は幸運な事に、放置プレイをされる事もなく、正規な形で普通にモノを出し入れさせて頂いている。 

日々「彼等」皆様に感謝です。  
あ、同じくスムーズな処理でいつもお世話になっている、首都と港(海の方)の「彼等」皆様にもMy Best Regards。



2014/03/07

最強のローカル麺屋 in バッタンバン

「カンボジア情報を発信していこう」とブログを始めた時(思い立ったのは去年、やっと始めたのは今年の年明け)、「カンボジアでの飲み食い・ぐるめネタなど柔らかい情報も発信したいです」などとご挨拶で書いたりしたが、有言不実行のまま今日にいたる。

むしろ、カンボジアを無理矢理引き合いに出してるけど、中身は全然関係ないじゃないか、みたいなクドい話に走ってみたり、、出だしから方向性を見失いかけている本ブログ。

初心に帰って「カンボジアにも美味しいものありますよ」という気楽な情報も少しずつお伝えしていきたい。

なお、飲み食いネタの味についての書評はすべて独断・私見、味の好みは人によって千差万別ですので、お好みに合わない場合は悪しからずご容赦を。。


首都プノンペンから北西に300km、弊社の農業事業拠点となるバッタンバン州の州都バッタンバンに、その「最強のローカル麺屋」はある。

店の名前はいまだに知らない。看板もないし。 
でもバッタンバン市ではかなりの有名店で、特に朝食の時間など、かなりの頻度で(あやうく毎日)通っているが、すいているのを見た試しがない。

結構大きな店構え。 看板なんて無粋なものはつける気もなさそう。
弊社内での通り名は「朝飯の店」。 

値段は実はあまり安くない、むしろ高級店な価格帯だが、毎朝カンボジア人で賑わっている。
毎朝これくらいの込み具合がほぼ通常。


断トツのイチオシは鴨肉のミーティウ(小麦麺) ↓
ミーティウ(小麦麺)・サイッティア(鴨肉)・オッチュアン(骨抜き)。
ちと高めで9000リエル(2ドルちょっと)だが、断トツ人気メニュー。
本ブログのトップバナーにも写真使わせて頂いている個人的に最も好きなローカル食。

写真だと麺に隠れて見えないが、キーヴ(カンボジア語でワンタンのこと)が平均2つ程入っており、たまに鴨の肝も入っている、ボリューミーな一品。

ちなみにキーヴはバッタンバン名物、、とバッタンバンの民(弊社スタッフ)は言うが、ホントかどうかはわからない。

注文時に「骨抜き(オッチュアン)」と言うのがポイント。  これを言わないと、骨付き肉が好きなローカル仕様で出て来て、食べるのがかなり面倒くさい。

「ティア」は翻訳本とかだと「アヒル」と訳されるケースが多いが、ここはあえて「鴨」と言っておきたい。 きっと合鴨あたりのはず、と信じて。 
やはり「アヒル蕎麦」より「鴨蕎麦」の方が食べたい気持ちになってくる。


定番の豚肉クイティウ(米麺)↓も、プノンペンでも滅多に出会わない美味さ。
クイティウ(米麺)・サイッチュルーッ(豚肉)。これもかなり美味、
6000リエル(約1.5ドル)。


どちらの写真にも右端に控えめに写っているツケダレが、肉&スープの美味さを引き立てるのだが、原料が何か等はさっぱりわからないし、考えない事にする。


麺以外にも美味いものあり、人気は↓の肉まん(?)
混んでる店内に入らないテイクアウトの客に、店頭で飛ぶように売れて行く肉まん
中にはタマゴも入ってます。


昼も夜も店は開いている。 夜になると人気の麺類(特にミーティウ)はスープ・具材等がなくなっていて終了している事が多いが、普通の単品夜メニューのレベルも結構高い。


グルメネタ初回ということで、カンボジアで最も足繁く通っているローカルレストランをご紹介させて頂いた。
バッタンバンにお立ち寄りの際はぜひトライ頂きたい。

バッタンバン中心地の川沿い近く、街で唯一のレストラン街にあります(わかりづらい説明で恐縮です。。。)。


2014/03/01

北の漁場のカンボジア船:なぜカンボジア船籍が日本近海で火災・座礁するのか

昨今の日系企業によるアジア進出ブームのおかげで、「カンボジア」という国名も各種ニュース報道にだいぶ前向きな話で名前があがるようになってきた。

とはいえ、果敢な日系企業のカンボジア進出チャレンジ話はまだチラホラ出て来る程度で、むしろ定期的に「カンボジア」の名前がニュースに出て来るのは、火災や座礁で日本に迷惑をかけ続ける「船」の話の方だろう。

日本近海、主に北の海で、しょっちゅう船上火災や座礁などを引き起こし、各県の海上保安部にご迷惑をおかけしている貨物船は、たいがい
「カンボジア船籍」の何某、として各種ニュースに報道される。

昨年3月に青森県で座礁したカンボジア船籍の貨物船(朝日新聞Digitalより)。
放置されたまま丸1年が経過。海流で南に500m程移動したとか。

多くの方が既にご存知(もしくはお察し)の通り、実際に約4,000km彼方のカンボジアから貨物船が遠洋はるばるやってきて、日本の海で力尽きて(座礁)もしくは燃え尽きて(火災)しまってるわけではない。

そもそも申し訳程度にタイ湾に接した部分(海岸線約440km)でしか海との接点のないカンボジアに、遠洋航海のスペックなど蓄積されるわけがない。
・ちなみに島国日本の海岸線は約30,000km(世界6位)

カンボジア的には、浅瀬な近海(海岸からすぐそこ)でラクにとれるエビ・イカ・カニを胡椒で炒めて十分美味しいシーフードを堪能しているだけで、当面のところ海との付き合いは十分なのである。
・当然、気前良い先進国が海辺に自腹で立派な港をガツンと
 作り込んでくれる分にはやぶさかではない。

日本にご迷惑をおかけしている「カンボジア船籍」の船は、「船籍」がカンボジアであるだけで、実際の船主・船員ともに全くの「外国人」である。
※カンボジアから見て「外国」(以下同じ)

人間(自然人)や会社(法人)と同じく、船にも法律上の「国籍」があり、それを「船籍」という。

船に「船籍」を与える要件は国によって異なる。 
その船が自国で製造された事だったり、所有者が自国民である事、船員が自国民である事・・、etcなどのルールがあって、要件(および管理・監督)が厳しい国と緩い国がある。 当然、日本は厳しいし、カンボジアは緩い。

実際の所有者の「国籍」と「船籍」が異なる船を、「便宜置籍船(べんぎちせきせん)」と言い、そういう船に船籍を与えることができる国を「便宜置籍船国」と言う。

「便宜置籍船国」は、緩い要件や税金メリットをこしらえて、外国船を積極的に誘致する。 外国企業を誘致するのと動機の構造は一緒である。

つまり日本近海を騒がす「カンボジア船籍の貨物船」とは、形式上の船主(船の所有者)はカンボジア人だが、そのカンボジア人は船に乗っておらず(もしくは乗った事もない、もしくは見た事もない)、実質上の船の支配者や乗組員は外国人である船、ということだ。
・そのカンボジア人は船主の名義貸しで何らか見返りをもらっている
 、、かもしれない。

同様な便宜置籍船国として有名なのはパナマで、一時期は世界の船の
20%くらいはパナマ船籍の船だった事もあるはずだ(記憶違いだったらすみません)。

ちなみに日本船籍の船だと、一定の法定職員(海技免許など持ってる技術系スタッフ等)は日本人乗組員でなければならず、人件費的に海運コストとしては全く割りに合わない、、から日本の貨物船もパナマ船籍にしている、という話が多かった(これも昔の記憶ベース、間違いだったらすみません)。

カンボジアも便宜置籍船国として、他国に比べて緩い船籍取得基準(乗組員の国籍・資格制限がない等)を提供し、また国際ルール上義務づけられている外国船舶監督官(PSC)による船舶検査もおそらくは緩い、はずだ。 
よく船上火災や座礁が起こる、ということは、船の整備状況が劣悪であることの裏返しである。 基準も検査も緩ければ、整備不良の船となり、至る所で事故を起こす。

国際基準を満たさない整備状況で航海する船の問題は、サブ・スタンダード船問題と言われ、船舶事故の大きな原因の1つとして海運業界では取り沙汰されている、、らしい。
(ここはカンボジアとは関係ないので深入りしない)


日本では水産庁によるロシア船籍漁船の入港規制が厳しくなり、かの国の勇猛な海の男達は、なんとか美味しい日本の「北の漁場」にラクに入場する為のあの手この手を考えざるを得なくなった。

カンボジア船籍の入港数や、主に北の海での迷惑事の案件数が急激に増えた2001年以降と、タイミング的に符号する、という説もある。
カンボジアの港町でうごめく活動されている外国人に、かの国の方々(と思しき方々)が妙に多い気がするのが、本件と関係あるのかどうかは定かではない。

日本では、おそらく報道上のルールか何かで、悪さをしたヒト(自然人、法人、船、etc)の国籍を明示する事になっているから、「XX国籍の男(女)」とか「XX国の企業」とか「XX船籍の貨物船」とかがニュース上で必ずコメントされるが、日本が国としてその国籍(船籍)が置かれている国に実際に文句を言うまでには至らない。 

そのヒトがその国籍の国と実際どれくらい関係があるかわからないし、そもそも日本はそういう細かい事を「外交上のツールにしよう」などという狭い了見を持たない「大人の成熟国」だからだ。

一方、日本ほど大人に成りきれていない他国だと、それなりに問題になったりもする。

カンボジア船籍の漁船がヨーロッパの国際水域で違法に漁業をしていたのが発覚した時のこと;
欧州委員会:
 「悪さするカンボジアの水産物は輸入禁止する!」(威嚇)。
カンボジア:
 「いやそれは韓国の船ですから、悪いのは韓国でしょ!」(反論)。
韓国 :
 「国際ルールを遵守するのは船主の義務!」(??)。 

韓国がいう「船主」とは形式上(名義上)の所有者であるカンボジア人。 そもそも船に乗ってもいない、どころかその船がどこで何してるかすら、きっと知らない人のはずだ。

ただの名義人であるカンボジア人に、遠いヨーロッパ海上でのルール遵守責任をムチャ振りする韓国もさすがだが、カンボジア人も「名義を貸すって事には、こういうリスクも伴うのだよ」という事を学ぶべき、とも思えばいい教訓にもなる事件か。

ともあれ日本では、そんな国際紛争的な香りもする大事っぽい話には到底いたらず、今まで通り「北の漁場で『カンボジア船籍』の船がやらかしました」という報道が淡々と流され、それを目にした(耳にした)日本人は「カンボジアから悪い船が来てるのか。。」と一瞬眉をしかめ、すぐまた忘れ去ってくれるだろう。



2014/02/27

夜の農地のイルミネーション

首都プノンペンでの業務を夕方くらいで手仕舞い、その日のうちに農業拠点の地方都市バッタンバンまでたどり着こうとすると、陸路移動5時間の後半はすっかり夜間ドライブとなる。

街灯もない真っ暗な国道5号線をひたすら北上する夜間移動の最中、ふと外を眺めると、暗闇の向こうにおぼろげで細長い白い光が無数に浮かぶ、えらく幻想的な夜景(?)を眺める事ができる。

国道5号線を走行中(夜)の車からのシーン。
 写真が貧弱で恐縮だが、幻想的な光源がもっと広がっている所も。

観光用のイルミネーション、、であるはずは当然なく、何かといえば田んぼの中に整然と並べられたコオロギ採りの仕掛け達だ。

コオロギを採る仕掛け。他サイトからの写真を拝借。。

夜、蛍光灯(?)の光に飛び込んできたコオロギ達は、つるつるなビニールシートにつかまる事もできず、あえなく下の水溜プールに落ちて成仏。
現地農家にとっての貴重なタンパク源、、というわけでもなく、まとめて市場で売るとそれなりの小銭稼ぎになるらしい。

昼間見るとこんな感じ(他サイトから拝借)

コメやキャッサバ等、あまり手のかからない農作物の栽培が主流であるカンボジア人農家達は、ありあまる時間をふんだんに使いながら、肥沃な大地の恵みを漏れなく換金する為のあの手この手を駆使する事に余念がない。

乾期に使う水をためておく貯水池には、必ずナマズなどの淡水魚を養殖(?)しながら小銭を稼ぎ(コメよりいい稼ぎになるという農家も・・)、田んぼに入って農作業する時でも、当然のようにカエルや小魚の漁を同時進行させる。
大きなトラクターを興味津々に追いかけて来る子供達、、では当然なく、
トラクターが走った後びっくりして飛び出して来るカエルや魚をGetするのが彼等の狙い

日本の約1/10程度の人口しかいないカンボジア国民に対し、日本の半分ほどの広さを持つカンボジアの肥沃は国土は、年間を通して農作物やらコオロギやらカエルやら小魚やらを気前良く振る舞ってくれる。 当然、食後のフルーツ類にも全くもって事欠かない。

明日食う物に困る(のが怖い)、という感覚を、とある特殊な異常事態であった十数年の期間を除くと、歴史的に体感した事がない(かもしれない)国民に、必死さと危機感を持って仕事に取り組んでもらうにはどうすればいいのか、、、。

車窓から夜の暗闇に広がる白いイルミネーション(じゃなくてコオロギ採り)を眺めつつ、ふとそんな事が頭をよぎりつつ、とりあえず無事バッタンバンに到着しました今宵。






2014/02/18

カンボジア2週の旅、5日間

カンボジアに来訪されるゲストの視察アテンド。

カンボジアで民間ビジネスをしている方々であれば(業種にもよるが)たいがいは経験されたことがあるはずの、有難くも気疲れもするプチイベントである。
 
視察という名のもと観光色が妙に強いものから、仕事オンリーのガツン系強行軍まで、バラエティは様々だ。

視察アテンド自体を生業にされている方々にとっては本業そのものだが、そうではない方々にとっては、様々な思惑や意図、理由など絡まって、その背景まで遡れる傍観者にとっては更に味わい深い見世物にもなりうるが、通常は外部からそこまでは伺い知れない。

もったいぶった冒頭から始めたのに恐縮だが、弊社の場合は極めてシンプル。
日本からのビジネスパートナー(もしくはその候補)がいらしてくれる際、首都プノンペンでは主に
IT事業、地方のバッタンバン州では農業事業、のいつもの現場を見て頂く形が主である。 

お忙しい方々が短期で来られる事が多く、且つ農業は地方でやっていて移動距離が長いため、どちらからというと仕事オンリー強行軍になりがちだ。

昨今は事業現場の対応に追われ、どうしても対応すべき方々のご来訪時にのみアテンド対応しているのだが(それも普段はあまりないのだが)、先週はそれが偶発的に同時多発した。

相互に関係ない3組の方々が、各々まったく別々なご事情・ご予定の方々にもかかわらず、各々不思議と日程が重ならず、とはいえ間が空くわけでもなく、アテンドする事が不可能にならない程度に連鎖的に来訪されることに。
 
重なってしまったなら、どちらかお断りせざるを得ないのだが、たすきがあれば渡せるくらい見事なリレー状態で連なっていただいたので、物理的に皆様にアテンド可能である以上、「どうしても」な方々だけにお断りするわけにはいかない。 

見て回るべき先(弊社事業拠点)はプノンペンとバッタンバン。で、3組のうち2組はシェムリアップ空港からカンボジア入り。 
①首都プノンペン、②観光古都シェムリアップ、③農業中心都市バッタンバン、三都物語のスタートである。

三都の位置関係をかなり安直に描くと以下な感じ;

        / (6号線)  ②シェムリアップ
     (5号線)           |
       |             |
    ③バッタンバン     (国道6号線)
       |           |
     (国道5号線)      |
         |      |
          |    |         
          ①   プノンペン

で、同時多発アテンドの強行軍行程がざっくり以下;

1周目(火曜日〜木曜)
①→②へ陸路移動 6時間(約350Km)、火曜の夕方〜深夜
②⇄ ③の陸路往復 6時間(約320Km)、水曜の早朝〜夕方
②→①へフライト 45分(約300Km)、木曜の早朝

2週目(金曜〜土曜)
①→②へフライト 45分(約300Km)、金曜の午後
②→③へ陸路移動 3時間(約160Km)、土曜の早朝〜昼
③→①へ陸路移動 5時間(約300Km)、土曜の午後〜夜

前半約970Km、後半約760Km、合計で1,730Kmの大移動。
雨期には琵琶湖の15倍の広さにもなる、東南アジア最大の淡水湖トンレ・サップ(上記①・②・③の真ん中にある)を5日でほぼ2周。

長距離移動にはかなり慣れていたつもりだったが、久しぶりに体の芯に来る疲労度・・・。 

視察アテンドのいい所は、普段は慣れすぎて素通りしてしまう事象や変化に気付くことだ。 
行程途中、改めていろいろなものも見られたし、示唆に富む情報も得られ、諸々結果も良し、ということで充実した強行軍ではあった・・が、やはり適度に間が空いていた方がいい事は言うまでもなし。

本当にいろいろな気付きがあったが、いまだにまとめきれない状況。

気付きもまとめもなく、ただの「長距離移動で疲弊しました話」を長々と書き連ねただけになってしまった今回ブログ。

そんな話にここまでお付き合い頂いた方々に、せっかくなので参考情報を以下。
  ①=②をつなぐ国道6号線、改修工事エリアが全体の2/3以上(所感)
におよび、大変な悪路になっています。
陸路移動を予定されている方は御覚悟を。
  ②=③の国道5号線(シソポン=バッタンバン)、上記同様に悪路エリア
が広いです。
 上記①=②ほどではないですが。
・こんな感じでムリすれば1週間でカンボジア2週できます。

カンボジアを陸路移動するレアな方々にしかお役に立たない情報で恐縮です。。。
バッタンバン最大の精米工場。 他にも新しい精米工場が次々と。。

やはりいいレストランあるシェムリアップ

田舎から戻って来ると大都会に感じるプノンペン



2014/02/06

リッチな車の”引き寄せの法則”(私見)

カンボジア首都プノンペンの中心地ボンケンコンⅠ地区のハタ迷惑な名物の1つと言えば、お金持ちご子息様のお迎え渋滞(私見)。

月謝1000ドルはくだらないインターナショナルスクールで午前中の御勉強を終えられたボンボン御子息達の御下校を御出迎えする高級車達により引き起こされる慢性渋滞である。 
ボンケンコンⅠ地区、51番通り、いつもの渋滞スポット
御子息みなさまの御下校時間
近くに最近人気のランチスポットがあったりして、そこで昼食兼ねて打ち合わせ等の流れになると、わかっていてもハマってしまうこの渋滞。 
ちょうど平日11:45〜12:15あたりに慢性的に発生する困った自然現象である。

こんな事象が慢性化するのも、道は狭いわりに歩道が広く、自己主張もサイズも大きな車をドンと駐車できてしまうからだ。 

で、この(庶民からすれば)ハタ迷惑な道路事情は、大きな車を乗り回す成金富裕層カンボジア人の虚栄心充足衝動と微妙な共生関係にある(私見)。

ハタ迷惑(3回目)ではあるが周辺交通事情に致命傷までは与えない程度に、諸々大きな車達が寄り添う様にドカンと居座り、その大きな車に取り囲まれた状態になる、、という状況が、つまりはその場所が「ローカル成金リッチ層が集う場所」であるという事を容赦なく周辺に知らしめるブランディング効果を提供する。

で、そういう場所に、諸々大きな車が吸い寄せられる。 成金リッチ層が集まる構造がそこに醸成される。

こういうハタ迷惑(4回目)な「高級車引き寄せ構造」を、野放図に見えて実は意図的に演出する事が、ローカル成金リッチ層の集客に意外と効くのではないだろうか。


最近プノンペン近郊にできた今風なショッピングモールなど、いかにもリッチな人々惹き付けたいところだと思うが、、、さて駐車スペースに引き寄せの構造を作れているか。

プノンペンに最近できた今風ショッピングモール「TKアベニュー」

カンボジアとは思えない空間を演出中。駐車スペースの写真なくてすみません。。

これからも商業施設がどんどんできるプノンペン。
地下駐車場や立体駐車場など、敷地面積を有効活用したいという効率重視し過ぎた設計だと、意外とリッチ層が引き寄せられない、、かも(酔っぱらい素人私見)。