2014/02/27

夜の農地のイルミネーション

首都プノンペンでの業務を夕方くらいで手仕舞い、その日のうちに農業拠点の地方都市バッタンバンまでたどり着こうとすると、陸路移動5時間の後半はすっかり夜間ドライブとなる。

街灯もない真っ暗な国道5号線をひたすら北上する夜間移動の最中、ふと外を眺めると、暗闇の向こうにおぼろげで細長い白い光が無数に浮かぶ、えらく幻想的な夜景(?)を眺める事ができる。

国道5号線を走行中(夜)の車からのシーン。
 写真が貧弱で恐縮だが、幻想的な光源がもっと広がっている所も。

観光用のイルミネーション、、であるはずは当然なく、何かといえば田んぼの中に整然と並べられたコオロギ採りの仕掛け達だ。

コオロギを採る仕掛け。他サイトからの写真を拝借。。

夜、蛍光灯(?)の光に飛び込んできたコオロギ達は、つるつるなビニールシートにつかまる事もできず、あえなく下の水溜プールに落ちて成仏。
現地農家にとっての貴重なタンパク源、、というわけでもなく、まとめて市場で売るとそれなりの小銭稼ぎになるらしい。

昼間見るとこんな感じ(他サイトから拝借)

コメやキャッサバ等、あまり手のかからない農作物の栽培が主流であるカンボジア人農家達は、ありあまる時間をふんだんに使いながら、肥沃な大地の恵みを漏れなく換金する為のあの手この手を駆使する事に余念がない。

乾期に使う水をためておく貯水池には、必ずナマズなどの淡水魚を養殖(?)しながら小銭を稼ぎ(コメよりいい稼ぎになるという農家も・・)、田んぼに入って農作業する時でも、当然のようにカエルや小魚の漁を同時進行させる。
大きなトラクターを興味津々に追いかけて来る子供達、、では当然なく、
トラクターが走った後びっくりして飛び出して来るカエルや魚をGetするのが彼等の狙い

日本の約1/10程度の人口しかいないカンボジア国民に対し、日本の半分ほどの広さを持つカンボジアの肥沃は国土は、年間を通して農作物やらコオロギやらカエルやら小魚やらを気前良く振る舞ってくれる。 当然、食後のフルーツ類にも全くもって事欠かない。

明日食う物に困る(のが怖い)、という感覚を、とある特殊な異常事態であった十数年の期間を除くと、歴史的に体感した事がない(かもしれない)国民に、必死さと危機感を持って仕事に取り組んでもらうにはどうすればいいのか、、、。

車窓から夜の暗闇に広がる白いイルミネーション(じゃなくてコオロギ採り)を眺めつつ、ふとそんな事が頭をよぎりつつ、とりあえず無事バッタンバンに到着しました今宵。






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