2015/02/06

あれは3年前:プノンペン飲食事情の変化、ただしお客様側

カンボジア首都プノンペンから北西へ約300Km, 弊社農業拠点のバッタンバンに来ている。 昨年末から先月半ばあたりまではかなり冷え込む日もあったが、だんだん日差しが強く暑い季節に突入してきた感ある今日この頃。

カンボジアの気候は律儀にきっちり半年間ずつ雨期と乾期に分かれている。
例年12月から雨の少ない乾期に入るが、前半3ヶ月(12月〜1月)は涼季とも言われ、日中でもそれほど温度はあがらず(摂氏25℃〜30℃・・くらい?)、朝晩あたりはむしろ冷え込んだりする。 
TukTuk(客車付きバイク)など外気に触れる乗り物に乗っていたりすると、肌寒いを超えて長袖や薄手のジャケット等を着ていないと結構ツラいレベルの寒さになる事もある。

後半3ヶ月(2月〜4月)は暑季とも言われ、いわゆるイメージ通りな暑いカンボジアの季節だ。 あの3月、4月のうだるような暑さがまた来ると思うとゲンナリするが、7、8月の東京をスーツ姿で動き回る(by電車and徒歩)のに比べれば至極快適なレベルである。

・・・と、東京に出張していた事もあってやや(というかかなり)脱線した前3稿から、本稿の主眼であるはずのカンボジアネタへの回帰を図るために、軽めに現地のお天気の話から冒頭入ってみたりしたが、文章にすると思ったより長引く事が判明・・。
まあ、試行錯誤を繰り返していこうと思う。



で、本稿は久しぶりにプノンペンの飲食事情のお話。


プノンペンの美味しいシリーズ1:「秀ちゃん亭」の担々麺。 味噌ラーメンに並ぶ看板メニューの1つ。


1月半ばの東京出張から帰ってきてみると、どうやら今年に入って新しいラーメン屋が4店、焼肉屋も数店、他にも天ぷら屋や店頭販売の焼き鳥屋など、プノンペンでの和食屋さんの開業ラッシュが続いている、、というか勢いが更に増しているようだ。

昨年の8月、9月くらいから、意外と日本人客が和食屋に集まらない話や、新規開店の賑わいに隠れていた撤退組がやや目立ち始めた話、などを本稿でも取り上げたりした。

別に本稿で取り上げずとも、現地にいれば誰の目にも明らかな状況だったので、おそらくその勢いはやや落ち着いていくんだろうな、、などと相変わらず当たらない予想をしたりしていたが、当たらないという点ではやはり期待を裏切らなかった。

2号店オープンや既存店舗拡張の話もよく目にするし、その勢いはますます盛んになっている、気がする。
どうやらその道のプロ達の目には筆者のようなド素人には皆目見えない魅惑の大陸が広がっているようであるinプノンペン。


プノンペン美味しいシリーズ2:「バオバブ」のとろろ山菜そば。旧「すぎたつ」からオーナーも店名も店長も変わって、料理レベルが強烈に上昇。


飲食業については完全にお客側に位置している筆者的には、プノンペンにいながらにしてバラエティ豊かな和食シリーズが堪能できるし、だいたいの店は特に予約しないでもフラッと席に着く事ができるし、だいたいどの店も固定客になるかもしれない在住者には(オペレーションの巧拙はさておき気持ち的には)ホスピタリティ満点の対応を提供してくれたり多少のワガママを聞いてくれたりするで、大変ありがたい状況であることは間違いない。

この3年で眺めてみると、プノンペン和食マップの激変ぶりはやや異常事態の感があるが、一方のお客様側(多くのお店が主な客として想定している在住日本人)の事情や感覚もいろいろと変わって来ている・・ような気がする。


プノンペンの美味しいシリーズ3:「DASHI」の焼き秋刀魚釜飯。 海鮮丼も美味い。



ざっくり3年前と比較して、ああ、変わったな、、と筆者が感じる主だった事は;


新規出店が続きすぎて、新しいお店への興味自体が全般的に薄らいでいる。

3年前であれば、新しい和食店がオープンするとなれば、皆こぞって行ってみたものだし、オープン時に客が多く来すぎてオペレーションが追いつかない等の理由で味がイマイチと酷評されたり、日本人が監督している間は美味いとか言われてみたり、まあ良くも悪くも話題にはなった。

が最近、結構目立ってオープンしたのに評判が聞こえて来ない店が現れ始めた。

目立ってない店などは存在すら知られてなかったり。 で、知ったところで「そのうち行ってみよう、、、と思いながらまだ行ってないんですよね。」とか「行こうと思っているうちに店が閉まっちゃって行きそびれました」とかいう話を聞く事が増えてきた。



単身赴任形の駐在者から、家族移住形が増えてきた。

日本企業のカンボジア(ひいてはASEAN)に対する本気度・期待度が増大していたり(≒ 人材・予算配分が増大していたり)、カンボジアの治安改善が情報として日本にもだいぶ浸透してきていたり、といった諸要因によるものだと思うが、カンボジアにとってはおおいに喜ばしい傾向である。
で、単身者であれば食事は外食が多くなるが、ご家族がいらっしゃればやはりご自宅での食事が多くなるのは必然だ。

また、現地採用される元気な若者達も増えた。
 
彼等は体験・経験重視の低価格(薄給を厭わない)戦略で現地企業にアピールするし、生活費を切り詰めたサバイバルライフをむしろ貴重な体験として楽しんでいる(ようにも見える)。 彼等の主食は主にローカル屋台系(か同等予算で済むもの)となる。

在住日本人の全体としての人数は、家族移住形 + 元気な若者 の急増で大きく増えているはずだけど、「和食屋さんの顧客となる外食層は?」という切り口で眺めてみると、案外減ってきているような気がしないでもない。



3年前の今日あたり(2012年2月頭)の為替レートは、1ドル=80円前後であった。

日本円ベースの給料をドル転してもらって生活している駐在者にとっては、例えばカンボジア現地に割り当てた月給手取りが12万円だとすると、3年前当時のレートでの米ドル換算では1500ドル。

で、2015年に入った昨今、1ドルは120円あたりを推移している。 上記12万円は、米ドル換算で約1000ドルにまで目減りする。 
昇給を考えなければ、為替インパクトだけで500ドル減。  日本人が現地で住む中級レベルのサービスアパートメント家賃1ヶ月分が吹き飛んだような感覚だ。

真っ先に節約の対象になるのは、、、やはり外食費か。


プノンペン美味しいシリーズ4:「だんらん」の天丼。 看板メニューはうどんだが、筆者的には天丼推し。



この1&2&3の組み合わせは、きっと相互に影響しあって相乗効果を生んでいる。

日本からご家族が引っ越してきて、円安で給与手取りが目減りして、しかも前ほど和食店に惹かれない、、となれば「今日は家で家族とご飯を食べようかな」という意思決定が定常化するのは必然的な流れである。
イオンモールも開業し、主に外国人向けの生鮮野菜店なども増え、自炊環境が大きく改善したことも、この事態に拍車をかける大きな変化の1つだ。

和食屋さんに日本人の姿を意外と多くは見かけない(当然、店にもよるけれど)、、とたまに筆者が感じる感覚が事実だとすると、その要因は上記あたりにある、のかも知れない。


そういえば、ちなみに筆者は 悲しい事に おかげさまでカンボジアでは昔も今もこれからも自由気ままな単身暮らし、かつ筆者に円の給料を払ってくれる方は誰もいない。 
上記2、3に当てはまらない、もしかしたら今やレアキャラinカンボジアなんではないだろうか自分。

まあ1については筆者もご多分に漏れずの感覚で、新規開拓意欲がやや減退中である事は否めない。 何せどんどん新しい店が出来るので、全部回ろうとは流石に今は思わなくなった。

しかし好きなお店には結構通います。しかも自分で料理を作れません(涙)。 
ということで、プノンペンの和食屋さん皆様、悲しい 愉快な単身者にどうか優しくしてくださいw


プノンペン美味しいシリーズ5:会員制居酒屋「海賊酒場」の厚切りタンとハツ。 肉のプロによるカンボジアローカル牛肉料理は絶品。


※ 写真は筆者が個人的に美味しいと感じたプノンペンのお店の料理で、かつちょうど写真が保存してあったものをランダムに列挙しています。 ここに挙げた以外にも美味しく好きな店はけっこうあります。



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