2015/02/26

カンボジアのとある日常 at ガソリンスタンド in バッタンバン

いつもいつでも常日頃、面白おかしい経験・体験を惜しみなく存分に波状攻撃的に提供してくれる我らが農業拠点バッタンバン。 カンボジア北西部の片田舎である。

・・と冒頭からウタったわりには意外と平穏に時間が経過してくれていた今週のバッタバン滞在期間。 

いつもはだいたい、細かいんだけど意外と面倒だったり、大きなショックまでには至らないんだけど心の柔らかい所に直接小さなひっかき傷を残してくれたりするプチ事件達が、会議室でも現場でも同時多発的に群生していて、その全てのプチなヤツらに対して、ものすごく悩むわけではないんだけど無視できない程度にCPUを浪費するプチ大岡裁きを流れ作業的に下していかなければならないんだけれど、今週はそれがほぼ全くない無風状態にむしろ居心地の悪さを感じていた、、、頃にその小さな小さなお話は生まれました。

そのお話の舞台はバッタンバン市内の北寄りに位置するガソリンスタンド。

どこかで見た事あるような気がしないでもない「My Family Mart」というコンビニのような雑貨店を敷地内に擁する、バッタンバンに詳しい人なら誰もが知っているスタンドである。


この店(写真奥のコンビニ風店舗)が出来た当初は、看板にある店名の頭に「My」が付いていなかった、というのは本当の話である。

ちょっと細かい(いつもどれもが何もかも細かい)理由があって、弊社営業部隊がふだんド田舎回りをするに活用している業務用社用車を使って移動していた(運転手は筆者)。

営業部隊が費消するコストをいつも限界ギリギリ(の少し右斜め下)まで切り詰める豪腕管理部スタッフ「N」(カンボジア人女性)の尽力のおかげで、案の定ガソリン残量を示メーターがほぼゼロの水位に張り付いており、まあやむをえず件のガソリンスタンドへ。



仕事してます感をあます事なく漲らせる我らが社用カー。 いつもお疲れ様です。


満タンにすると管理部スタッフ「N」にむしろ怒られるので(「ガソリンがたくさん入ってるとアクセルふかすんですよヤツらは!」的に)、20ドル分くらい入れておけばいいだろうと思い、スタンドのお兄さんに「ディーゼル、20ドル分」と発注。


筆者:「ムペイ ダラー、OK? (20ドルね、OK?)」 
お兄さん:「OK、ムペイ。 (OK、20ネ)」 
(繰り返し X 3、4回)


そして案の定、給油機のメーターが「20L(リッター)」を指したところでお兄さんはいったん給油をストップ。

シェールガス・オイルが市場を席巻する事に恐れをなして原油価格を大幅に引き下げている(らしい)サウジアラビアを中心としたアラブ産油国のおかげで、カンボジアでもガソリン価格は心地よいレベルにまで切り下がっており、今日夕方時点のディーゼル価格は0.83ドル/L。

(まあ、20ドル分じゃなくて20リッター、でもいいか、、20L X 0.83ドル/L = 16.6ドルだから、細かい御釣り面倒だけど3.4ドルもらって帰ろ・・)と筆者の心の声。

しかしここでかのお兄さんは、20ドル札と給油機のメーター(値段は16.6ドル、量は20リッター、と表示)を何度も何度も見比べている。

そして、かの「My Family Mart」に入って行き、カウンターの女性スタッフと何やら相談を始めている。


何度言っても回復しないままの右サイドミラー。 こんな状態で運転してはいけないよ、とのたまう社長自身が運転してしまっていては説得力も半減。

つのるイライラ。 車を下りて滅多に立ち入らない「My Family Mart」のドアをくぐる筆者。 

女性スタッフ:「ディーゼル20ドル? ドウシマシタカ?」

筆者:「20ドル分って言ったんだけど、20リッターしか入れてくれなかったんだが、20リッターでもういいから、20ドル引く16.6ドルで御釣りを3.4ドルくれ  (= = # )」

女性スタッフ:沈黙(やれやれ感)

お兄さん:沈黙(瞳に砂時計)


・・・・詳細は省略するが、常識的な日本人皆様には極めて当たり前で簡単に見える上記の主張を、英語で新興国(非英語圏)の一般ピープルに伝えるのは、非常に高度な英語力と高邁な精神力が必要だ(当社比)。

おそらくカンボジア人と丁々発止のやりとりを日々体感されているカンボジア在住日本人の方々であれば、上述状況の「あ、ハマった・・」という感じを共感頂けるんでは、、と思う(願う)。

(たった3.4ドルのためにこれ以上拘束されても、、いや、社用車の乗車と給油記録キッチリつけて領収書持っていかないと「N」に怒られるし・・うーん・・)と筆者の心の声。

その間に、何故か外にいたバイクタクシーの運転手さんまで参画し、筆者以外の利害関係者達(女性スタッフ、お兄さん、運転手)がクメール語で何やら協議を重ねたあと、ふいに店外に出て行くお兄さん。


そしておもむろに給油を再開。

で、領収書に何やら書いて筆者に差し出すお兄さん。


・・・・・。 通るかな経費として。。


「オークン(クメール語で「ありがとう」の意)」とだけ告げて車に乗り立ち去る筆者。

ああ疲れた、アンコールビールをパシュッと開けて飲もう・・・・と思いました。 おしまい。

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