2014/04/24

危うく違法薬物指定(?)in バッタンバン

カンボジアの情報発信を中心としたブログ、として今年頭からこの「”万”情報局」をスタートして約4ヶ月。

今回が24回目なので、平均すると月6本、2週間で3本のペース。 
多くもないけど少なくもない、というペース、、だろうか(いや、少ないか、、)。

いざブログを初めて見ると、意外な自分を発見したりするので(とはいえ周りからは「いやアナタはそういう人ですよ」と言われたりするので、いかに自分で自分をわかっていないか、だが・・)、それはそれで(特に生産性はないけれど)面白く感じたりしている。

で、自分的に意外なこと(の1つ)は、食べ物ネタが極端に少ない事。 

バッタンバンでイチオシのクイティウ屋(カンボジアの麺)を紹介しただけ(15回目のブログにて)。
前回までで数えると23分の1である。 
23分の1(約4.3%)、、何も気の利いた他の例えも思いつかない数字。

サケを飲んでメシを楽しむ(但しコスパ超重視)くらいしか趣味がないはずなのに、この少なさはかなり想定外。

ブログ開始当初は(自身のフェイスブックみたいに)食べ歩きネタばかりになったらどうしよう、、とか思ったりしたが、とんだ杞憂でした。

今回をメシネタにすれば、24分の2(=12分の1)。 
その後30回目までにもう1本いれれば、30分の3(= 10分の1)。
ようやく1割はメシネタになるか。 

・・・ということで、今回はバッタンバンでイチオシの餃子屋のご紹介。 


前置きが長い。すみません。 
もう言葉は不要、ということで以下、写真&プチコメント。

バッタンバンに来たら食べざるを得ない、C++(Cプラプラ)級グルメ。
違法薬物指定を受けたハッピーターン(出所:虚構タイムス)的な中毒性を発揮(対筆者)。

衛生面は度外視して連日満員御礼withヨーロピアン。

なぜかヨーロピアンを惹き付けてやまないココの餃子

カンボジアの片田舎の中国人の店に集うヨーロピアン達。
餃子を介した異文化コミュニケーション。

昼もヨーロピアンで満員御礼。

実は結構な集客効果を発揮している(気がする)看板娘、(たぶん)この店の家族のお嬢ちゃん。
ご機嫌な時はキレキレなダンスを披露。 ご機嫌ナナメな時は客(ヨーロピアン)があやしてくれます。

ヤキソバもチャーハンも美味い。。。これも中毒性が高い感じ。

「Dry Noodle」という括りの、ヤキソバではない汁無し麺もあり。 意外とハマる。

とはいえ、やはりイチオシはこの餃子。 なぜかホント美味く感じる。 なぜだろう。

いつもお世話になってます。
いつもあなたの背中を見ながらアンコールビール&餃子タイムinバッタンバン。

バッタンバン市内Road#2、有名店「White Rose」(たしか地球の歩き方にも載っていた・・はず)の並び。  
店名はわからないので、店頭外観(2つ目の写真)を探す感じで。

中毒性の高い(私見)C++級中華を楽しみたいヒト、もしくはバッタンバンでカツンと飲食系ヒットを狙うヒト、Check it Out ♩


2014/04/20

早起きは三文の得(?):カンボジア中古車市場

今やすっかり朝夕の慢性交通渋滞が当たり前の風景になってしまったカンボジアの首都プノンペン。 

3〜4年前くらいまでは、高級な新車(主にトヨタのランドクルーザー&レクサス)しか走ってなかったのに、最近はカムリやカローラなど、庶民的なセダン車が妙に幅を利かせ始めたカンボジア各主要都市(というか町)。
なおトヨタ車が断トツに愛され続けている事は今も昔も変わらない。

カンボジア人が「ガラージ(Garage)」と呼ぶ中古車屋。
市内にあちこちあり、毎週末早朝コンテナが到着、人々が群がる。。(内容後述)


ランクルを5、6台(家族1人に1台ずつ、とか)買える天上人か、チャリしか持ってないほぼBOP層(Base of Peramid → JICAさん等の予算がいま積極的に支援しようとされている対象)か、の極端な二極化だった時代(比率は1:1000くらい、、は言い過ぎか)は、とうに過去の話。

昔は比較対象(≒ 羨ましいと思う相手)にすらならない雲の上の人々しか持っていなかった自動車が、「近所のアイツがカムリ買いやがった最近」というレベルの高度まで下りてきてくれた。

その事が、カンボジア人の消費意欲(≒ 嫉妬心 × 虚栄心 + マイクロファイナンスのパンフレット)を活性化し、それと反比例的に主要都市(町)の交通機能をマヒさせてくれている。 


ニコニコ自動車ローン全盛な今、天上人未満・ほぼBOP層超、の方々にとっては、新車でも中古でも、何とか手が届くあたりにフワフワと浮いてはいる。

とはいえ、彼等の欲望を気持ちよく満たしてくれるのは、やはり中古車市場である。 

中古車は値崩れしない、と誰もが思い込んでいる状況(だから実際に値崩れしない ≒ 信用創造効果)で、やはり彼等は「我こそ先に」とばかりに(トヨタの)中古車を(高利な借金と共に)抱え込む。

が、カンボジアに走る中古車は、そのほぼ全てが事故車・欠陥車だと言われる(某専門家のコメント)。 

悪貨が良貨をあっという間に駆逐してしまった(というかそもそも良貨が入ってきた事があったのか・・?)、典型的なレモン市場(←リンク読み飛ばし可)と化してしまっているカンボジア中古車市場。

良い中古車が存在していた期間が極めて短い(≒ ゼロ)ので、売り手も買い手も選球眼がない。 目利きが培養される期間がほぼなかったからだ。

一般的なレモン市場の特徴と言われる「情報の非対称性」とは、売り手の情報>>>買い手の情報、という状況の事だが、カンボジアは「どっちも良くわかっていない」状況に極めて近い(私見)。

売り手は高く売りたい。 買い手は安く買いたい。 
でもホントウはいくらが妥当か、お互いよくはわからない。

そんな売り手と買い手の売買ゲームが、結果的に行き着いた所(現状)は:

「水揚げの時に生の状態で、自分の目で見て即断即決、お互い後で文句は言いっこなし」

という「卸売市場の競り」的な究極の競売方式だ。

週末早朝、ガラージにてコンテナから運び出される、
まだカンボジア人の手には触れていない「生」中古車達。

売り手が手元でいろいろお化粧する事もナシ、買い手が試乗やら何やら評価して値踏みする事もナシ。 

コンテナから出したそのものを見て、その場で即決、即金払い(手付金を払えば少しは待ってくれる)。 複数の買い手がいたら、高い値を着けた方が競り落とす。

ちなみに売り手は、コンテナから出て来た車の値段を、エンジンとか中身確認する事なく、車種と年式だけで提示していた(筆者が見たところ)。

その提示に対し、バイヤー(仲買人&事情通な個人客)はいろいろと車の中身を覗き込み、何かわかったような顔をしながら、買おうかどうか考えている(ように見えた)。

水揚げされた「生」中古車の中身(エンジン等)を覗き込む仲買人達(&事情通な個人客)。
果たしてホントウに目利き評価できているのか。

だいたい毎週末(土日)の早朝にコンテナがガラージに届く。 朝一で到着し、その場で卸され、その場で競りが始まるので、要は早いモノ勝ちだ。 ただ時間が決まっているわけではないので、バイヤーは早くは来るものの結構待たされる。 

コンテナから出される作業も当然ゆっくりなので、なんだかんだ午前中一杯は拘束されるバイヤー達。 とはいえ彼等も基本ヒマな方々なので、双方文句が出る事もなく、ゆったりとした競りは続く。

コンテナから卸す作業は何故か一台ずつ。 何人か作業員いるから同時に出せば早いのに、、と思うが、文句をいう仲買人はいないので作業ペースに変化はなし。

コンテナ初出しのタイミングをのがすと、ガラージ業者が、エンジンを見て修理したり、内装をキレイにしたり、など手間をかけて、その分値段が上がるらしい。
だからバイヤー達は、業者が余計な手を出す前の「生」中古車をアサりに、毎週末の早朝、掘り出し物を目がけてガラージを訪れる。

無駄足に終わる事も多いとは思うが、巡り合わせがよければガラージが数千ドル上乗せする前の活きがいいナマモノを産直価格で購入できる。 期待値を掛け合わせても、三文以上の価値はありそうだ。

カンボジアの中古車市場の風景は毎週末、入場料タダで見学可能だ。 ただ写真撮影は基本ご遠慮頂きたい、とのこと。 
※今回ブログの写真は、ガラージ業者さんと目配せしつつ、怒られない範囲で撮った写真です。

観光資源の乏しいプノンペンだが、ここが築地的な観光訪問先になるには、、地味過ぎるか。

コンテナの中で出待ちの「生」中古車。これが数日後(数時間後?)街中を走り回る。
プノンペン内を運転される方々、くれぐれもご自愛ください。

2014/04/16

たぶんズルズル引っ張る話

4月中旬がお正月なカンボジア。 多くの国民が心待ちにしている(数ある)長期連休の1つである。

なぜ4月なのか。 お釈迦様が生まれたのが4月あたりだから、とか、農業的にヒマな時期だから、とか、諸説あるが、年に3回お正月を祝う(1月1日、中国の春節、と今)カンボジア人にとって、本来自国の正月がこの期間だ。


おめでたいクメール正月最終日の本日、日経朝刊でいい感じの記事が出た。 

タイトルは『東南ア「関税ゼロ」財政に影 』。 日経お得意の「前途に暗雲が立ち込めてます」系の記事だ。


記事には、「東南アジア諸国連合(ASEAN)経済統合に暗雲をもたらす『財政の2018年問題』」、とある。 

結構ツボを付いた指摘をしている(私見)と思うが、さすが日経の命名力、「2018年問題」という言葉は筆者的には初見である。


ASEAN経済統合とは、ざっくりいうと、ASEAN 域内の、ヒト・モノ・カネの流れを自由化させましょう、という話。 
詳細説明はいろんな所で出ているので割愛。

ヒトでいうとVISA, モノでいうと関税、カネでいうと諸々投資規制、あたりを主に撤廃していけば、いろいろ便利になってASEANが活性化されますよ、という話。 総論で異を唱える人はまずいない。

が、この話、各論となるとかなりややこしい(はずだ)。 

外国人からおカネをなんとか搾り取りたい東南アジアにとって、域内のヒト(当面、東南アジア人だけ?)の行き来のVISA撤廃は無問題。 投資規制の緩和は(もっとおカネが入って来るから)むしろアリ。  問題はモノの方、つまり関税だ。

今回の日経記事の(筆者的には)ポイントは、前から「誰か表にしてくれないかな」と思っていた以下の図をカツンと作ってくれたこと。

日経記事より。 なんて関税頼りなカンボジア。。


基本方針として、ASEAN先行加盟国は2010年までに、後発加盟国は2018年までに(2015年だったはずがいつのまにか3年伸びていた)、まずは域内関税撤廃、とある。

ちなみに;
先行加盟6カ国:ブルネイ、インドネシア、フィリピン、マレーシア、シンガポール、タイ
後発加盟国4カ国:ベトナム、カンボジア、ラオス、ミャンマー


以前のブログで書いた通り、関税とVAT(付加価値税≒消費税)で国の歳入の6割をまかなっているカンボジアにとって、ASEAN域内とはいえ関税撤廃というのは容易ならない事態である。

海外との接点である港はまだいいが(域外からの輸入は活性化するだろう)、域内の陸路国境の伏魔殿の方々の食い扶持はどうなるのか。


彼の国々にとって、外資企業の法人税を下げる事は全く問題ない。 
そもそも徴税能力が大して備わってないし(日経記事にも「問題は税金の取り立て能力の低さ」とある)、ハナからあまりアテにしてないのだ。

カンボジアの税務署にいたっては、現状であっても既存外資へ税務調査での主なツッコミどころは法人税ではないし(詳細は割愛)。

「ヒト・モノ・カネの流れがより自由になり、法人税も安いですよ」という呼び込み文句で、数多くの外資系におカネを落としてもらいたい一方、カタい食い扶持はなんとか確保しなければならない。 
その最たるものの1つはモノ(関税)になる気がする。

各国、その他の財源確保にも余念がない。

同じく日経記事より。 大臣の豪邸は更に立派になろうとも、
国的に苦しい財政は続く。。

記事によると、ベトナム政府はアルコール類やたばこにかかる税率を引き上げる考えで、たばこは現行の65%から75%に、ビールやワインは50%から65%い、新たに炭酸飲料にも課税するとのこと。

ラオスは10年に10%の付加価値税(VAT)を導入したし、カンボジアも自動車などぜいたく品への特別税の引き上げを検討している、らしい。


ASEANは依然として「コンセンサスによる意思決定」や「内政不干渉原則」を堅持している。 

各論の施策は各国判断に委ねられているし、互いを尊重する形で遅延による罰則などは明確化されてない(する気は多分ない)。


「大きく成長する6億人市場」をアピールして「先行投資誘致」につなげつつ、とりあえず来させておいて(逃げられないようにしておいて)、各論(具体的な税制とか)の調整はズルズルと引っ張る・・・という、新興国お得意の戦法がくっきりと浮き彫りになっている、すでに。

先行6カ国(インドネシア、マレーシア、シンガポール、タイ、ブルネイ、フィリピン)が昨年末時点で対象品目の99%の関税を撤廃している、というのは実はホントにすごい話だ。 が、後発4カ国はきっとそうはいかない気がする(私見)。 

でもこの先行優等生組の実績が、呼び込み文句に1つ説得力を与えてしまっている。

むしろそれを狙った布石としての実績作りなんじゃないか、、という邪推も可能だが、もしそうだとしたら、そこまで長期的視野で徒党を組んでる彼等には到底太刀打ちできないな、、たぶん。 


2014/04/12

顧客志向もたいがいに。。

前回ブログで、単なる冒頭ネタフリだけのつもりが、書いていたら(溜まっていたせいか)案外長くなってしまって、それだけで本文となってしまった「クメール・ストレス」のお話。 

真面目(?)な事をクドクド書くより、ああいう話の方が多くの人に読んで頂けるんだ、、というブログの世界を勉強させて頂けて感謝です。

でもまあ、たぶん今後も、本ブログのメインは真面目(当社比)でクドい話になる、と思うが、、まあ方針はいまだ流動的です。


さて、前回のブログで本来書きたかった、筆者を最も悩ます難儀なクメール・ストレスとは、一言でいえば彼等の「イイ人君」っぷり(ただしカンボジア人に対してのみ)である。

頼もしくもあり、かわいくもあり、時にかなり小憎たらしい、
弊社期待の「イイ人君」達。 そう、原因はヤツらだ。


なぜかどうしても、カンボジア人のお客様やら業者さんやらの側に立って、彼等の立場に立った主張(≒ 会社の利益が減って、相手の利益が増える類)を目をキラキラさせながら展開。

商売相手のカンボジア人の都合や気持ちを重視しすぎる「イイ人」クン達が、すがすがしいくらいにストレスフルに「顧客利益重視」な要求を直球で投げ込んで来る。

こういう青臭さ漂う事を書いたりすると、カンボジア熟練な方々が、可哀想なヒトを見るような遠い目をしながら、

「それはヤラレてるんだよ君。。」

・・と軽い嘲笑を浮かべつつ、つぶやかれるお姿が目に浮かぶ。

お客さんと値段交渉。 なんか仲間感漂う笑顔な会話。

確かに「それは相手(顧客・取引先)カンボジア人と結託して、会社から高値を引き出した上で、相手からの分け前にあやかるフトドキモノですよ」と切って捨てるのはたやすい。

おそらく筆者が他人(例えばカンボジアに来たばかりの方)から同じような話を聞いたとしても、同じような遠い目をしてしまう、かもしれない。  

とはいえ一応筆者としても、カンボジア人達と約5年半にわたり珍道中を渡り歩き、一通りの辛酸は舐めさせて頂いているし、しかも困ったイイ人クン達は、本人も家族もそれなりに存じ上げている幹部スタッフ達だ(弊社勤務年数 3年〜5年)。 そう簡単にはダマされない、、つもりなのだが(自信いまだナシ)。

まあ、どんな話で困っているのか、具体事例を以下。。;


弊社のバッタンバン主力事業に中古農機の販売がある。

極力品質のいい中古農機(主にトラクター)を仕入れてきて、カンボジア人農家に販売。 その後の修理サポートも手厚く行なっている。

当然、所詮は中古だから、カンボジアの荒れた農地で使っていれば、必ずガタが来る。
そこで修理(部品)を提供しながら末永くお付き合いさせて頂く、というモデルなわけだが。

以下、弊社期待の星である幹部A君とのやりとり、ほぼ実録である。

オクラも担当していたA君。 乾期の間はオクラはいったんお休み。
今は農機の販売展開に猪突猛進中。


幹部A「社長、この前仕入れた中古農機ですが、機械内部のチェックをメカニックにさせたいと思います!」

社長「(うわ目がキラキラしてる・・)仕入れた時に、機械の状況について、最低限のチェックはしたでしょ?」

幹部A「しましたが、メカニックが改めて分解して中を見たところ、ギアがもうすぐスタれてしまうので、納品前に変えてあげた方がいいと思います。」

社長「(もうしてんのか、、しかも分解まで。。あ、時制酔い(※前回ブログ参照)来た・・。)でも、この前その農機を見にウチに来てくれて、買う事決めてくれたお客の農家さん、もうモノを見てOKと言ったんでしょ? 中古品であることを納得の上で。」

幹部A「はい。でも使ってみてすぐ壊れたら、お客さんががっかりします。」

社長「ちなみに何で分解したの?  お客さんはモノみて納得した後でしょ?」

幹部A「はい、でも納品前に、一度もっと詳しく見た方がいいかと思いました。」

社長「でも、お客さんが使ってみて壊れた場合、ウチのメカニックが補修・修理アフターサービスさせて頂く事も説明したんでしょ?」

幹部A「はい。お客さんも喜んでくれてました。」

社長「なあA君、納品前に、お客さんから文句言われてもない部分を、勝手に修理しても、それはウチに費用がかかって、お客さんには請求できないよね?」

幹部A「はい。」

社長「でももし、納品した後、そこが壊れて、修理サービスをしたら、それはウチの売上になるよね?」

幹部A「はい。」

社長「しかも、お客さんは、安い中古だから新車と違って壊れやすいことを納得して注文くれたんだよね?」

幹部A「はい。」

社長「では、先に納品して、後で本当に壊れたら、すぐに修理してさしあげてはどうかな? 事前に壊れそうな部を分かってるから、早く治せて、お客さんも感心してくれるんでは?」

幹部A「でも、きっとすぐ壊れるし、そうなったらウチの評判が悪くなると思います。」

社長「(・・・)でも、中古はある程度すぐ壊れるものだし、だから安いわけでしょ? うちもそれを踏まえて安い値段でお売りしているわけだから、評判が悪くなることはないのでは?」

幹部A「でも、品質のいい中古を提供する方が、ウチの評判も良くなり、お客さんも増えると思います!」

社長「・・・。(どうしてくれよう マジで・・( #))」


疲れる、ホントに。 


普段は頼もしく、かわいく、そして時にイラッと来る
彼等のどや顔。

小ウソをついたり、わかってないのにわかったフリしたりするのを、改善指導するのはむしろラクだが、この真っ当なイイ人論に基づく主張を変節させるのは、かなり面倒くさい。 
会話(説得)に時間がかかり疲弊度が高い割に、極めて非生産的なタスクである。

この話、仮に性悪説に立った(Aが客と握っているかも疑惑)としても、A君の「実入り」は実質ないはずだ。
部品の値段なんてたかが知れてるし、弊社としても仕入れ価格・販売価格も決まっていて、キックバック云々の余地はほぼないからだ。

純粋に、お客さん満足向上させて、今は損(自腹で修理)してでも将来の得(レピュテーション向上→顧客増)を取ろう、、という、どこかの薄いビジネス本かネット情報でCS(顧客満足)的な話をかじってしまったばかりに投げ込んできた、としか思えないド真ん中直球ストレートである。

しかもここ、適当に見逃したり、流したりでもしたら(社長的に)致命傷になる所である。 

A君の主張自体は、薄くても一応まっとうな顧客志向ロジックに基づいているから、なぜそうではなく会社利益を重視すべきケースなのか、ガチンコにビジネス的な理屈で打ち返さないといけない、しかも納得させて意見を変えさせるように。。

「いいから言う通りにしろ」系の強行突破は、社長的に実行する権利を持ってはいるが、行使してはならないオプションだったりする。 特に「自分は優秀」と「隠れ自認」している彼等(≒ ほぼ全てのカンボジア人)に対しては。。。


上記は最近起こった実例だが、この手の話が非常に多い。

その度に「イイ人君達」が利益を代弁してくれる対象は、オクラ農家だったり、内装業者だったり、雇った車の運転手だったり、と様々だが、事の本質は一緒である。

やはりウチが(カンボジアから見て)外資だからだろうか。 外資に働きながら地元カンボジア人のためになる事にまい進する事が、彼等の自尊心をくすぐったりするんだろうか・・。 

仮にそうだどしても、総論はおおいに賛成だが、各論でちょっと歯止めかけたい中小企業社長の悩み。
まだまだ理解できない事が多いなクメール文化・・。


本当に体の芯から疲れるこの類の会話。 トークが極めて長くなるので、はからずも英会話のいい訓練になってしまっていることだけは間違いない。

思い出しながら書いてたら、あの時の疲れがぶり返してきてしまった。。。 

今回もまた尻切れトンボで恐縮だが、どうやってA君を説き伏せたか、たいした話ではないが他にネタがなければまた次回。。。