2015/01/26

日本発 ”禁じ手”的な有効打(1)::欧米メディアが賞賛した日本のイスラム国対応(備忘録)

いつもよりやや長めの日本滞在10日間で、けっこうすごい事なんじゃないか、、と感じた事を備忘的に書き残そうかと。。恐縮ながら、カンボジアとは全く関係ないお話となります(^^;

イスラム系過激派武装犯罪組織「イスラム国(以下ISIS)」が日本人を誘拐、殺害予告、身代金要求していた事件について。 
直近情報だと、殺害が実行された可能性もあり、要求も身代金ではなくなっているようだが、まあ事の推移を追いかけるつもりはない。

なお、道義的な是非論やら責任所在論やら事態に対する人道・倫理的な意見や配慮にも一切立ち入らない。 
結果、もし本稿において不謹慎な言い回しに感じられる箇所がございましたら、、謝ります<(_ _;)>


何をすごい(かも)と感じたかというと、今回の事件で、日本の政府と国民(の一部)がとったアクションが、あくまで結果的にだけれども、この手の犯罪組織の暴挙に対する極めて有効な戦術(しかも再現性あり)になっているんではないか、、と言う事。 
それこそ、他国からも、ある種の攻略法として、今後参考にされそうなレベルで。


先週あたりからネット上でも話題になってきているが、拘束された日本人2名と黒装束のテロリストが登場する殺人予告動画を、日本人が面白おかしく加工して、「ISISクソコラブランプリ」と題したタグをつけてツイッター上で拡散させている。

クソコラ」とは「クソみたいなコラージュ作品」の略とのこと、らしい。
具体的には、件の予告動画を加工して、黒装束と人質の顔を入れ替えてみたり、他のアニメキャラに入れ替えたり、と面白パロディ的に作り直して発信しているようで、そのグランプリ参加者がかなりの数にのぼり(その拡散数も)、その方面のツイッターアカウントがいわゆる炎上騒ぎになっているらしい。
(ISIS、クソコラ、あたりの単語でネット検索すればたくさん出て来るそうだ)

当然、「人命がかかわっているのに、不謹慎極まりない!」などの人道的・道義的な非難の嵐が巻き起こりそうなネット系若者達の愚行・蛮行、、ではあるが、なんと欧米系のメディアで高く評価され始めて来ている、らしい。

欧米メディアいわく;
「お決まりで時代送れのテロ反論プロパガンダしか繰り出せず、1枚上手なISISの手のひらで転がされている欧米政府よりも、よっぽど有効なISIS弱体化政策を日本人のクソコラが成し遂げた」
みたいな。


ISIS(の類の組織)の狙いと戦術は極めて単純明快だ。
以下の図式で日本(他国政権)に「どちらをとっても負け」の選択肢を強制的に突きつけ、どちらを選択しようが勝利宣言を唱い、他国政権・国民(ひいては世界中)に対し自らが「できれば関わりたくない非常に恐ろしい相手」であることを強烈に印象づけること(のはず)だ。

ISIS(の類いの組織)が想定している状況は下記である(思われる)。
ーーーーー
<状況①>
ISIS「XXまでに払わないと殺すけど?」 
  ↓
日本政府 ←先進国「テロに屈しちゃダメだろ(1)」
  ↑
日本国民「国民を助けないとダメだろ(2)」

払ってしまったら(1)的に負け(先進国ではいられない)
払わなかったら(2)的に負け(政権与党ではいられない)
どっちも負けだけど、XXまでにどっちか選択せざるを得ない。
ーーーーーー 

このゲーム条件の状況下では(1)と(2)を両立達成する事は原理的に不可能なので、やられる側(ここでは日本政府)のが合法的に打てる最良の打ち手は、そもそもこの状況に陥る事を徹底的に回避する事しかない。

しかし、日本政府は自らの意思で危険地帯に果敢に乗込む勇気ある国民の行動を制約する事はできないし、一方のやる側(ここではISIS)とすればそういう素材を利用して非合法手段(誘拐など)を用いれば簡単にこのゲーム状況を作り出せる。 

絶対的優位にいるプレイヤーが、一定条件(勇気ある他国民が自己領域内に存在している事,etc)さえ揃っていれば、負かしたいプレイヤーを相手にいつでもゲームを主導的に開始できてしまう。
勇気ある国民を抱えている先進国(この類の組織にとって真っ先に負かしたい相手)は、構造的に不利な状況に置かれていて、それを全てわかったうえで確信犯的にゲームを繰り返すISISのような組織は、かなり驚異的な存在・・だったはずだ。

それこそまだソ連があった頃くらいの大昔には、ジェームス・ボンドやイーサン・ハントが属しているような欧米先進国お抱えの非合法部隊 (超法規的機関)が、敵地に乗込んで人質を救い出したりする、という裏ワザが残っていた。

が、冷戦が終わって約四半世紀、彼等の活躍の場は激減しすっかりリストラされて久しい今、欧米にもおそらくそういうヒーローはもういないし、日本にはおそらく元々いない。


・・・という状況の中で、今回の日本および日本国民がとった戦術は、ISISの度肝を抜いたんではないか、、と思う。

ーーーー
<状況②>
日本政府「テロに屈しないけど、人命優先します」(粘る)
 ↓
ISIS「・・・」
 ↑
日本国民「ISISコラ、クソわろたww」(茶化す)
ーーーー

・・・・ちなみに現在、成田空港の搭乗口。 これからカンボジアに戻るわけだが、、搭乗時間となってしまった。  
日本で感じた事は日本で書き終えて行きたかったんだが、、まさかの続く(汗

注;タイトル含め、本稿も後で加筆修正するかもしれません。。。





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