2014/10/04

カンボジアセミナー講演あとがき:話せなかった「原因」について


先月末に東京で講演させていただいたカンボジアセミナー、平日午後のお忙しい中多くの方々にお越し頂き、また参加された方々から講演内容についての有難いご感想・フィードバックも頂いており、大変感謝しております。


「思う所」があってこちらから主催者側(アジア経営者連合会事務局)にご提案させて頂いた機会でもあり、話させて頂けるとすればその趣旨・内容も明確に決めてはいたが、その内容的にそもそも話すべきかどうか少し迷うところもあった。 

が、結果的にはお話させて頂いて良かったと思っている。

頂いたコメントやご感想には、ある意味想定通りというか、やはり類似する内容のものが多かった。 
代表的なコメントを(コメント頂いたご本人の承諾のもと)、以下そのまま抜粋コピペさせて頂くと;
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カンボジアへは数度、前職にて投資、出店のお話を頂き、訪問しましたが、

あの時現地日本人の皆さんが一様にしていた
『奥歯に物の挟まったような言い回し』や、

現地コーディネーターの
『何とも言えない、違和感』

私が感じたすべての『疑問』の答えを得ることができました。
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今回の講演、内容的には「カンボジア現地で深く覗き込まないと見えない生情報とその解説」に出来る限り比重を置かせて頂いた。 

お忙しい中時間を割いてご足労頂いた皆様に、講演時間が1時間程度という時間制約の中で、「来た甲斐があった」と思って頂くには、どういう情報を提供するのが良いか・・?

・・と考えた結果、やはり現地でしか知り得ない「事象」+ 出来る限りシンプルで分かりやすい解説、という組み合わせがきっと最も重宝されるだろう、と判断したわけだ。

つまり表面的に発生している「事象」を(あえて刺激的なものを選んで)お伝えする事に、意図的に比重を置いたわけで、結果的にその「事象」が発生している「原因」は何なのかについては深く言及しない(できない)形となった。


本ブログで「あとがき」を書こうと思った理由の1つは、講演でその「原因」に触れなかった事の理由について、特に何らか「触れるべきではない理由」があったわけではない(単なる時間制約による比重配分の結果だった)事を伝えたかったからだ。 


もう1つの理由は、やはり筆者が感じる所のその「原因」について、どこかでまとめておきたいだと思ったからだ。 そういう備忘録的なものを残したいときブログはとても便利だ。

なぜ日系企業のカンボジア進出が上手く行かないケースが多いのか、その「原因」について。  今回の講演の提案をさせて頂くきっかけとなった「思う所」の部分である(あくまで私見)。

それは「最初に出会った相手が悪かったから」とか「調査不足もしくは調査した情報に基づく経営判断ミスがあったから」などの個別事情的な原因ではなく、ヒトとヒトとが情報やりとり・判断・行動するにあたって構造的に陥りがちなワナのようなものだ、と筆者は考えている。


一匹のイルカが岸に打ち上げられて死んでいたら、その個体を襲った何かの不運を気の毒に思うしかないが、大量なイルカの死体が打ち上げられていたら、個体の事情ではない何か別の原因があるのでは、と勘ぐる人も多いだろう。

日本でそれなりに(個別様々だが)ビジネス経験がある事業経営者が、カンボジアでなぜ多く似たような状況に陥って、似たような事で悩むにいたるのか。 
経営者個人の力量や才覚の違いによる優劣が見えるフェーズよりもっと前の段階に、共通して陥りすい構造的なワナがある、気がする。


ちなみにそのワナを回避できたとしても、その後の事業が上手く行く保証になるわけではないが、そのワナにハマったら迷い込みがちな回り道(膨大な時間と予算と精神力の浪費)を回避できるとすれば、事業を進める上でプラスになることは間違いない。

そんな事を思うに至った事がきっかけで、先月の講演でお話させて頂く事になったわけだが・・・その構造的な原因とは何か、はまた次に。  引っ張ってすみません(= = ;)

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