2015/07/26

誰も教えてくれない「いったん飛行機降ります」にご用心:プノンペン→(?)→ハノイ

久しぶりに体感中、日本の夏の酷暑in東京。 暑い。。。

ジトッと重苦しい感じで暑い。強い日差しが肌を焼くような暑さはないが、地味にジワッと嫌な汗がにじんで来ながら次第に思考力が奪われていく感じ。 

この7、8月あたりの日本の真夏の暑さは他国に比べてもちょっと異質の酷さな気がする。 カンボジアの方が今の時期は明らかに快適だし、ドバイや香港あたりで駐在していた知人もこの時期の日本よりは各々現地の方がラクと言っていた。
 
あまり外回り仕事を詰め込みたくない時節である事は間違いないが、今回の出張は通常より長めな10日間。。。スーツ着て都内を動き回る週明けを今は想像しない事にする。


さて今回は、昨日日本入りした際に初めて利用した「プノンペン→ハノイ→成田」という乗り継ぎ便で、ハノイ到着前に初体験したラオス首都ビエンチャン空港での「一時降機」について備忘録。 
エアコンがあまり好きでなく、生暖かい空気を扇風機にかき回してもらってはいるものの、思考力が順調に奪われ中な東京自宅での投稿なので、まあウダっと書ける軽めな話題をw

ちなみに飛行機の「搭乗」の反対語にあたるのが「降機」らしい。
日本語的には本来「乗機」⇄「降機」が対語関係にあって、むしろ「搭乗」より「乗機」が正しい(?)らしいのだが、飛行機業界で「搭乗=飛行機に乗る」という使い方が長い事使われた結果一般化した、、らしい。 細かい日本語勉強になる事がたまにあるのもブログの良い効果である、と思う。


今回利用した便はベトナム航空で、以下が発着スケジュール。
プノンペン17:50発 → ハノイ21:00着
ハノイ翌00:25発 → 成田07:35着 (すべて現地時間)

同じベトナム航空のホーチミン経由便で似たようなルートがあるが、出発時間がハノイ経由に比べてだいぶ遅くなる。
プノンペン20:30発 → ホーチミン21:15着
ホーチミン翌00:15発 → 成田08:00着 (すべて現地時間)



で、上段のハノイ経由便で、実は「隠れ一時降機@ビエンチャン」が入っているわけだが、

プノンペン17:50発 →(ビエンチャン一時降機)→ ハノイ21:00着

この一時降機が航空会社から普通に発行される旅程(アイティネラリー)にもチケットにも全く記載されていない(はずだ)。


ということで今回一時降機させて頂いたラオス首都ビエンチャン空港。
筆者にとっても実は初のラオス入り(?)w

海外慣れしている方々であれば問題なくスルーするだろうけど、海外にも英語にも不慣れな方であれば相当アセるだろうな、、と思われる。

てっきりハノイで乗り継ぎだと思って構えていたら、聞いていた半分くらいの時間で着陸して、どこだかわからない場所に下ろされる。 不慣れな方の中で「ビエンチャン」という地名を聞いてすぐ「あ、隣国ラオスの首都ね」とピンと来る方はおそらくかなり少ないはずだ。


一時降機とはいえしっかりセキュリティゲートは通る。なおこのゲートは日本からの寄贈らしいw

しかも30分も経たないうちにすぐに出発。 ラオス語(たぶん)と英語で搭乗アナウンスされるが、右も左も分からずオロオロする中でこのあっさりアナウンスを聞き取るのはかなり難儀かと思われる。


ビエンチャン空港搭乗ゲートエリア。 海外旅行不慣れな方がいきなりここに下ろされたら「ここはどこ?」状態になることは必須(たぶん)

今回筆者は(滞在30分くらいであることも含め)事前に分かっていたので、売店を探してサクッと現地ビールを楽しめるくらいの余裕はあったが、それでもかなり時間はタイトであったという印象。


ラオスのビール「ビアラオ」。筆者は知人オススメのGoldラベルを♪ 米ドルが使えて価格は4米ドル。 
なお、お手洗いまで済ませようと思うとゆっくりと飲む時間はない

意外な形で初のラオス入り(まだ入国はしていないが、降り立ったのは事実w)して現地でビアラオ(Gold)を楽しんだあと、実に(たぶん)10年ぶりにハノイのノイバイ国際空港に到着。

そしてその変貌ぶりに驚き。。。。








こんなに立派になっているとは。。。後で調べてみたら、ここはおそらく日本のODAで大成建設が作り上げたターミナル2(2014年12月31日運用開始)だと思われる。 日本の円借款が原資だからアラブの国相手と違って日本の建設会社にも取りっぱぐれリスクはないし、さすがは日本の自作自演な底力(間違っていたらごめんなさい)。


ガラス張りのお手洗いから空港外を眺める。 10年前は空港出たらすぐ原っぱで牛が寝そべっていたのに。。



ビエンチャンに続いてハノイ地ビールで乾杯♪

今回はチケットや旅程に現れない「隠れ一時降機」でアセらないための有用情報にもなるかな・・との思いと、まあせっかく撮った写真を使いたかった事もありw、プチ旅行記的に軽めなアップとさせて頂きました。


ベトナムだけに、遅めの夕食はベタに牛肉フォー。


追加で頼んだ別の地ビールを見て、古き良きベトナムクオリティーを「不揃いのラベル達」に感じて何故かホッとする筆者


さて、やっぱり暑い東京で、今週もなんとかがんばります。




2015/07/16

人材活用最前線 in カンボジア:カンボジア人 or 日本人?

連休(による業務進捗停滞)によるストレスからすっかり解放されるカンボジア確変期間7、8、9月(2015年)がスタートして約半月。 
カンボジア零細事業経営者的には、数多あるクメール・ストレスのうちほんの1つからだけの解放とはいえ、ありがたさが身にしみる季節である(筆者だけ?w)。

ここ数回本稿の冒頭ネタで取り上げ続けた祝日ストレスもさることながら、多くの(カンボジアから見て)外国人経営者を悩ますクメール・ストレスの代表格はやはりヒトに絡むところだと思われる。

分かってないのに「Yes」、すぐばれる小ウソ、これからやるのに「やりました」と言う時制酔い、etcなど、一つずつ見れば大げさに取り上げる程の話でもない、とはいえスルーできない程度にイラッとくるプチ・ストレス達が図ったかのような嫌なタイミングで波状攻撃的にやってきて、その対処に結局けっこうな時間をとられたりして、チリも積もればヤマ的な累積ストレスで心が折れそうになる。。という典型的なクメール・ストレス

上記リンクの通りだいぶ前に本稿でも取り上げたりしたが(ほぼ完全に愚痴でした・・)、、ふと思い返してみると最近は弊社スタッフに起因するその手のストレスに悩まされる事がだいぶ減ってきた (なくなりはしないけれどw)。


古き良き日本式を取り入れつつ。。。


まあズルズルと長い事(もうすぐ7年経過・・)カンボジア人スタッフを雇って事業している筆者に知らないうちにストレス耐性が身についてしまってるから、、とも言えるが、相変わらずローカル取引先、パートナー先、オフィスビル管理先,etc(の一部)からは変わらぬストレスを頂き変わらずイライラさせて頂いているので(天が自分に課した精神修行と捉える事にしている)、まあ弊社スタッフ達の成長・改善に感謝すべき所なんだと思われる。


大きな改善理由は、長い社歴の古参スタッフ(3〜5年)が増えてきて筆者⇄古参スタッフ⇄新人スタッフというコミュニケーションラインがほぼ出来ている事と、即幹部採用する転職組(彼らも筆者と直コミニケーション)のレベルがかなり上がってきている事である。 彼ら(古参・新規あわせた幹部メンバー)の年齢層はだいたい25〜35歳といったあたり。

彼ら幹部メンバーには基礎的なビジネス英語がインストールされている事はほぼデファクトで、プラスαの独自スペックが各々備わったりしている。
昼夜僻地を問わない行動力、日本の会計士も舌を巻く数値管理力、日本語・中国語・タイ語などマルチ言語力、人材・資材のローカル調達力、役所相手の交渉力etc。


幹部メンバー達の会議もようやくそれっぽくなってきた。。気がする。


その分給料も相対的に高いけれど、とはいえ日本での新卒手取り月給の1/3〜1/2(最近円安だから少し+αか・・)程度の金額で、彼らクラスの能力値を日本で求めるのは実質的に不可能だ。


彼らを雇う身として、彼らと経営会議などそれっぽい議論をした後など、たまにふと感じるのは、「いま自分が彼らを雇う立場(というか世代)で良かった・・」という素朴な安堵感である。

「カンボジアくんだりの後発開発途上国(Least Developed Countries,LDC)であってもそういうレベルの人材が現役になってきていて事業運営がだいぶラクになった」という想い(これもよく感じるが)よりもむしろ、「自分が彼らと競争する立場(というか世代)にいなくて良かった、、」というニュアンスの安堵感である。


筆者が日本で働いていた頃の20代後半あたりをふと思い返してみると、業務スペックに関してだけ言えばたぶん今の彼らよりも当時の筆者の方が総合的には高かった(僻地耐性とかはないけれど、基本所作とか業務処理面でw)。 
しかし、当時の筆者一人分の給料で、少なくとも現在弊社のカンボジア人20代後半幹部メンバー●名以上は雇用できる。

で仮に今、経営者の立場である筆者の目の前に、20代後半当時の筆者一人と、同世代の現弊社カンボジア人幹部メンバーチーム●名が現れて、「さあどちらを採用しますか」と問われれば、当然業種業態にもよるけれど、ほぼ確実に後者チームを選んでしまうかな、、と思う。 
新興国ハイランク人材のスペック&給与水準を知ってしまった経営者である今の筆者から見ると、20代後半当時の筆者では何をさせるにも全くコスパが合わない、、と感じざるを得ないだろう。 


一昔前に依頼されたエッセイでも同様な事を書いた事がある。 
筆者が学生の頃のいわゆる就活では、日本人同世代とのスペック比較で国内競争していれば良かったが、これからの日本の若者は多国籍な人材達との国際競争になってしまって大変そうだ。。と。
(JGAPエッセイ「同世代間で"国内競争力"を磨けばよかった時代は終わった」

そのエッセイを書いてしばらく経つが、その後の新興国人材スペック(のコスパ)は当時よりも更に飛躍的に伸びている、、という事を改めて実感する今日この頃である。


各地域拠点(プノンペン、バッタンバン、ポーサット、バンテアイミンチェイ、シェムリアップ)のリーダーを張っているカンボジア人次世代幹部達。 期待してます。



一方、そういう事情を日本から眺めても、当時はまだ「でもそれって海外で事業する場合の話でしょ・・」という対岸の火事的な感じもあったかと思うが、最近はどうやら身近になってきているようだ。

今日本を席巻しているインバウンド爆買いに実際サービス対応しているのは日本語を話せる外国人スタッフであり、どうやら日本企業も国内での外国人採用をメイン枠と捉え始めているようである。
(→日経記事「就活戦線異変あり。ライバルは外国人」


ようやく、日本人若手世代にとって「今そこにある危機」となってきた(のか?)、競争相手としての外国人若手人材の台頭。 

まだゆるい時代にその世代を通り過ぎてしまった筆者としては、過酷な国際間競争の前線に立たされる日本人若手世代に「むしろ自身を切磋琢磨せざるを得ない良いチャンスだ!」とか囃し立てたりエールを送ったりしつつ、内心では自分の代じゃなくて良かった。。とホッとしつつ、 更なるスゴい日本人若手が海外(できればカンボジア)に飛び出して来てくるのを引き続きお待ちしている次第である。



若手カンボジア人スタッフ達にまじってニヤける日本人インターン(写真左上♂)
バッタンバンに張り付いてもう半年、そろそろかなりアセっていないとおかしい、、はずw。






2015/07/04

またバブルな宴の兆し in カンボジア:聞こえてきた大型プロジェクト達の足音

2015年も気がついたらもう7月。 今年が後半戦に突入してしまったことに愕然しながら焦りばかりが募る今日この頃inカンボジア。

「祝日多過ぎて困るカンボジア諸事情」については本ブログ冒頭で頻繁に取り沙汰させて頂いているが、そんな当国でもなんと7月、8月は一切祝日がなく、9月は祝日が1日あるだけという、事業経営者的に見ると国が営業日を大盤振る舞いしてくれる「確変入り」フィーバー期間となる。 
来るべき10月からの大型連休オンパレード期間前に、やるべき事を全てやり切ってしまうための、全力疾走3ヶ月の始まりである。 さてがんばろう。


そんな掛け声(だけ)は勇ましく、とは言えついつい現実逃避したくなってしまう週末の午後あたり、ふと周りを見渡してみると、何やら羨ましくなるくらい浮き世離れした荒唐無稽なおとぎ話が、またふつふつと涌いてきているらしい我らが新興国カンボジア。 

こういうお祭りネタが降って涌いて、架空の豪華出演者リストが出回って(稀に少しの友情出演もあったりする)、一部の気の毒なエキストラ達が踊るに踊って、散々振り回され尽くした頃に大概いきなり終演を迎える、、というカーニバル・サイクルが数年置きに自然発生するところも、エマージングカントリーで味わえる面白味の1つである。

「踊るXXに見るXX、同じXXなら踊らないと損」というのが確か日本の格言(?)だったかと思うが、まあ損するクセがついて久しい筆者としてはまたもや毎度の傍観である。


さて、そのそうそうたるカーニバル予定演目についてだが、まず新聞で報道された公表情報からいくと、カンボジア現地企業(Thai Bun Rong Company)と中国系デベ(Kia Nip Group)がジョイベン(JV)方式でプノンペン市に提案した高層ツインタワー計画。 
地上500m, 115階建て、総工費は30億米ドル(約3,700億円)。


完成予想図?
(写真は本件とは無関係かも知れません・・)
報道によると、市のスポークスマンからは「もっと勉強してきて」と突き放されたり、同業界関係者からは「今プノンペンにそんなもん要らん」と一刀両断されたり(どちらも筆者意訳w)、散々な取扱いを受けているようだが、これしきの冷や水でヘコたれるようなカーニバル主催者ではない事を期待したい。 

報道では、10年前くらいのサイクルの時の韓国系デベによる「Golden Tower42(注1)」や、5年くらい前のサイクルの時のフンセン首相がぶち上げた「Diamond Tower(注2)」計画などと比較され、「似たような与太話」的な捉え方をされていたが、3度目の正直という言葉もあるわけだし、いよいよ本命登場かと期待したい。

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(注1)
プノンペン中心地で韓国系デベが建設を進めていた42階建て高層タワープロジェクト。
総工費2.4億ドル。 2008年リーマンショックのあおりを受けて(?)資金に詰まり2010年9月に建設工事ストップ。 以来野ざらしのままもうすぐ5年経過。

(注2)
2010年、フンセン首相が唐突にアナウンスした、プノンペン中心地のメコン川とサップ川の合流地点にぶち建てる555mの高層タワー計画。 雨季と乾期の水位高低差が7mにもなる激流大河の中州地盤にそんなの建てられるのか、、との当時の国民・住民の期待と不安をよそに、2017年竣工をぶち上げたがまだ着工スタートもしていない(はずな)のでご安心を。
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こういう公表された話以外でも、某地方での超大型XX工場建設(総工費X十億円)とか、超大型XXXX開発引き継ぎ(総予算X百X十億円)とか、景気のいいカーニバルな話がチラホラと筆者の耳にまで届くようになって来た、懐かしい匂いとともにw  

期待の新興国カンボジアもいよいよますます香ばしいフェーズに入ってきたかな、、と感じるのは、予定されている(という)カーニバルの中身が、話的にも規模的にも前サイクルまでに比べてケタが1つか2つ変わってきたからだ。

10年前や5年前のサイクルの話だと、農地と称した広大な森林地帯をつかまされてX億円が溶けたとか、日本から無税で輸入したものを何でも売れると喜び勇んで来てみたら全く何の手続きも踏んでなくてX千万円すったとか、まあイタいとは言えその程度の”小宴”系カーニバルがほとんどだった。 
突出して大きい宴でも、韓国系の新都心計画で310億円注ぎ込んだら220億円くらい行方不明(90億円分しか使途判明せず)、という話があったくらい。 韓国で逮捕者が数人出て、カンボジア商業銀行の1つが特別銀行に格下がった程度の話である。

それが今や、X十億円からX百億円クラスは通常にある話で、上述のツインタワーなどは3,700億円。 昔の小宴がかすり傷にしか見えなくなる規模である。


当然、これらの中にはホンモノに”化ける”ネタも潜んでいる(可能性もある、たぶん)。

そんな宝クジ的なワクワク感が、まだカンボジアに来て日が浅くいいタイミングでカンボジアに乗り込んできたおかげで「キングダム・オブ・ワンダーが俺の前だけに落としてくれた夢のチケット」を信じる気力と体力があるエキストラ達投資家・事業家達を夢の世界へと駆り立てる。

また楽しい祭宴の終わりの始まり、、、かもしれないw。 
見るXXとしては、小宴の前説にもならない自身の零細事業運営に疲れた週末あたりに、カーニバルの舞台で踊るエキストラ達の栄枯盛衰大儲け物語を伝え聞くことで勇気と癒しをもらえる事を期待したい。