商売を営む多くの方々が、ご自身の商売を通じてorそのために必要な勉強を通じて、経験則的に分かっているor知識的に理解している、商売におけるいくつかの定石がある。
その中の代表例の1つが、
「たくさんやれば(長く続ければ)コストは下がっていく」
というものだ。
例えば何かを作るための機械を100万円で買って、その機械を使って商品をどんどん作っていくとする。
商品を10個しか作らなければ、商品1個あたりに賦課する(=負担させる)機械コストは10万円だが、1,000個作れば1個あたり1,000円まで下がる。
機械が壊れないまま商品を作り続けられるとすれば、生産個数はどんどん増えていって、結果として機械代金を商品1個あたりに負担させるコスト(以下、単位コスト)はどんどん下がって行く。
(途中、故障したり部品交換したり、というコストは別途かかるけれど)
このような実際に払ったお金の単位コスト以外にも、たくさんやればやるほどコストが下がる要因がある。 それは経験だ。
機械を買ったばかりの時は操作に不慣れだったスタッフも、商品を100個、1,000個と作って行くうちにどんどん習熟してくる。
その数が1万個に到達する頃には、素人だった最初の頃にくらべて、みんな格段に上手に作れるようになっている事だろう。
作業効率が格段にアップし、1人のスタッフが同じ時間でよりたくさんのより良い商品を作れるようになり、ノルマをこなすのに残業時間も減り、粗悪品の返品やクレームなども減り、その他諸々いろんな形でコスト逓減に貢献する。
金額的な単位コストが生産量増加におうじて逓減していく(商品一個あたりが負担するコストが減って行く) + 経験の累積で作業効率がアップする等のいい効果が現れて結果的にコストが逓減していく(上手になってムダが減る)。
要はたくさん作れば作るほど(業務すれば業務するほど)、単位あたりコストは下がって行くわけだ。
言われてみればそんな事、考えれば誰でも分かる当たり前の話で、わざわざクドクド順序立てて説明してもらうほどの話でもない、、という所感を抱かれるのはごもっとも。
ところで話は何十年か前に遡るが、とある聡明な先生が、この当たり前の話をそれっぽく数値的に立証して分かりやすいグラフに書いて、「経験曲線(Experience Curve)」というたいそうな名前をつけて、とある大きな会社に提言した。
その大きな老舗優良会社は、自社と似たような商品をよりカッコ良く売る同業他社との競争に疲れ切っていて、このままだともう潰れてしまうかもしれない、と真剣に悩んでいた。
そんな悩める経営陣に対して、その聡明な先生はズバッとこう言い切った。
「まだたいして作ってもいない(生産量が少ない)くせに、単位コスト以上の値付けしてちっちゃく儲けようとするんじゃない。 最初は我慢して単位コストより低い値段で売り出しなさい。 そうすれば他商品よりたくさん売れて、単位コスト下がって、後で大きく儲かるから、きっと。」
結果、先生の言葉に賭けてみる決意をしたこの悩める老舗優良企業は、ライバル会社がびっくりするような低価格で商品を売り出し、ものすごい勢いで売上(ひいては生産量)を伸ばし続けた。
当初ライバルは皆「あんな価格で売り続けていたら利益が出るわけがない、とうとうあの会社も長くないな」とせせら笑っていたが、どっこい先生の予言は的中し、その会社は莫大な利益を上げ続け、とうとうライバル商品を市場から駆逐してしまった。
その律儀な老舗優良企業は、その先生を救世主とあがめ、その感謝と敬意を表するため、自らの年次報告書に事の仔細を公開した。 この先生のおかげで弊社は大成功しました、と。
結果、このストーリーは企業経営戦略論の歴史的トピックとなり、この先生(が率いる経営コンサルティング会社)その名を世界に響かせた。
・・・とまあ、そのコンサルティング会社の日本代表だった方から聞いた話の受け売りなので、多少(というかかなり?w)の脚色があるかもしれないが、大筋は合っているはずの歴史的事実inアメリカである。
・・・・で、この小国カンボジアの小ネタを披露する事を主眼におく拙稿で、筆者が何を話したかったかというと、この誰もが知ってる(もしくは聞けば分かる)定石は、カンボジアでは実務上驚く程通用しませんよ、という話・・だったのだが。
時間が尽きた、というか、力尽きた、というか、、次回続きを書きます、、たぶん<(_ _;)>
その中の代表例の1つが、
「たくさんやれば(長く続ければ)コストは下がっていく」
というものだ。
例えば何かを作るための機械を100万円で買って、その機械を使って商品をどんどん作っていくとする。
商品を10個しか作らなければ、商品1個あたりに賦課する(=負担させる)機械コストは10万円だが、1,000個作れば1個あたり1,000円まで下がる。
機械が壊れないまま商品を作り続けられるとすれば、生産個数はどんどん増えていって、結果として機械代金を商品1個あたりに負担させるコスト(以下、単位コスト)はどんどん下がって行く。
(途中、故障したり部品交換したり、というコストは別途かかるけれど)
このような実際に払ったお金の単位コスト以外にも、たくさんやればやるほどコストが下がる要因がある。 それは経験だ。
機械を買ったばかりの時は操作に不慣れだったスタッフも、商品を100個、1,000個と作って行くうちにどんどん習熟してくる。
その数が1万個に到達する頃には、素人だった最初の頃にくらべて、みんな格段に上手に作れるようになっている事だろう。
作業効率が格段にアップし、1人のスタッフが同じ時間でよりたくさんのより良い商品を作れるようになり、ノルマをこなすのに残業時間も減り、粗悪品の返品やクレームなども減り、その他諸々いろんな形でコスト逓減に貢献する。
金額的な単位コストが生産量増加におうじて逓減していく(商品一個あたりが負担するコストが減って行く) + 経験の累積で作業効率がアップする等のいい効果が現れて結果的にコストが逓減していく(上手になってムダが減る)。
要はたくさん作れば作るほど(業務すれば業務するほど)、単位あたりコストは下がって行くわけだ。
言われてみればそんな事、考えれば誰でも分かる当たり前の話で、わざわざクドクド順序立てて説明してもらうほどの話でもない、、という所感を抱かれるのはごもっとも。
ところで話は何十年か前に遡るが、とある聡明な先生が、この当たり前の話をそれっぽく数値的に立証して分かりやすいグラフに書いて、「経験曲線(Experience Curve)」というたいそうな名前をつけて、とある大きな会社に提言した。
「たくさん作れば作る程(グラフで右に行けば行く程)、単位コストは下がりますよ」 |
その大きな老舗優良会社は、自社と似たような商品をよりカッコ良く売る同業他社との競争に疲れ切っていて、このままだともう潰れてしまうかもしれない、と真剣に悩んでいた。
そんな悩める経営陣に対して、その聡明な先生はズバッとこう言い切った。
「まだたいして作ってもいない(生産量が少ない)くせに、単位コスト以上の値付けしてちっちゃく儲けようとするんじゃない。 最初は我慢して単位コストより低い値段で売り出しなさい。 そうすれば他商品よりたくさん売れて、単位コスト下がって、後で大きく儲かるから、きっと。」
当初ライバルは皆「あんな価格で売り続けていたら利益が出るわけがない、とうとうあの会社も長くないな」とせせら笑っていたが、どっこい先生の予言は的中し、その会社は莫大な利益を上げ続け、とうとうライバル商品を市場から駆逐してしまった。
その律儀な老舗優良企業は、その先生を救世主とあがめ、その感謝と敬意を表するため、自らの年次報告書に事の仔細を公開した。 この先生のおかげで弊社は大成功しました、と。
結果、このストーリーは企業経営戦略論の歴史的トピックとなり、この先生(が率いる経営コンサルティング会社)その名を世界に響かせた。
・・・とまあ、そのコンサルティング会社の日本代表だった方から聞いた話の受け売りなので、多少(というかかなり?w)の脚色があるかもしれないが、大筋は合っているはずの歴史的事実inアメリカである。
・・・・で、この小国カンボジアの小ネタを披露する事を主眼におく拙稿で、筆者が何を話したかったかというと、この誰もが知ってる(もしくは聞けば分かる)定石は、カンボジアでは実務上驚く程通用しませんよ、という話・・だったのだが。
時間が尽きた、というか、力尽きた、というか、、次回続きを書きます、、たぶん<(_ _;)>
0 件のコメント:
コメントを投稿