大会主催は、参加する各大学による自治運営、という形になっている。
が、実際のところは、大会放送局を担うカンボジア国営テレビ(National Television of Cambodia)と、「日本人ボランティア支援隊」および協賛日系企業(主にスポンサー)からなる、日カン共同戦線メンバーによる強力な下支えにより、無事大会開催にこぎ着けた。
各チームが自信作のロボを手に抱負を語る。 みなホントにいい笑顔。 |
共同戦線といっても、ほぼ全ての段取り・準備は「日本人ボランティア支援隊」の獅子奮迅の働きによるものだ(筆者私見、なお筆者は入隊しておりません)。
発案から開催まで、ほぼ全てを司った日本人シニアボランティア(支援隊長)の奮戦記は、ビジネスオンラインマガジン「JBPress」で今年頭から連載中なので、ぜひご一読頂きたい(ブログ後段にURL記載)。
一周してゴールすれば良し、制限時間内であれば何度もトライ可能。 途中で止まってしまったロボを必死に修理(調整?)する学生。 参加していた大学生はみな真剣そのもの。 |
(筆者的に)感動的だったのは、何よりカンボジア人大学生達(および関係者達)の、本大会に対する熱意、真剣度が、大会をチラ見しにいっただけの観客(である筆者)にもヒシヒシと伝わったことである。
この企画を昨年の段階で聞いたとき、良い話だな、、とは思いつつ、果たして真剣に参加するカンボジア人大学生(および大学教授・運営主体などのカンボジア人オトナ)がどれだけいるのか(そもそも開催まで辿りつけるのか)、、と感じたのが正直な所である。
そもそもカンボジア人は、自分達が見た事・やった事がないモノやコトに極めて慎重・消極的だ(当社比)。
しかも、やったところでお小遣いになる話でもなく(賞金は出るにしても)、大学の成績に何らか有利に働く事もなく(たぶん・・もしかしてあるかも)、国営テレビ局員等のオトナ達にも何の実入りもない(はず、たぶん)、、そもそも誰も見向きもしない可能性も十分にあったはずだ。
まあ、趣旨たるは良い話だし、仮に実現はしないにしても、取り組む事自体に意義もあろう、という諦観の境地も念頭に、微力ながらご協力をさせて頂いてきた。
今大会最速タイム26秒44をたたき出した瞬間。 控え目だが全身から喜びオーラが発散。 |
ところがフタを開けてみれば、熱意あふれる大学生達43チームによるガチンコ・レース。
各チームが2回走るので、果たしてこれ今日中に終わるのか、、と余計な心配をしてしまうほど。
レース中も悲喜こもごも、控え目ながら嬉しさあふれる(小さな)ガッツポーズから、ホントに悔しそうな表情まで。
いつもとは違う角度から、カンボジア人若者達の将来に期待と希望を感じさせるイベントだった。
ロボコン初回を激走したロボ達、全員集合。 お疲れ様でした。 |
筆者はこの企画に関与するまで知らなかったが、そもそもロボコンとは日本発のコンテンツだ。
日本のNHKが1991年に日本国内大学対抗コンテストとして開催したのがスタート。
その2年後の1993年には、日本国内大会にタイ、アメリカが参加。
2002年からはABU(アジア太平洋放送連盟)主催のアジア大会開催。 以来毎年開催されるアジア大会は12回を数え、現在では19の国と地域が参加するまでになっている、らしい。
優勝チームを表彰。 緊張と喜びが入り交じり。 |
日本発で世界に展開したコンテンツを、日本人ボランティアとカンボジア人が協力しあってカンボジアに初導入、そのコンテンツに将来あるカンボジア人の若者が熱意をもって参加する。
毎年開催することで、先述のABUアジア大会への出場権も得られるらしい。
隣国のタイやベトナムは、すでにかなりの強豪国とのこと。 カンボジア代表チームがアジア大会で活躍する日も、そう遠くはない、、、か?
何にせよステキな話である。 たまにはこういう素直に良い話を、クドい曲がりくねりナシで素直にお伝えしたいと思った今回のブログ。
今回おおいに株を上げたNPIC(カンボジア国立工科専門学校)。 優勝チーム含め上位をほぼ独占。(筆者の勝手な)事前予想では技術系メジャーなITC(カンボジア工科大学)が優勝候補筆頭と思っていたが、実際の結果はNPIC.。 これが広まれば、技術系大学のブランディングに効果あり? |
大会運営もまだ途に着いたばかり、ということで、事前連絡が何もないまま意外に盛大だった協力企業の紹介(おそらく誰も聞いていない、偶発的サプライズ)もご愛嬌。
まさか賞状まで頂けるとは思っていなかったが、不覚にも短パン・サンダルで来てしまった筆者は遠慮させて頂いた。
微力ながら弊社JCGroupも、スポンサーかつホームページ制作等々ご協力させて頂き、 多くの日系企業スポンサーとともに紹介して頂きました。 |
事前に話聞いてなかったサプライズ表彰(協力企業向け)。 弊社JCGroupを代表して、今大会のホームーページデザイン等を手がけた弊社アートディレクター中村が。 |
本大会開催まで見事にこぎ着けた、日本人支援隊長 金廣 純子さんの「ロボコン奮戦記」(勝手に筆者がそう呼んでいます)は、先述のJBPressで連載中。
ちなみに筆者もJBPressでカンボジア関連記事(カタい話ばかりだが・・)を定期的に寄稿させて頂いているが、、、最近お留守になっている。
暖かい編集の方々に見捨てられないうちに何かまた書かないと。。。