2014/09/26

カンボジア進出 の不都合な真実(?):カンボジア事業会社の社長が語る本当の話

思う所あって、ここ2年あまり講演等でカンボジア事業に関する諸々を語らないでいたが(今年に入ってブログで徒然に書いてたくらい)、また思う所あって今回久しぶりに講演させて頂いた。


セミナー講演会のタイトルは以下。 
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進出ブームに湧くカンボジア市場、その光と影のリアルな現状

~もう明暗分かれ始めた進出事例の実情、事前には語られない落とし穴とは?~


主催者「アジア経営者連合会」からのネット告知

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100名定員で告知したところ、加熱する進出ブームのタイミングが手伝ってか、多くの申し込みを頂きすぐに定員オーバー。 結局170名くらいに出席枠を広げて対応した、とのこと。


平日の午後、お忙しい所お集り頂いた皆様に感謝。


結論から言うと、参席頂いた方々の反応から見ても、おそらくはいい形のセミナーになった・・のではないか、と思う。

カンボジア進出を手放しで推奨する話は一切なし。
いま実際にカンボジアで、現在進行形で事業を行っている経営者達から、本当に「リアル」なカンボジア進出実情(の明暗)が、迫真の実体験に基づいて語られる形になった。



先鋒で講演させて頂いた筆者、、、僭越ながら手短かに弊社のカンボジア事業紹介から。


筆者のみでなく、講演に立たれた社長2名も、セミナーの趣旨にばっちり合ったTrue Storyを惜しみなく披露。  
講演終わった後も、お互いに「ですよねー」と意気投合。

弊社JCGroupのIT事業法人「JC IT Co.,Ltd.」のJVパートナーである篠田社長。 カンボジアだけでなく、インドやベトナムへの進出リアル経験から語る、質量感あるプレゼンテーション

イオンモールプノンペンに出店した日系飲食店の数少ない成功事例「ワタミ」を運営される井土社長。 カンボジア飲食業界の実情を、実体験に基づきリアルに分析。
現地人顧客比率、さすがの9割。 お話を拝聴してる間、頷きっぱなしだった筆者。


本当にリアルな話(私見ベース + 実際の現場情報)をいろいろさせて頂いたのが、その詳細内容は恐縮ながらここでは差し控え・・(触れられない(汗 )。

ざっくり言うと、カンボジア進出について一般的に語られる「いい話」を説明した後、それでも実際は「悲喜こもごも」な各業界の実情をお伝えし、その原因の一部とも言える「ワナ」がいくつか存在する事をお伝えした。

お話した「ワナ」は6つ(パワポのスライドにして6ページ)あったが、その触りの1つ目のスライドだけ以下お披露目(^^;




で、まとめは以下




講演後のパネルディスカッションは、参加された方々からのご質問を頂き、それに対して回答させて頂く形式。 





驚いたのは、これから進出を検討、、という方々だけではなく、既にカンボジアで商売を始められていたり、何か具体的にアクションを進めている方々からの質問が多かった事。 

したがって質問内容もこれまたリアルなものが多かった。 ご満足頂く回答をさせて頂けたかどうか、、後のアンケートをぜひ参考にさせてもらいたいと思っている。

主催者「アジア経営者連合会」が、セミナータイトルにあえて「進出セミナー」と銘打たず、あくまで「リアルな実情を明暗お伝えするカンボジアセミナー」として告知・開催したため、そういう話を聞きたい方々が多く来てくださったのだと思われるが、これも結果的には良かったと思う。


機会のご縁と思う所がうまく合致して、僭越ながらいろいろとお話させて頂いた今回のセミナー。 
お忙しい中ご参加頂いた方々に幾ばくかでもお役に立てていれば幸甚である。









2014/09/21

進出セミナー かくあるべし

席に座って人の話を聞くのが実はかなり苦手な筆者が、かなり久しぶりに席に座って人の話を聞く側で参加したビジネスセミナーで、けっこう久しぶりに思う事あったので、今日はそのお話。


カンボジアは来週頭からPchum Ben(プチュンベン、日本でいうお盆)本番。

カンボジア民間企業の多く(弊社含む)は土曜半ドンなので、昨日土曜日午後から大型連休がスタートしている。

関与国の大型連休を海外移動で回避するのが習慣化されてしまっている筆者は、カンボジアお盆のPchum Ben本番の間は日本出張予定。

で、ちょうどその手前に開催された件のビジネスセミナー参加のため、今は香港に来ている。


今回の香港セミナーは、とある団体のアジア各支局メンバーが集まるサミット的な会合で、セミナーのメインは香港・中国の専門家による当地でのビジネス現状と進出アドバイス。

良い意味でのお付き合いの関係上(かつ香港がちょうど日本に出張する乗り継ぎ点にもなるので)参加させて頂いたが、現在カンボジアでの事業に特化している筆者としては、特に中国・香港の今に関するビジネスセミナーの内容自体に過度な期待はしていなかった。 





セミナーは大方の予想通り、中国・香港の進出支援に手練のベテラン弁護士・会計士先生方による立石に水なスピーチで快調に進んで行く。 

これだけだと典型的な進出推奨セミナーだが、この団体は個性豊かな企業オーナーが積極参加していることをウリとしている。 その個性豊かな企業オーナーの数名が、先生方の名演説に紳士的かつ攻撃的に噛み付いた に質問を投げかけた。




「類似商標、いわゆるパクリが横行する中国で、その対処法を法的に云々、とおっしゃいますが、実際に訴訟やって勝てる見込みと勝った事例はあるのか。 その間の弁護士費用はかなり高くつくはずだが、それこそが進出企業に抵抗を諦めさせている要因となっている、という実情はないのか。 先生の見解を伺いたい。」

「会社や工場進出において、後で役人にとやかく言われないようにするために事前準備の徹底が重要、とおっしゃいますが、実際ギリギリまで何も言わない役人が許認可期限の直前となって無理難題を押し付けて来る場合、その無理難題を事前にどう予測できるのか。 実際に予測して事前アドバイスもらえるのか。 先生の見解を伺いたい。」

(「 」は筆者記憶ベースの質疑内容、正確性については平にご容赦を・・)




主な質疑の発信者は、製造企業17社をグループ傘下に持ち、中国でも3社・12年操業して、グループ年商1000億円を超える豪腕社長。 中国事業を全て黒字で完結させ、早々に見切りをつけて現状は撤退戦の真っ最中、これからは他国に拠点をシフトさせるらしい。

その実体験に基づく生々しいツッコミ攻撃 質疑、礼節は保ちつつも辛辣なコメント。
それに対してさすがの”いなし”で対処するベテラン先生方。




大局高所から進出を推奨する専門家と、実際に進出して現場で辛酸をなめている企業家との紳士的なガチンコ舌戦。 筆者的にはなかなか見応えがあった。 

こういう話をアリーナ席から観戦しつつ、そこに垣間見える何かをつかむ、、という事ができるのであれば(こういう話を観戦できる場であれば、の話だが)、この手のセミナー出席に時間を費やす意義はある、気がする。 

そもそも、こういう議論を意図的に誘発させる仕組みを取り入れるセミナーがもっとあってもいい、気もする。
 
とある立ち位置にいる人だけが一方的に聴衆に対して意見を発信する形では、発信する情報にバイアス(偏り)が生まれてしまう事を原理的に回避できないからだ。




他人に進出して欲しい人は、当然進出するメリットを語る比重が多くなるだろう。

自分が進出して上手くいってない人は、わざわざ自分の失敗談を他人に披露しないか、進出のデメリットを多く語るだろう。

自分が進出して上手くいっている人は、儲かる話をわざわざ他人にしないだろう(大多数は)。

各々が自己便益を最大化する行動を選択するのが営利活動であるビジネスの原則だから、各々の立ち位置(ポジション)によって他者を誘導したい方向は異なってくる。
結果、情報発信の力点を置くポイントも必然的に変わって来る。

上記の傾向は善悪で評されるべきものではなく、むしろ当然の帰結として聞き手の想定に織り込まれるべき内容だ。




だから話を聞く側としては、話し手のバックグラウンドや、どういう立ち位置(ポジション)にいるか(≒何で食っているか)を把握して、話し手の発信方法に含まれる情報バイアスを自己修正するフィルターを持つに越した事はない。 
が、そのフィルターを万全に準備するのはなかなか難しい。


来週久しぶりに170人近い人前で話す機会がある。 及ばずながら、出来る限り話を聞きに来て頂く方々のポジションに立った話をしようと思っています。 ・・できるかな。





2014/09/13

バッタンバンでのニッチな集い

滅多に何も立ち上げない弊社的には珍しく、小規模ながら少し何か立ち上げてみた。

せっかくなので、滅多に仕事の話をしない本ブログ的には珍しく、僭越ながら少しそのお話をできればと思う。

仕事のネタを上げるときは、言葉少なめ・写真多めで、、という自主ルールに則り、極力手短かにご報告。


弊社農業拠点のバッタンバン州で現在弊社的に注力している農機事業。 
で、普段とても懇意にさせて頂いている同州の農機ディーラーさん達。 

彼等と個別かつ日中に各々のお店に訪問してお話させて頂いているうちに、「日中だと諸々なんだし、じゃあ皆で夜集まって飲みますか」みたいな話に発展(させてみた)。

中古農機を取り扱っている弊社も、ある意味カンボジアの農機ディーラー(のハシクレ)fromジャパン。

ということで、弊社の社名の冠である「JC(Japan & Cambodia)」をとって、

「JC Dealers Association (略してJCDA)」

という(狭い)業界団体的なノリで、本日9月12日、記念すべき第一回目となるJCDA Conferenceを開催させて頂いた。
(ブログアップの日付は変わって9月13日となっておりますが・・。)
 
バッタンバンの最高級ホテル「Classy」の最上階を借り切って、こじんまりした飲み会である。

また長くなりかけているので、ここで文章は切って、後は以下写真でご閲覧をぜひお願いいたします。


お客様をお迎えする事前準備、諸々最終確認中@現場

気負いも何も全く感じられない受付スタッフ。 実は日常、鬼の形相で集金業務を担当しているJCレディス。

どこまでもおおらかな営業担当メンズ。 攻撃力はレディスにまだ及ばず。。だが接客対応は物腰柔らかでGood(たぶん)。

本稿趣旨とは全く関係ないが、自動ドアはどうやら日本製。。

早めに到着された農機ディーラー&部品屋さん御一行&弊社スタッフ。

同じく早めに到着されたディーラーさん御一考&弊社スタッフ。

弊社バッタンバン所長がプレゼン開始。 メシ&サケも出さずにまずは話から、と所長本人たっての希望で、その通りにさせてみた。

意外とマジメに話を聞いてくれているディーラー御一行様。用意した資料もしっかり読んで頂いている。

こちらも意外と説明を聞いてくださっているディーラー御一行様。

お互い良く知っている顔見知り同士の小宴会、、のようだが、実はバッタンバン州の農機&農機部品の市場シェア90%近くは占めるメンバーが揃った今日のJCDA(という名の飲み会)。







来て頂いた各ディーラー・部品屋さん皆様と弊社メンバーの距離も更に縮まった今回の飲み会 JCDA第一回Conrerence。  今度も定期的に開催しましょう!、という話に。


珍しくパーティが重なって機能不全になっていたホテル側オペレーションにガッツリ活を入れて、ご満悦に料理を楽しむ弊社攻撃的レディス。
宴もたけなわな感じで、ディーラー皆様から腹を割ったご要望やご指摘もいろいろ頂く弊社メンバー達。

日本的にいう中締め。



宴会終了後、せっかくなので弊社メンバーで記念撮影。

宴の後、何やら盛り上がる弊社メンバー達。 諸々の意味でいい初回でした。

いい会合となりましたJCDA 第一回コンファレンス。 引き続き小規模かつ濃密に続けていく事と思われます。


2014/09/06

新陳代謝 in プノンペン:賑わう参入、静かな撤収

先週はプノンペン、今週はバッタンバン、で(事前に想定はされていた)怒濤のような業務の嵐だったが、何とか乗り切ったような気がする。 まだ余波はいろいろと残ってはいるけれど。

・・そういえば本ブログでは弊社JCGroupの事業についても書く事になっているのだが、ブログを書く事自体を自分自身の頭の切り替えに活用してしまっている(事前に想定していなかった効能・・)関係で、どうしても仕事と関係ない内容が多くなってしまう。 

実際に書き始めてみないと自分が何を書いてしまうのかわからないものだ(筆者だけ?)・・と妙な得心をしつつ、今日も酔った勢いで業務外の話。
(日付が変わってのブログ投稿となったが、本稿での今日=9月5日)



2週間ぶりにふと周りを見渡してみると、いろいろと示唆深い事象が起こっている。

今日のお昼はプノンペンの本格寿司屋「海宝丸」。 
今年3月にオープンし、1ランク上の味・品質を実現した高級店として開店当初は結構話題になった。 

が、残念ながら9月7日をもって閉店とのことで、今日は看取りランチ。 

全くの部外者なので看取らせて頂くご縁もゆかりも何もないのだが、プノンペンの和食の次元を1つ上げてくれたお店として印象深かったので勝手にお伺いした。


ランチメニューの握り寿司Aセット。ちなみにBセットはない。

初めて座ったカウンター。 カンボジア人スタッフが職人風に何かしていたが、握っているのか洗い物なのか座席からはよく見えず。

ちなみに先月は、確か昨年12月あたりにオープンした日系うどん店「絆うどん」も閉店し、最終日に看取りランチをしてきたばかり。 
ちらもオープン当初からいろいろと話題となり、ご苦労もされたかと思う(こちらも部外者なので拝察させて頂くのみだが)。


最終日に伺ったので用意できないメニューが多く、最終的には基本に立ち返ってかけうどん。

最終日の「絆うどん」店内。 何気なく寂しげな気がするのはきっと気のせい。


テレビで何気なしによく見かけていた芸能人が、何気なくしれっとテレビに出なくなると、いなくなった事にすら視聴者の誰も気付かない、、、とセンスない例えで恐縮だが、威勢のよい進出劇で活性化している(ように見える)カンボジアでも、見えない(というか皆が気付かない)所では静かな退出劇が意外と頻繁に起こっている。

日本式カレー専門店(その後ケーキ屋になり、その後撤収)、リバーサイドにあったお好み焼き店、繁華街にあった混ぜ蕎麦の店、上記のうどん屋さんにお寿司屋さん、、、等々。  

新しく出来た物に気付くのは簡単だが、なくなった物を思い出すのは難しい。 
パッと思い出したものだけ列挙したが、他にもだいぶあるはずだし、これからもいろいろと続くような気もする。


うどん屋さんは開店から1年弱(たぶん)、お寿司屋さんは約半年。
各々やむにやまれぬご事情によるものと拝察されるが、一般論として見るとやはりお店を構える(≒ 固定費がかさむ)ケースは勝負の分かれ目が来るのが早い。 

一方、個人もしくは少人数チームでスモールスタートできるタイプの事業の場合、だいたい2年〜3年目が1つの分水嶺だ(筆者私見)。

1年目は、スタートした高揚感と熱気でとりあえず突っ走る事ができる。

2年目くらいからやや落ち着き始めて「あれ?、意外と思った通りにいかない」と感じる事が増えて来てくる(そのギャップが目に付くようになってくる)。

3年目くらいには、1つ1つは小さかったはずの予定と現実とのギャップが、チリも積もれば山の例えそのままに重く大きくなっていて、同時に気力・体力ともに疲弊している自分自身に気がついてしまう。 

本来フルマラソンを走るような事業経営ロードを800m走くらいのペースで走り続ければならないから、疲弊するのは当然だ。
いい結果が生まれていればランナーズハイは継続できるが、夢を見られる材料が見当たらない中で走り続けるには尋常ではない精神力(もしくは外圧的な強制力)か 天然天性のマエムキ資質が必要だ。 

4年目以降になって残っている事業(というかヒト)は、何らか「続けられる理由」を自分なりに確立できているケースが多い(気がする)。 
家族に迷惑かけない程度(かそれ以上)に稼ぎ始めたか、そもそも日本に全く別の稼いでる本業(金のなる木)があるか、優しい&懐の深い足長おじさんに出会えたか、ハイになれるステキな夢を継続摂取する術を体得したか、etc、その理由は様々だ。  

ちなみに撤収時も静かだが、安定以上に稼ぎ出した事業(というかヒト)も静かになる傾向がある。
ヒトは失敗した時も成功した時も他人に言いたくなくなるものらしい。 そのどちらかに帰着する途中過程で、ついつい賑やかになりがちなのは、営業・広告といった対外周知活動的な理由の他に、むしろ自分自身に言い聞かす事による自力アドレナリン醸成努力も必要になってくるからだ(たぶん)。

静かな撤収ケースの数々、、の裏には、にぎやなか誕生話や復活話も目白押し。

プノンペンの某サービスアパートメントの地上階でレストランを任されていた方々が独立(たぶん)して8月にオープンした新和食レストラン「DASHI」は、プノンペンの和食レベルの次元をまた1つ上げた味と品質の和食を提供、早くも評判を呼んでいるらしい。


本当に美味かった「焼き秋刀魚の釜飯」@DASHI。 7ドル。


さらに今夜、新たにプノンペン中心地にオープンした高級和食店「YUZU」のグランドオープンにご招待頂いた、感謝。 
妙に長かった(?)ソフトオープン期間に何度か寄らせて頂いたが、筆者的には結構好きなお店である。 


グランドオープニング・セレモニーでまさかのマグロ解体ショー。プノンペンで見られるとは。

マグロ尽くしをホントに無料で大盤振る舞い。 写真は解体したてのマグロの炙り。。


ボンケンコンの新生「すぎたつ」バッタンバンの餃子の名店など、一度閉店したものの見事に復活を遂げてくれた嬉しいお店もある。

(筆者的には)皆いいお店だと思うので、ぜひ末永く続いてほしい本当に。 
微力な1ファンにすぎない筆者としては、極力足繁く通わせて頂くくらいしかできる事はないが。

いったん店仕舞いした人々がプノンペンで再起して別業態で開業するケースも散見されるプノンペン。 誕生、撤収、復活、と、何か輪廻転生みたいな状況が当面続きそうだ。

その明暗を内情と共に垣間みられるのもプノンペンにいる面白味の1つ、と言えなくもない。 何にせよ、いいお店が末永く繁盛してくれるのを祈る(&通う)のみである。