2015/10/29

歪みが生んだ美味しい特典:保険のおかげで快適生活 in カンボジア

もう10月もほぼ終わり、今年も残すところあと2ヶ月強。 
本ブログ投稿は今月たったの2回目。 また20日以上間が空いてしまい、我ながらもっと手短か・気軽にアップできないものかと少し頭を悩ませたりしている。

間が空いた理由としては、カンボジアの本業の方で精神的にも業務的にもパンパンだったから、、という毎度の言い訳が主ではあるが、今回特有の理由として挙げられるのは、日本に出張に行っていた10月中旬の約1週間、愛機のパソコンが手元になかった事だ。

日本出張前のカンボジアにて通常業務中、ふとした事から愛機パソコン(古めのMac Book Air)のキーボードがおかしくなった。 
キーボード右下の3つ続きのボタン「M」「、」「。」が反応しなくなった、、というのがその変調である。

この3つが打てない状態での日本語入力はかなり至難の業である事はすぐ判明した。

ビジネスメールの枕詞「お疲れさ"ま"です」に始まり、ほぼ全ての文章が「"ま"す」で終わる日本語文章では、”ま(MA)”が打てないのはかなりの致命傷となる。
かつ句点(。)と読点(、)もダメになっているものだから、文章を区切るたびにタイピングに急ブレーキがかかる。 

実際どうやってかというと、以下のようなキーボードビューアーを出して、「M」「、」「。」のたびにクリックしていたわけで。。


Macのデフォルト日本語入力ソフト「ことえり」の機能の一つ、キーボードビューアー。ま行のたびにここをクリック。。。

代替機パソコンなんて気の利いたものは常備していない状況で、しかも”ま”が打てない状況では長い日本語文章は書けないし、修理に出した愛機がApple指定の修理屋さんに丸4日間入院してたし・・・あたりが冒頭の「特有の理由」(というか言い訳)にあたるわけだが、本稿のトピックはそんな言い訳ではなく、この修理代を「クレジットカード付帯海外旅行保険」(以下「カード海外保険」)にほぼ負担して頂いてしまったという事実に関するエトセトラである。


変調(というか故障)はカンボジアで起きた。
が、別に凸凹の田舎農道をひた走る車内だったとか、混雑したプサー(市場)で人波に揉まれまくったとか、いかにもカンボジア特有の事情で起きたわけではなく、ただその壊れたタイミングでカンボジアにいた、というだけである。 
ちなみに現場は首都プノンペンの空調効いた快適なカフェで、故障は普通にメール打っていた最中に起った。

故障した後、いろいろとお世話になっているMさんとの雑談中に「ちなみに今、私のMac、”ま”が打てなくてキツいんす。。」とこぼしたところ、「それって保険が使えますよきっと」との素晴らしい天啓を頂いた。 Mさん、感謝です。

カード会社のサービスデスクに電話し、教えてもらった保険会社連絡先に電話。「海外からですと通話料高いでしょ」とホスピタリティ満点な折り返しお電話を頂いて、いろいろご丁寧に説明を受けた。 で、日本宅に送られた書類に、日本滞在中に諸々記入して投函。  


何枚か記入する書類が送られてきたが、それほど面倒なものはなく、事前の電話説明もとても丁寧でした。

その後2週間ほどで日本の銀行口座に保険金28,212円が静かに振り込まれていた。
(消費税込みの修理代金総額31,212円から自己負担3,000円差し引かれた金額)

日本のカフェで故障していたら当然自腹である(Appleの保証期間はとうに過ぎている)。カンボジアのカフェで故障したら9割戻って来た。 ・・何か邪な思いがふと頭をもたげてしまいそうで怖い(もたげないけどw)。

特に高い年会費がかかるわけでもない普通のクレジットカードにも付帯しているこのカード海外保険には、医療の方でかなり何度もお世話になっている。 
今後もカンボジアにいる限り、当面はしっかりした日本人のお医者様による治療をタダで、しかもキャッシュレス(その場の支払いも不要、保険会社が病院に払ってくれる))で受けられる特典待遇が続きそうである。
(参考ブログ:「驚きの即効性&キャッシュレス:医療inプノンペン」)


このカード海外保険、どうやら各保険会社にとっては「止めたいのに止められない赤字商品」らしい・・という話もある。 

圧倒的大多数の日本人が現状たまにしか海外旅行に行かない中、たいして高い保険料を取れるわけもなく、実際にこの保険をフル活用して便益享受しているのは相当「事情通」な輩(筆者もその末席に?w)が多く、保険料収入<<保険金支払い、が常態化している状況・・・にも関わらず、どの保険会社もこれを横並びでラインナップしているので、自社だけ止めるわけにもいかない・・的な鬼っ子商品らしい。

普通はすぐに消滅してしまう「歪み」がイビツな競争状況のせいで消滅せずに残存してしまうこの手のケースは、その「歪み」に気付いて触れられる人からその恩典をフル享受すれば良い。。。という私見のもと、今後もお世話になり続ける所存である。



一方、カンボジアでの保険サービスにも強力なものがある。 
現地保険会社(大手3社)が競争にしのぎを削る中で生まれた、極めて高い防御力を発揮する自動車保険である。

カンボジアでは車に関する小さいトラブルや故障(サイドミラーが盗られたとか・・)などは少額ですぐ治せる(異常に早いw)一方、運転中の人身事故や他人所有資産の物損などは、相手との交渉が極めて面倒である。 

仮に現地人相手に事故を起こした場合、事故の原因がどう見ても相手にあったとしても、事故周辺にいる人々や警察までもがほぼ全員相手(現地人)の味方になるし、英語で対応してくれるわけもないし、外国人が単身で奮闘するには極めて過酷な状況となる。

その場合、外国人がすべき事は保険会社に電話すること、誰とも何もしゃべらないこと。
それで保険調査員がくれば、あとは全て丸投げ。 これで全て(示談交渉から決済まで)がほぼ解決する・・らしい。 筆者は幸運な事にまだこういった人身事故や物損事故で保険のお世話になったことはないが、経験者から伺うに「最強の守護神」と崇めるに足るパフォーマンスだとかw

現状カンボジアにおいては、相手を死亡させてしまう人身事故でも補償の相場は数千ドル程度と言われる。  
実際、最近とある地方で通勤中だった多数の工場労働者に観光バスが突っ込んでしまう痛ましい交通事故があり、カンボジアの地方裁判所が加害者の会社に命じた遺族への賠償金支払額は各3,000ドルだったというから、実際そのあたりが相場なんだと思われる。

人命に対して安すぎる相場についての是非はさておき、当然示談などの交渉は外国人にはハードルが高すぎるわけで、そんな時に頼りになる守護神が年間300ドル〜700ドルくらいの保険料負担で雇えるという状況である事は間違いない(金額は車種による)。

日本とカンボジア、各々の保険業界の熾烈な競争状況のおかげ(?)で生まれた、保険ユーザーに有利すぎる恩典の数々。 
保険会社から見れば言葉通り止められない「出血大サービス」絶賛継続中である。

美味しく歪んだ保険サービスを上手に活用して新興国ライフを♪



2015/10/03

「カンボジア進出に役立つ公的サポートって何ですか?」と聞かれたら

カンボジア事業を始めて8年目に突入したこの9月、いつもの月以上にあっという間に駆け去って、もう今年も第4四半期。 あと3ヶ月弱で今年も終わりである。

ビジネス関連の話で詳細は書けないが(というか仕事の話は全然書けない事ばかりだ最近。。。)、この9月はいろんな状況が一気に大きく変わった。 
いくつか事業を営んでいる事もあって、各々は直接のつながりが全くない事も多いのだが、それら各々の事が急変する時は何故か同じタイミングで一気に起こる、という、、こういうの、確か何とかの法則とか言う類であったような気がする。 
新しい事が急に始まったり、既存の事の状況・周辺が激変したり、、まあ、基本前向きな話(前向きに捉えるべき話)ばかりなのだが。

2015年9月は弊社事業にとって何らかターニングポイントになる月になる(後から振り返れば)事はたぶん間違いないので、起った事を日付ベースでメモに書き残しつつ、また半月近く放置してしまった本ブログでは全く別のお話を。 


ここ最近何回かあった話だが、日系企業のアジア進出ブームがまだ続いているからなのか、それともピークを超えたあたりだから見られる現象なのか、弊社のような地味で目立たない所にまで「日系企業の進出をサポートするための有用な情報収集」のためのインタビュー面談依頼を頂いたりする。 
ズルズルと長いこといろいろな事をやってる弊社から、あわよくば何かネタになる話を拾えれば、と思って頂けるのか、わざわざ訪ねて来て頂いたりする事が続いた。

来られるのはやや公的な匂いがする肩書きやお題をお持ちの、しっかりした感じな調査会社さんやコンサル系の方々。 公的な匂いというのは、要は日本政府のご予算で動いている方々というニュアンスだ。 

この類の方々が動き出すのはだいたい事の終盤戦・・な気がするせいで、なんとなくブームのピークアウトの予兆を感じてしまったりするのは、単なる個人的な経験則に基づく所感であり、客観的な根拠があるわけではない。

ちなみその偏った経験則の基となっているは、筆者がカンボジア事業始める前に勤めていた頃の経験である。
その会社は著名な某戦略系コンサル会社幹部の方々が「いよいよベンチャー投資をしよう」と2000年に独立・起業した会社だが、後で振り返って見れば日本のベンチャー投資第一次勃興期のがまさにピークアウトしてるなうなタイミングだった(そのあと数年は残り香が続いたおかげで当社も上場できたりしたけど)。

頭の良い人々が「いよいよ満を持して」事に踏み切るタイミングというのは、「だってあんなヤツラが先行しただけで散々いい思いをしてるじゃないか」という忸怩たる思いを散々感じ続けた後で、「やはりこのブームは一過性のものではなくホンモノなんじゃないか」といよいよ決断するに至った時、である事が多いので、つまりそれは諸事のピークアウトタイミングと重なりがちである、、、というどうしようもなく浅い仮説がその偏った経験則所感の根拠である。 

それはさておき、そういう公的な方々が
「(日本の税金を財源として)日本の企業が東南アジア進出するのをおおいにサポートしたいのですが、何をしてあげるのが一番喜ばれるでしょうか?」
と聞いて回ることは、何をいまさら感など一切感じる事なく、個人的にはとても良い事だと考えている。
何をするにつけても遅すぎるという事はないし、そういう事に(正しく)税金が投入される事は、おそらく日本にとっても喜ばしい事に違いない。


ちなみにこの類の件でわざわざ弊社まで訪ねて来られる方々は、現地でより目立つ有力・有能な先を既にいくつも回られたうえで、調査の終盤戦でついで程度に弊社にもお立寄り頂くケースが多いようで、すでにいろいろ得られているのであろう情報から「カンボジアって結構ムズカしい所っぽい・・ですよね。。そうでもないですか?」と香ばしい方向へ話が展開したりする。

筆者的には会話の上でとても面白い反応が見られるポイントであり、いったいどこで誰に何を聞いてきたのか、ときに極めて興味をそそられたりする(わざわざ聞かないけど、話してくれる分には清聴するw)。

しかしこちらからお返しできる話としては、この公的な類の質問への回答はほぼ決まっているから、録音したものをお流しする等の形でも実効性だけで見れば全く遜色ないのだが、とは言えわざわざご足労頂いた以上そういうわけにもいかない。 ちなみにどういう回答かと言うと;
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①事を始めるためのタネ銭を補助してあげて。 かかったお金を後払いで(面倒な書類書かせて)清算という形じゃなくて、ドカンと先に与えてあげて。 

②現地で頼りになる水先案内人をお墨付きで紹介してあげて。

で、①と②を比べると②が圧倒的にムズカしいから、シンプルに①を(極力簡単な方式で)用意してあげて、以上。
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要は「四の五の言わず税金を回してあげて。公的にできる事でもっとも有り難がられるのは事に先立つそれ(カネ)ですよ。」という身も蓋もない話である。

しかしとはいえ、身も蓋もないおカネ以外の付加価値も彩りに添えたいというお気持ちも理解できるし、その分かりやすいネタの一つが②のリストだったりするようなのだが、本当に真相に迫る②のリストはそうそうたやすく出来上がるものではない。 

狭いカンボジアの邦人社会、隣近所がしがらみあう中、町内を最近1、2周され始めたご新規さんに既存住民の風評善し悪しを尋ねられても、本当に詳しい人ほどまず話さないですよ。。まあ1年くらいプノンペンに住んでみて毎日のように邦人が集まる場所や会に顔を出していれば、嫌でも見えてくる事があるかも知れないですけどw・・・・というような話も勢いついでに申し添えたりする。

・・微力な弊社にわざわざ来て頂いてもこんな程度の話しかできません、、悪しからず。
で、ホントに誰も来てくれなくなったら、、「そういう方々はきっとこのブログをお読み頂いているんだ」と前向きに解釈する心の用意はできておりますw  


あ、今回は話のネタに関する写真が一つもない・・のでなんとなく今朝バッタンバンの田舎道で撮った写真をw
狭い選択肢の中どのルートを採ったところで凸凹は回避不可である。。せめて最小ダメージなルートをw