4月1日の投稿からまたすっかり間が空いてしまった。
先週は4月14日〜16日がクメール正月(カンボジアの正月)にあたり、正月前(つまり前回ブログ投稿後)から現場業務やら他誌原稿やらでかなりドタバタしていて、正月期間は日本出張でドタバタしていて、、というのがその間が空いてしまった 理由 言い訳である。
カンボジアだけではなくタイおよびその周辺国の正月がなぜ4月中旬なのか。
元々はこの辺りの仏教的な旧暦が、太陽の動きが新しい周期に入るタイミング(牡羊座に入るとか入らないとか・・)であるこの時期を新年に設定していた、、的な話が起源とのことらしい。(かなり不正確なのであてにしないでください・・。)
とはいえ今はそんな天文学的な話は誰も気にしておらず、ちょうど乾期の農作業の仕込み(耕耘、種蒔きなど)が3月で終わり、あとは4月後半から降り始める雨を待つだけのヒマな時期&しかも1年で一番暑い時期、というどうせ何もする事がない&暑すぎて何もできない時期だから、いっそのことお休みにしてしまいましょう、という極めて実務的な色彩の強い要請から設定された正月期間である、というのが一般認識らしい。(これもやや不正確かも、すみません。)
上記趣旨に鑑み、この時期はタイでは暑気払い&雨乞い儀式を兼ねてお互い迷惑を顧みず水を掛け合いまくるソンクラーン(正式にはタイの旧正月の意味だが「水掛祭り」と解される事も)期間にあたる。
我らがカンボジアでも昔はタイと同じように水を掛け合う期間だったそうだが、水かけられたバイクが事故ったとか2階から氷の塊を投げまくった輩がいたとか、いろいろあって今は一応(法律かフンセン首相口頭命令で)禁止されているらしい。(これも裏取りしてません、、間違ってたらすみません。)
で、まあ本来は4月17日(今年は金曜日)が正月明けであるわけだが、正月明けがいきなり華金という今年の暦で東南アジアが即時起動するわけもなく、実質的には本日4月20日(月)が新年始動の初日ということになる。
カンボジア全国平均的にはかなり低血圧な朝的なスロースタートとなると思われるが、バッタンバンあたりの弊社ガツン系部隊は顧客も追いつけないくらいのトップギアでいきなり走り始めている(と信じる)。
さて、カンボジア新年最初の本稿としてはせっかくなので弊社本業であるカンボジア農業ネタからスタートしたいと思う。
現地報道(プノンペンポスト紙)で正月期間に興味深い農業関連記事が二つ出ていた。
1つ目は、カンボジア農林水産省(Ministry of Agriculture, Forestries and Fisheries)が農業普及政策(Agricultural Extension Policy)として、農民への新技術や情報を積極的に提供し農業セクターを一気に改善・拡大するさせる、と大々的(?)に打ち出した、という内容。
担当省庁のDirectorが「2ヶ月で仕上げる」と豪語した5つの具体的施策、の内容を報道で見る限り、これがとてもイタい内容となっている(筆者私見)。
以下、その具体的施策5か条;
・農業普及フレームワークの強化
・担当職員、エージェントの能力強化
・農家が購入可能な実践的農業技術の導入
・情報および伝達手法の改善
・情報配信システムの改善
具体的に何をやるのか、中身が全く見えて来ない。 耳ざわり重視の極めて薄口な経営コンサル初期提案書の目次を彷彿とさせるこの5大施策。
筆者が7年前まで7年間お世話になった某戦略コンサル会社でこのようなお題目を諸先輩前にチラッとでも出そうものなら、その場でボロボロになるまで”焼かれる”(会議で諸先輩方から成果物・その作成過程・かけた時間・努力の完全否定ひいては全人格否定・精神崩壊にいたるまで論理的に完膚なきまで口頭フルボッコされる、を意味するコンサル用語)事は間違いなく、あれから7年以上経った今でもまだその悪寒を感じてしまう自分を再発見させれてくれた、ほろ苦い報道内容であった。
そんな薄口系な施策が列挙されるなか、唯一「具体的」だったのが、その担当省庁Directorいわくの「農業普及専門家が少なくてもあと2,000人は必要である」との言。
具体的なアウトプット(≒結果責任)が全く見えない耳ざわりの良い「空洞なお題目」に、2,000人の役人が新規採用・投入されるかもしれない、、、というお役所にとってとても明るいの話。
2つ目は、カンボジア農業従事者の人数が堅調に減少していて、その多くが都会への出稼ぎを本業化させ始めている、という話。
「農業の国カンボジア」は、いま深刻な「農業空洞化」に直面している、、というか、けっこう以前から直面しはじめて久しい。
労働人口のうち農業従事者が占める比率が、2009年には57.6%、2010年には54.8%、2013年には48.7%まで下落しているらしい。
しかも、民間調査会社によると、上記の国の発表よりも実情は更に悪化しており、農業からの更なる労働人口流出が続いているという。
当然、上記の薄口5か条を高らかに宣言した同省の管轄範囲にある憂慮すべき問題であり、ライスポリシー(そういえば今年が期限)を最重要国策の1つとして掲げるフンセン首相からも「農林水産省、何とかせよ」と直々のお達しが発せられている模様。
どうやらその際のフンセン首相のお言葉の中に「旧態依然の労働集約型の農業から、現代的な新技術を用いた農業に切り替えてコスト削減をはかれ」的な内容が含まれていたようで、それが前述の「薄口系の記事」につながっているようだ。 「2ヶ月でなんとかしろ」などとも言われた・・・のかもしれない(報道記事にはない)
苦しくも同時期にリリースされた2つの記事だが、お役所いわくの「具体的施策」では憂慮すべき「農業空洞化」への歯止め効果は薄めに終わりそうな気もする。
いくら2,000人の農業専門家がお役所から派遣されてきて「新技術や情報」を「伝達」したとしても、実際に農業が儲かるビジネスにならない限り(というか「儲かりそうだ」と農家自身が信じられない限り)都会に稼ぎに出る元農家の増加を食い止められるわけがない。
微力ながら、この辺りのお話で少しでもお役に立てればと密かに思っている零細企業な弊社である。 さて今年3度目の新年、引き続きがんばります。
先週は4月14日〜16日がクメール正月(カンボジアの正月)にあたり、正月前(つまり前回ブログ投稿後)から現場業務やら他誌原稿やらでかなりドタバタしていて、正月期間は日本出張でドタバタしていて、、というのがその間が空いてしまった
カンボジアだけではなくタイおよびその周辺国の正月がなぜ4月中旬なのか。
元々はこの辺りの仏教的な旧暦が、太陽の動きが新しい周期に入るタイミング(牡羊座に入るとか入らないとか・・)であるこの時期を新年に設定していた、、的な話が起源とのことらしい。(かなり不正確なのであてにしないでください・・。)
とはいえ今はそんな天文学的な話は誰も気にしておらず、ちょうど乾期の農作業の仕込み(耕耘、種蒔きなど)が3月で終わり、あとは4月後半から降り始める雨を待つだけのヒマな時期&しかも1年で一番暑い時期、というどうせ何もする事がない&暑すぎて何もできない時期だから、いっそのことお休みにしてしまいましょう、という極めて実務的な色彩の強い要請から設定された正月期間である、というのが一般認識らしい。(これもやや不正確かも、すみません。)
上記趣旨に鑑み、この時期はタイでは暑気払い&雨乞い儀式を兼ねてお互い迷惑を顧みず水を掛け合いまくるソンクラーン(正式にはタイの旧正月の意味だが「水掛祭り」と解される事も)期間にあたる。
我らがカンボジアでも昔はタイと同じように水を掛け合う期間だったそうだが、水かけられたバイクが事故ったとか2階から氷の塊を投げまくった輩がいたとか、いろいろあって今は一応(法律かフンセン首相口頭命令で)禁止されているらしい。(これも裏取りしてません、、間違ってたらすみません。)
で、まあ本来は4月17日(今年は金曜日)が正月明けであるわけだが、正月明けがいきなり華金という今年の暦で東南アジアが即時起動するわけもなく、実質的には本日4月20日(月)が新年始動の初日ということになる。
カンボジア全国平均的にはかなり低血圧な朝的なスロースタートとなると思われるが、バッタンバンあたりの弊社ガツン系部隊は顧客も追いつけないくらいのトップギアでいきなり走り始めている(と信じる)。
さて、カンボジア新年最初の本稿としてはせっかくなので弊社本業であるカンボジア農業ネタからスタートしたいと思う。
弊社農業拠点バッタンバンでの新米テストファームにて |
現地報道(プノンペンポスト紙)で正月期間に興味深い農業関連記事が二つ出ていた。
1つ目は、カンボジア農林水産省(Ministry of Agriculture, Forestries and Fisheries)が農業普及政策(Agricultural Extension Policy)として、農民への新技術や情報を積極的に提供し農業セクターを一気に改善・拡大するさせる、と大々的(?)に打ち出した、という内容。
担当省庁のDirectorが「2ヶ月で仕上げる」と豪語した5つの具体的施策、の内容を報道で見る限り、これがとてもイタい内容となっている(筆者私見)。
以下、その具体的施策5か条;
・農業普及フレームワークの強化
・担当職員、エージェントの能力強化
・農家が購入可能な実践的農業技術の導入
・情報および伝達手法の改善
・情報配信システムの改善
具体的に何をやるのか、中身が全く見えて来ない。 耳ざわり重視の極めて薄口な経営コンサル初期提案書の目次を彷彿とさせるこの5大施策。
筆者が7年前まで7年間お世話になった某戦略コンサル会社でこのようなお題目を諸先輩前にチラッとでも出そうものなら、その場でボロボロになるまで”焼かれる”(会議で諸先輩方から成果物・その作成過程・かけた時間・努力の完全否定ひいては全人格否定・精神崩壊にいたるまで論理的に完膚なきまで口頭フルボッコされる、を意味するコンサル用語)事は間違いなく、あれから7年以上経った今でもまだその悪寒を感じてしまう自分を再発見させれてくれた、ほろ苦い報道内容であった。
そんな薄口系な施策が列挙されるなか、唯一「具体的」だったのが、その担当省庁Directorいわくの「農業普及専門家が少なくてもあと2,000人は必要である」との言。
具体的なアウトプット(≒結果責任)が全く見えない耳ざわりの良い「空洞なお題目」に、2,000人の役人が新規採用・投入されるかもしれない、、、というお役所にとってとても明るいの話。
2つ目は、カンボジア農業従事者の人数が堅調に減少していて、その多くが都会への出稼ぎを本業化させ始めている、という話。
「農業の国カンボジア」は、いま深刻な「農業空洞化」に直面している、、というか、けっこう以前から直面しはじめて久しい。
労働人口のうち農業従事者が占める比率が、2009年には57.6%、2010年には54.8%、2013年には48.7%まで下落しているらしい。
しかも、民間調査会社によると、上記の国の発表よりも実情は更に悪化しており、農業からの更なる労働人口流出が続いているという。
当然、上記の薄口5か条を高らかに宣言した同省の管轄範囲にある憂慮すべき問題であり、ライスポリシー(そういえば今年が期限)を最重要国策の1つとして掲げるフンセン首相からも「農林水産省、何とかせよ」と直々のお達しが発せられている模様。
どうやらその際のフンセン首相のお言葉の中に「旧態依然の労働集約型の農業から、現代的な新技術を用いた農業に切り替えてコスト削減をはかれ」的な内容が含まれていたようで、それが前述の「薄口系の記事」につながっているようだ。 「2ヶ月でなんとかしろ」などとも言われた・・・のかもしれない(報道記事にはない)
テストファームで作業中の弊社スタッフ達 |
苦しくも同時期にリリースされた2つの記事だが、お役所いわくの「具体的施策」では憂慮すべき「農業空洞化」への歯止め効果は薄めに終わりそうな気もする。
いくら2,000人の農業専門家がお役所から派遣されてきて「新技術や情報」を「伝達」したとしても、実際に農業が儲かるビジネスにならない限り(というか「儲かりそうだ」と農家自身が信じられない限り)都会に稼ぎに出る元農家の増加を食い止められるわけがない。
微力ながら、この辺りのお話で少しでもお役に立てればと密かに思っている零細企業な弊社である。 さて今年3度目の新年、引き続きがんばります。
農業従事する事でリッチになれる若者を増やしていけるかがポイント(私見) |
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