2015年も残すところもう10日を切った。 本当にあっという間に過ぎ去った感ある本年、筆者としては事業的にも個人的にもいろんな意味で濃厚な一年であった。 関係者皆様、本当にいろいろとお世話になりました。来年もひとつまた、よろしくお願いいたします。
さてこの時期、カンボジア的には日本のような正月モードにはならないとか、クリスマスには本気出すモードになるとか、その辺りの時候の挨拶的なカンボジアネタは前回サラッと書いたので、今回はちょっと飛び地の不思議なお話を。
プノンペン唯一の政府公認カジノ&ホテルである「ナガワールド」を運営する「ナガコープ」が、地中海の小さな島国「キプロス」で開発されるカジノリゾートの運営権の入札に参加する、と報道された。
「ナガコープ(Naga Corp Ltd.)」は2003年に香港に設立された「ナガワールド」運営会社で、カンボジア政府から首都プノンペンおよびその周辺地域におけるカジノ独占営業権(1995年から70年間)を取得していると言われており、2006年10月には香港証券取引所に上場している(いわゆる外国人も投資できる中国株の一銘柄)。
現在プノンペン中心地にそびえる「ナガワールド」に続いて、その隣接地に「ナガ Ⅱ」(?)なるカジノホテル&商業施設(?)も絶賛建築中であり、かつまた既に絶賛営業中の「ナガワールド」も増築工事がなかなか完了しないまま(いつも敷地内にクレーンが設置されている)、建物の入り口の位置や内部の施設配置が常に目まぐるしく変化を続けている。
ミッキーマウスの生みの親で知られるウォルト・ディズニー氏が「ディズニーランドは永遠に完成しない」と述べたのは世界的に有名な話だが、まさかそのあたりを意識してずっと完成させないつもりなんではないか、、と勘ぐってしまえるほど、永遠に増築工事を続けられる体力がありそうな、何にせよ絶好調な香港上場企業である。
で、そのカンボジアの絶好調カジノホテルの運営会社が、距離にして5,000Km近く離れた地中海の小さな島国のカジノリゾート開発にわざわざ手を出す(カンボジアの開発もまだ完成してないのに、、永遠に完成しないのかもしれないがw)、という不思議な報道。
キプロスはアナトリア半島(トルコ共和国のアジア側)の南、地中海の東端に浮かぶ風光明媚な島国で、イギリス連邦加盟国でもありEUにも加盟しているれっきとした共和国である(正式名はキプロス共和国)。
古くからエジプトとメソポタミアをつなぐ海上交通の要衝にあり、古代オリエント諸国、エジプト王朝、ローマ帝国、ヴェネツィア共和国、と歴代の大国から支配を受けて来た。 その古い歴史の時代からギリシャ系住民が数多く住んでいた(今でも公用語はギリシャ語だ)が、16世紀にオスマントルコに征服されるやトルコ系住民が大量に移住し、以来ギリシャ系住民とトルコ系住民が対立する構図が続いている。
現在、ギリシア系はキプロス共和国(南キプロス)、トルコ系はキプロス連邦トルコ人共和国(北キプロス)に分かれており、北キプロスは国連加盟国の承認をほぼ受けていない(トルコのみ承認)ため、一般にキプロスというと南のキプロス共和国(ギリシャ系の方)を指す。
もともと漁業と観光しか産業のない小さな島国であったのに加え、この民族間対立・紛争も重なり、国家としては極めて貧しい状況が続いたキプロスだったが、その打開策として見出した戦略が金融立国への道、つまりタックスヘイブン化であった。
イギリス統治下であったため英語が普及していた事など、そもそも金融立国化に適した素養を有する国ではあったが、このキプロスの存在感が一気に大きくなったのは巨額のロシア・マネーの大きな受け皿となってからだ。
もともとロシアとギリシアには宗教的・文化的つながりが深く、またロシア人の地中海への憧憬もあって(だからカンボジアにいるロシア人もシアヌークビルが大好きだ)、キプロスはロシア富裕層に人気の高い観光リゾートとなっていた。
ソ連が崩壊し自由化した後のロシアでは政治的混乱が続き、自由化のどさくさで財をなしたロシア富豪達は、その富を守るためにやっきになって海外に財を移転しようとした。そのタイミングとキプロスが金融立国に向け舵を切ったタイミングがうまい具合に合致した。
こうしてキプロスは金融事業を軸に90年代に急速な成長を遂げ、キプロスの1人あたりGDPは3万ドルに達し、欧米の先進国と肩を並べるまでになった。
・・・・とまあ、「キプロス」の説明がえらく長くなってしまったが(多くの日本人にとってはかなり馴染みの薄い国だしw)、この「キプロス」が結構話題になったのは2012年に起きたギリシャ危機の時である。(今年起こったものではなく、その前)。
つまりロシアマネーが「キプロス」を通じてカンボジアに来ていたわけで、そのマレーシア大手が支払った1億5500万ドルも、おそらくは「キプロス」に送金されていたはずだ。
例えば仮にロシアから「キプロス」に持って来たルーブル(ロシア通貨)やらユーロやらを、カジノで増やして(増やせなくてもカジノ・コイン化して)、 VIPのコイン残高をデータ管理にしてそのコインをカンボジアの兄弟カジノ「ナガワールド」でも使えるようにしたら・・・絶賛米ドル経済なカンボジアで引き出したコインを自由に米ドルに交換できるじゃないか。
これって2つの主権国家が正規ライセンスを与えた香港上場会社が正規に運営する両国カジノを通じた地◯銀行、、、いや、無駄でも今時のIT技術をかませて枕詞に「フィンテック」と銘打てば当面は錦の御旗となってアングラ扱いされなそうだし、香港上場している「ナガコープ」も「フィンテック銘柄」になって株価急騰、「キプロス」のカジノもどこかに上場させちゃうのも夢じゃない ♪
さてこの時期、カンボジア的には日本のような正月モードにはならないとか、クリスマスには本気出すモードになるとか、その辺りの時候の挨拶的なカンボジアネタは前回サラッと書いたので、今回はちょっと飛び地の不思議なお話を。
プノンペン唯一の政府公認カジノ&ホテルである「ナガワールド」を運営する「ナガコープ」が、地中海の小さな島国「キプロス」で開発されるカジノリゾートの運営権の入札に参加する、と報道された。
「ナガコープ(Naga Corp Ltd.)」は2003年に香港に設立された「ナガワールド」運営会社で、カンボジア政府から首都プノンペンおよびその周辺地域におけるカジノ独占営業権(1995年から70年間)を取得していると言われており、2006年10月には香港証券取引所に上場している(いわゆる外国人も投資できる中国株の一銘柄)。
現在プノンペン中心地にそびえる「ナガワールド」に続いて、その隣接地に「ナガ Ⅱ」(?)なるカジノホテル&商業施設(?)も絶賛建築中であり、かつまた既に絶賛営業中の「ナガワールド」も増築工事がなかなか完了しないまま(いつも敷地内にクレーンが設置されている)、建物の入り口の位置や内部の施設配置が常に目まぐるしく変化を続けている。
ミッキーマウスの生みの親で知られるウォルト・ディズニー氏が「ディズニーランドは永遠に完成しない」と述べたのは世界的に有名な話だが、まさかそのあたりを意識してずっと完成させないつもりなんではないか、、と勘ぐってしまえるほど、永遠に増築工事を続けられる体力がありそうな、何にせよ絶好調な香港上場企業である。
で、そのカンボジアの絶好調カジノホテルの運営会社が、距離にして5,000Km近く離れた地中海の小さな島国のカジノリゾート開発にわざわざ手を出す(カンボジアの開発もまだ完成してないのに、、永遠に完成しないのかもしれないがw)、という不思議な報道。
キプロスはアナトリア半島(トルコ共和国のアジア側)の南、地中海の東端に浮かぶ風光明媚な島国で、イギリス連邦加盟国でもありEUにも加盟しているれっきとした共和国である(正式名はキプロス共和国)。
古くからエジプトとメソポタミアをつなぐ海上交通の要衝にあり、古代オリエント諸国、エジプト王朝、ローマ帝国、ヴェネツィア共和国、と歴代の大国から支配を受けて来た。 その古い歴史の時代からギリシャ系住民が数多く住んでいた(今でも公用語はギリシャ語だ)が、16世紀にオスマントルコに征服されるやトルコ系住民が大量に移住し、以来ギリシャ系住民とトルコ系住民が対立する構図が続いている。
現在、ギリシア系はキプロス共和国(南キプロス)、トルコ系はキプロス連邦トルコ人共和国(北キプロス)に分かれており、北キプロスは国連加盟国の承認をほぼ受けていない(トルコのみ承認)ため、一般にキプロスというと南のキプロス共和国(ギリシャ系の方)を指す。
もともと漁業と観光しか産業のない小さな島国であったのに加え、この民族間対立・紛争も重なり、国家としては極めて貧しい状況が続いたキプロスだったが、その打開策として見出した戦略が金融立国への道、つまりタックスヘイブン化であった。
イギリス統治下であったため英語が普及していた事など、そもそも金融立国化に適した素養を有する国ではあったが、このキプロスの存在感が一気に大きくなったのは巨額のロシア・マネーの大きな受け皿となってからだ。
もともとロシアとギリシアには宗教的・文化的つながりが深く、またロシア人の地中海への憧憬もあって(だからカンボジアにいるロシア人もシアヌークビルが大好きだ)、キプロスはロシア富裕層に人気の高い観光リゾートとなっていた。
ソ連が崩壊し自由化した後のロシアでは政治的混乱が続き、自由化のどさくさで財をなしたロシア富豪達は、その富を守るためにやっきになって海外に財を移転しようとした。そのタイミングとキプロスが金融立国に向け舵を切ったタイミングがうまい具合に合致した。
こうしてキプロスは金融事業を軸に90年代に急速な成長を遂げ、キプロスの1人あたりGDPは3万ドルに達し、欧米の先進国と肩を並べるまでになった。
・・・・とまあ、「キプロス」の説明がえらく長くなってしまったが(多くの日本人にとってはかなり馴染みの薄い国だしw)、この「キプロス」が結構話題になったのは2012年に起きたギリシャ危機の時である。(今年起こったものではなく、その前)。
当時ギリシャが財政破綻に陥り、EU主導でギリシャ国債を保有する金融機関などは最大50%もの債権放棄を強いられた。 その問題となったギリシャ国債を「キプロス」はかなり大量に購入していた。
「キプロス」にはその素性や出所を(ほぼ)問わない諸々のロシアマネーが大量に流入し、現地金融機関にはそれを運用する責務があった。
そこで自分たちをギリシャ人だと思っている「キプロス(南キプロス)」の金融マンが当然のように「安全かつ高金利」と思って買い続けたのがギリシャ国債だ。
そのギリシャ国債がほぼデフォルトに近い状況となったとき、「キプロス」が取った選択は、は、10万ユーロ(約1200万円)までの少額預金を全額保護し、それを超える大口預金をペイオフ(保護対象外)とする事だった。要は大口預金者の預金額を没収する(債権放棄の原資に充てる)と宣言したに近い。
このような暴挙(?)がまかり通ってしまった(議会を通ってしまった)のは、大半の「キプロス」国民自身は少額預金者の枠を出ず、大口預金者はほぼ全てロシアマネー(後ろめたくて反論できないお金)だったからだろう。
・・・ますます長くなってしまったが、この話がなんで筆者にひっかかったかというと、ちょうど当時、カンボジア携帯通信会社の合従連衡が盛んになりはじめた時期で、いまや飛ぶ鳥を落とす勢いのSmartが、当時あったHelloを買収した際、そのマネーが「キプロス」を経由していた事が判明したからだ。
2013年初頭、Helloブランドを展開していたマレーシア系携帯電話会社ハロー・アクスタシア(Hello Axiata Co. )は、同じくSmartブランドを展開していたラテルス(Latelz Company Ltd)を買収し、HelloをSmartに統合。 買収額は総額で1億5500万ドル(当時レートで約130億円)と伝えられた。
マレーシア携帯最大手がカンボジアのSmartブランドを丸ごと買い取った形になったが、このマレーシア大手相手にSmartを売り抜けたラテルスという会社は、「キプロス」に本店を持つロシア系企業であった。オーナーはTimeturns Holdingsというロシア系持ち株会社。
でその頃、「キプロス」は10万ユーロ超の預金は保護対象外としていた。 果たしてその1億5500万ドルは「キプロス」に送金しちゃって本当に大丈夫なんだろうか。。。
・・・と、筆者が全く人ごとながら心配した記憶が残ってます当時、、というお話w
しかもそのギリシャ危機があった2012年の6月、筆者はなんと偶然ギリシャに行っていた。 で、当時買ったギリシャの「地球の歩き方」に「キプロス」もオマケのように載っていた(旅行的にはやはりギリシャに近い国なんだろう。行かなかったけど)。
なので、「キプロス」という名前が何となく頭に残っていた、、という縁もあって、そのSmartとHello統合話に出て来た「キプロス」にちょっと興味を引かれて、いろいろ調べた、、という当時の経緯。
そんな「キプロス」の名前が最近また出て来た我らがカンボジア。
3年前は携帯会社の買収で、今回はカジノリゾートの入札。 いよいよ愉快な空想・妄想が膨らんでくる。
・・昔は静かな港町だった、ロシア人が大好きなカンボジア南西部シアヌークビル。 今や欧州系の旅行の達人達が集う穴場ビーチリゾートとして絶賛開発中である。
・・昔は静かな港町だった、ロシア人が大好きなカンボジア南西部シアヌークビル。 今や欧州系の旅行の達人達が集う穴場ビーチリゾートとして絶賛開発中である。
昨今急激な開発とともに、街中で車が爆発したり怖い集団の大物ロシア人が国外退去させられたり(噂)、、などと、ハリウッド映画並みの抗争劇が現実に市内で繰り広げられたりして、ロシア人にとってどうも商売しづらい場所になってきた。
そこで彼らが目をつけた、こちらもロシア人が大好き地中海アイランド「キプロス」のカジノ開発話。 カンボジアの「ナガワールド」が「キプロス」でもカジノを運営する事になって、両国が兄弟カジノで結ばれれば、何やらステキな事がたくさん起こりそうだ。例えば仮にロシアから「キプロス」に持って来たルーブル(ロシア通貨)やらユーロやらを、カジノで増やして(増やせなくてもカジノ・コイン化して)、 VIPのコイン残高をデータ管理にしてそのコインをカンボジアの兄弟カジノ「ナガワールド」でも使えるようにしたら・・・絶賛米ドル経済なカンボジアで引き出したコインを自由に米ドルに交換できるじゃないか。
今は中◯人 (とホントは来ちゃいけないのに何故かいる小リッチ系カンボジア人※)が我が物顔で占拠する「ナガワールド」も、そのうちロシア人に浸食され始めたりして、、2階のカラオケにいる女性も今は中国人とカンボジア人だけだけど、そのうちロシア美女が。。 そういえば最近プノンペンで出張者を連れて行く定番となりつつあるらしい「R◯CK」にはもうロシア美女のダンスショーがあるって聞いたなそういえば。。。すでに浸食が始まっているのかもしかして・・♪
・・・・以上(シアヌークビルが云々からのくだり)は何の根拠もない筆者の空想・妄想ですww
(※:カンボジアのカジノはあくまで外国人専用で、カンボジア人が自国カジノを利用する事は禁止されている。)
最近、アメリカ財務省が、日本とカンボジアでマネーロンダリングに関わっていたとされる日本人の米国内資産凍結と金融取引の禁止(おそらく米ドル預金凍結)措置をとった、という報道もあった。
・・・長いな今回も、、しかし二回に分けるほどの話でもないし、明日には忘れてるかもしれないし。。やむなしw
・・・・以上(シアヌークビルが云々からのくだり)は何の根拠もない筆者の空想・妄想ですww
(※:カンボジアのカジノはあくまで外国人専用で、カンボジア人が自国カジノを利用する事は禁止されている。)
見えない所で意外とスリリングな巨額ブラックマネーの応酬が行われている・・のかもしれない我らが小国カンボジア。
まあ、さて現実に舞い戻った一零細民間企業の弊社社長としては、そんな空想をネタをつまみにたまに妄想広げる夜を楽しみつつ、目下日中は極少マネーを真っ当に稼ぐために日々奮闘する毎日です。 さて年内もうひと頑張り!
・・・長いな今回も、、しかし二回に分けるほどの話でもないし、明日には忘れてるかもしれないし。。やむなしw
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